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『ブギウギ』第115回 尊い親子愛やね!

 何がしたいん?

これはヒロインを愛情深い母親として描いた結果なのか?

 そう疑念しかない。
 このドラマは人間としての感情交流がそもそもあるかわからなくて、ただ記号のような人間像が散らばっていてガチャガチャ動いているだけ。
 子どもが学校に行かないとか。
 子どもに手作りおやつを与えるとか。
 そのおやつを食べないとか。
 その程度の記号のやり取りをして進んでいく話は、まるで出来の悪い恋愛シミュレーションのように思える。

 これはこのドラマだけでなく、近年大阪朝ドラにある悪しき弊害だと思っていまして。皆さん大好きだった『カムカムエヴリバディ』も、”I hate you1”だけで話が怒涛の流れを展開していて、むちゃくちゃだと思ったもんです。前後のことを深く考えてへんなと。
 
 このへん真っ当なドラマはある。『スカーレット』の主人公夫妻の離婚に至るまでの過程は、感情のひだとすれちがいを重ねて丁寧に描いていたし。あれをモデル通りに夫の不貞にしたら、あそこまで心を抉られなかったと思いますよ。お互い愛情はあるのに、すれ違う様が素晴らしかった。
 『おちょやん』もそう。あれも深みがありましたね。同じ脚本家の正月時代劇はイマイチだったけれども、『おちょやん』はよかったので、いずれ大河に来るかなと思っていました。そうなりましたねえ。
 と、現実逃避したくなるくらい今回は酷い。話にならん。

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