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LAC信州乗鞍感想レポート

2022年5月28日~31日に3泊4日でLivingAnywhere Commons信州乗鞍(ゲストハウス雷鳥)に泊まっていろいろなことを感じたので、レビューしたいと思います。

目次

  1. とにかく自然が豊か

  2. 生活の一環で滞在するのは難しい

  3. 建物の空間構成が面白い

  4. スタッフや周りの滞在者との距離感が難しかった

  5. その他思ったこと


1. とにかく自然が豊か

まだ雪が残る乗鞍岳

 ゲストハウスがある乗鞍高原は、長野県松本市から西に車で1時間弱峠を進んだところにあり、北アルプス(飛騨山脈)南部に位置します。夏は登山、冬はスキーというように山関連のレジャーが人気で、さらに温泉もたくさんあるということで、保養地として人気があるようです。

 その地に立った第一印象は、LACの拠点紹介でも書いてあったように「ノイズレス」で、数百メートル先に流れている川の音?や虫の鳴き声がかすかに聞こえるというような、都会ではほぼ感じられない体験ができる場所でした。

 標高はゲストハウスがある場所で1500mほどらしく、泊まっていた数日間の中でも、朝晩や曇っているときはパーカーを羽織っても寒っ!という感じでしたが、ひとたびお日様が顔を出すと日射が強く汗をかくような、そんな天気と一体となって生活しているような感じがしました。

 雑音もなく、ゲストハウスの敷地を一歩出るともう森の中にいるようなそんな場所で、ふと見上げると乗鞍岳やその他の山々が見渡せるというように、自然を感じたい!山が好き!という方にはたまらないでしょう。

 ただ、自分自身は自然自体にはあまり興味がなく、自然と人間の営みがどう関連しどう折り合いをつけているのかや、自然に触れた人がどのようなことを感じているのかを見るのが好きなので、一人で行くよりは誰かと行きたいなと感じました。

2. 生活の一環で滞在するのは難しい

 自分は現在特定の家を持たず、LACと車中泊を駆使して旅と生活(基本は修論の執筆と宅建の勉強と読書とギターの練習)を同時並行で行っているのですが、そのような生活スタイルの一環という位置づけでの滞在は難しいなと感じました。

 理由はいくつかあるのですが、一番大きいのは、スーパーやコンビニがなく、物価がとにかく高いことです。物価が高いというか、そもそも松本まで行かないと(現地の人は松本まで「降りる」と言っていました)手に入らないものも多そうで、一般的な生活の延長として食生活や日用品を調達するのは車を持っていてもきついなと感じました。
(4日間しか滞在していないので、長期でいたら変わったかもしれませんが。)

3. 建物の空間構成が面白い

 建築を勉強していたこともあり、将来ゲストハウスうやシェアハウスを建てるならどのような間取りにしようかなと考えながら各拠点やゲストハウスを回っているのですが、LAC乗鞍はとても面白いなと感じました。

 何が面白かったかというと、リビング的な空間がいろんな空間と立体的に繋がっているところです。玄関を入って廊下の向かいにそのリビング的な空間があるのですが、ビックリしたのが寝室がある2階へはそのリビングの奥にある階段を通る必要があり、利用者は滞在の中で毎日ほぼ確実にリビングを通ることになります。普通の住宅だったらまあ普通にあることかもしれませんが、ゲストハウスという場所でそういう空間構成になっているのは初めて見たので驚きましたし、シェアハウスみたいだなと感じました。
 さらにそのリビングの隣にはキッチンがあり、そこで盛り上がって話している人たちの声も聞こえてきたり、また二階にいても吹き抜けのような形になっているのでリビングの状況が見渡せたりと、他人が出会うきっかけをものすごく生みやすい場所だなと感じました。
 ただ、そのようなポテンシャルはあるものの、実際には、なんとなく誰かに見られている感が強かったり、他にワークスペースなどの滞在場所もあったりということもあり、自分の滞在期間中にはそこに滞在することで新たな出会いが生まれるということはありませんでした。空間構成も大事かもしれませんがそこにいる人がどうふるまうかや運営の仕方も大事なんだなと考えさせられました。

 あと、階段がほかの空間の持つスケール間より若干大きくて力強さを感じました。

4. スタッフや周りの滞在者との距離感が難しかった

 長くお世話になっているLAC八ヶ岳では、すでに知り合いがいたり、コミュニティーマネージャーのジョニーさんがはじめましての人同士をいい感じでつないでくれたりするおかげで、割とコミュニティの内側にいる人という立ち位置でいられるのですが、今回は初めての拠点ということで完全アウェーでスタートして知り合いができるかなと期待していたのですが、結論知り合いはできませんでした。
(自分が人見知りであったということに尽きるのですが。)

 自分の宿泊最後の夜は、運営側の人と滞在者数名で楽しくダイニングで飲み会をしていてチャンスはあったのですが、すでにできているコミュニティーに外から入っていくのはなかなか難しいなと改めて感じさせられました。
(自分が人見知りであったということに尽きるのですが。(2回目))

 この経験から翻って、人見知りだけど一回話し始めれば楽しめるという人(経験的にこういう人割といると思う)のためのコミュニティのきっかけづくりのデザインみたいなものは、あると指数関数的に人脈の広がりが増えていくので価値あるものになるだろうなと思い、今後考えていきたいなと思いました。

5. その他思ったこと

 正直、LACで月25000円でいろいろ泊まりまくっている僕が宿泊しても、この宿にはほとんどお金が落ちていないんだろうなといううしろめたさを常に感じながら滞在してしまっている自分がいました。 
 おそらくLACを通して宿泊する客は、他のルートで予約宿泊する客に比べて宿にとって利益が相当少ない(もしくは赤字もあり得る?)はずであり、そこをなんとか継続的なシステムにしていくためには、宿泊費以外でのマネタイズの方法を各拠点が考えなければいけないんだろうなと勝手に感じています。
(内情はよく知らないのでほぼ完全に妄想です) 

 一番単純なのは食事などを別料金で提供してそこで利益を生むということが考えられますが、LACの客層はおそらく多様で、自分のようなぎりぎりの生活をしている学生や20代を想定するのか、ある程度仕事や収入源には余裕がありワーケーションといった形で滞在している人を想定するのかによって具体的な打ち手は大きく変わってくると思います。より効率よくお金を落としてくれるのは後者の方だと思うので、前者の僕はあまり言えることはないですが、自分の場合であれば800円でお腹いっぱいになれるくらいじゃないと積極的にお金を払おうと思わない気がするので、こんな奴はビジネスにおいては相手にしない方がいいでしょう。

 そこで、僕のような特に裕福でもないユーザーが何にだったらお金を払うかなと考えると、僕の場合はコミュニティかなと思います。そこに行けば友達や知り合いに会える、もしくは新しく知り合いができるという場所があればそこは存続していてほしいので、寄付という形でもお金を出します。特に趣味(例えば八ヶ岳だったらバンライフや音楽、乗鞍でいえば登山など)を共有できる人や場にアクセスできるという状況があれば、ものすごく価値を感じます。
 しかし現状、それをマネタイズできるシステム(僕がお金を落とせるところ)が準備されておらず、もったいないなと感じています。PayPayなどで勝手にお金を送ることはできますが、せっかくであればクラウドファンディングのように自分が支援していることを他者に表明できる方がより寄付する満足度も上がり、またそれがコミュニティを強くしていくのではないかと感じます。
 なので、うしろめたさを感じずに宿泊するためにも、そのような受け皿がいいなと感じたりしました。 



31日午後現在からは、LAC金沢に滞在しております。信州乗鞍とは真逆の都市的な場所で、それはそれでとても面白いです。また今度感想レポートを書きます。


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