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不動ハシビロ と 多弁多動切り口上

“きゃー、水がない!”

仕事はじめのひと口を飲もうとした。
朝、リュックを替えた時ペットボトルを入れ忘れた?財布も無い。
家へんばりつきのオッサン 夫に☎
「リビングに置き忘れた水とどけて」
“あ、あったわ!これから玄関に出しときや!”
<玄関出すまでもなく指さし確認してます>
「通用口のロッカーに入れといて」
“え〜ええ、そんなとこまで?”
「そんなとこって車停めて5歩やん」
“・・・・ふにゅにゅ・・・・”
「車で2分、停めて5歩、来てよ!」
 無言、無言、ああ無言がつづく 
「富士の7合目までとか言うてへんし
 妻が熱中症で死にそうやのにからに
 ああ喉カラカラ、自販機の前で倒れ
 たろか ボカリのボタン押したまま 
 ポックリ逝くかもよ」
まくし立てて届いた水溶きボカリは
砂漠でオアシスか?の味だった。

庭木の剪定をした日

「いつでもいいから、枝片づけてね」
聞こえないのかテレビとラブラブの夫
「つつじと雪柳と金木犀だけやから」
“それ、ほっといたら腐葉土やろ?”
「何それ、やりたないの?たった
 ゴミ袋3つよ。ワタクシ10袋ずつ
 毎年3回、20年ずっとやってるよ。
 155cmの妻が背伸びして剪定バサミ        
 頭に落としそなカメ止めやったのに
 180cmの夫は袋づめだけ、それも  
 妻の600分の3にあーだこーだ、
 腐葉土だ、言う?」
 ここまでまくし立てて、翌日ゴミ袋
 発見。一袋だけ。

私の切口上のようなキレキレの河原撫子


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