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周回遅れのおやじ

そんなつもりはなかったのに、いつの間にか五十代も半ばを過ぎアラカンと呼ばれる世代になっていた。心も気持ちも尾崎豊の「十七歳の地図」から何も変わっていないのに、気がつけばしょんべんのキレも悪く、射精欲もすっかり失せたジジイのカラダになっている。予感も予兆もあったのに日々だらだらと「夢」という妄想を追い続け気分だけで生きてきた結果がこれなんだろう。
調子の悪くなった臓器ひとつひとつを、小心な俺は病院に行って検査を受け老いたカラダを若い女医にさらけ出し、されるがままに弄ばれる。何年か前まではマッチョなカラダに憧れて「コミットする」肉体改造をしていたとは思えないほど、我が身は筋肉もそれを覆う皮膚も衰えている。

「いい感じのおやじになりたいね」

人生百年時代とかいう身勝手ワードに振り回されることなく、自分の人生の終着点を68歳として今生きている。そんな考えも変わるかもしれないけれどとりあえず今生きている。
ヒトという生き物の肉体の標準稼働年数は50年くらいだと考えているので
『まだ若いよ』とか言われるのはずいぶん的外れだと感じている。あなたはその年齢で「若い」かも知れないけれど、私はもう若くはない、と言いたい。

だからと言って、積極的に年老いていくのではなく馴染むように変化していきたいのだ。そして周回遅れでありながらトップを走る誰かの後ろにぴったりとくっついてあざとく射程を見定め卑怯にも抜き去りたい。これはモーターレースではないのだ。サドンデスに少々の小狡さをもってして。。。

あと少しで2024年度が始まる。
すこしワクワクしている自分と、一歩後ろに下がって戦う自分の姿にあこがれて、周回遅れのおやじとして、ちょっとひさしぶりに目標を目指してみようと思う。

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