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【うなぎのう】あつた蓬莱軒

この世の中で「幸せ」を一番感じることができる食べ物とはと問われたら、僕は「うな重」と答える。今までにどれくらいのお店で食べただろうか。これからどれだけ食べることができるだろうか。そう考えるともう残された時間は少ないかも知れない。うなぎが絶滅危惧種として食べられなくなると言われて久しい。この命が尽きるまでに思い残すことなく「うな重」を食べておきたい。老舗の名店からファストフードストアまで目標を100店舗としたら、一年で25店舗(月2回ペース)で食べに出かけたとしてもおよそ四年かかる計算になる。


名古屋でうなぎで「ひつまぶし」と言えば『あつた蓬莱軒』。
数年前、バイクツーリングで国道19号線の熱田神宮そばを北上通過していた時に鰻を焼く香ばしい匂いを感じたことがあった。それが『あつた蓬莱軒本店』からであることを知ったのはつい最近のこと。

ひつまぶしは短冊状に刻んだ鰻の蒲焼をタレが染みたごはんの上にのせ、お櫃で提供する料理。そのまま食べる、薬味を加える、だしで茶漬け風にすると食べ方と味変を楽しむ鰻料理である。

お店:あつた蓬莱軒本店
場所:名古屋市熱田区神戸町503

名古屋で知り合った知人がご馳走をしてくれるということで『あつた蓬莱 本店』を訪問。発祥は東海道五十三次の宿場町・宮町に料亭として創業。秘伝のたれは、明治六年の創業以来、140年継ぎ足され守られている。
蓬莱軒は会席料理以外は予約ができない。直接店に行き店前にいる店員に予約をする。一時間半待ちということで待ち時間の間、熱田神宮を参拝する。

熱田神宮は三種の神器を祀る1900年以上の歴史を誇るお社。今回は初めての訪問。日が暮れてからだったので真っ暗。しかし広大な境内はとても静謐静寂でまた日を改めてきちんと来ようと思った。


時間に合わせて行くと店内へ案内され、待合でしばらく待ってから席に着く。
ひつまぶしと骨せんべいを注文。
店内は鰻屋さんの静かな雰囲気ではなく観光スポットのような賑わい。なんとなく落ち着かない中、骨せんべいを堪能する。

骨せんべい
ひつまぶし

ひつまぶしは、最後の茶漬け風で食べるのが一番好き。
もしうなぎ料理がひつまぶしだけとしたら、それぞれを一匹ずつ分くらいの分量で食べたい。なぜならそれぞれが美味しいのだが、満足感がそれぞれ三分の一ずつになるからだ。そういった意味では気に入らない。「鰻重」あるいは「うな丼」一択になる。

なんだかんだ言っているが、美味しかった。

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