昔話。同じ歳の従妹がいる。半年ほど生まれ月が俺の方が早い。今思うと不思議なんだけど、30年前、大学4年の時に、母親が俺に金をくれて、そのM美とドライブでもして来いと言われた。彼女は地方の女子高（＝母親と同じ女子高）を出て一浪して都心の某有名女子大の寮に住んでる。門限迄には帰れという話。何処をどう行ったかあまり覚えてないけど食事をしてドライブして寮の近くまで送って帰った。そのお膳立ても彼女への事前連絡も全て母親がおじと話をしたらしく、俺も彼女もほんと当日久々に会う。言われた場所に集合した。流石に従妹だし特に母方だし、なんかあると流石にヤバい、しかも昔から俺にとっては眩しくて、話はするがまともに目を合わせた事は無いかもしれない。だからこの時も面と向かって目を見て話す事はしなかったかもしれない。内心ではその後個別に連絡もできたらとは思ったが、何しろ女子大の寮だし当時スマホどころか携帯も普及してないし。なのでそれ以来その後彼女と二人で会う事も勿論無いし、その後暫くして彼女は実家の方のなんかの縁で結婚した。

彼女は何て言われて俺と遊びに行って来いと言われたのかなあとも思うし、いや俺がオトコ気を出して襲って来たらその場で帰って来いとか言われてたかもしれないし。

その日帰ってから、母親にはどこに行ってきたかは聞かれたが、詳しくは聞かれなかったように思う。今思えば、何処に行ってどこで食事して帰ってきたとか、あっさりしてたので、拍子抜けしたのかもしれない。なんでおじと母親はこれを思い付いたのかと今でもわからんし、俺もそうは言っても当時大学4年でハッキリ言えばオンナを色々追いかけては失敗してた。男子高出身の勘違いあるあるを色々やらかしてはいた。射精欲だけはマンマンだった。世の中的には当時は助手席に座ったらOKみたいな時代。プレリュードやシルビアがデートカー当たり前の時代。この時ムラ気を起こして車内で押し倒してたかもしれないよね、実際その時はそんな気分は全く起きなかったが。でも間違いが起きたとしても、いや俺が間違いを起こしたとしても、それは許容されたのか？少なくともキスくらいは逆に仕掛けて来いくらいの意図だったのかと。

なぜそんな30年前の話を急に思い出したかというと、赤松啓介という民俗学者の「夜這いの性愛論」というのを読んでいて、昔はムラ社会の中で親とか近所のオトナが掟として性教育を教える制度だった。だからそれになぞらえたのか知らないが、親同士がこういう機会を突然言い出して、擬似的にも何かを教えようとしたのかもしれないと、今ふと思った。まあ好きなように2人でヤってこいとは想定しないまでも、何か起きたとしてもそれは親の管理下での話で落ち着くのか。そういう場だとしたら尚更、その時彼女はどう言い含められて会いに来たのか。気にはなる。多分俺が言われたのとは違うだろうし。ていうか俺はカネをやるから遊びに行ってこいと言われただけで。

俺は兄弟が居ないので、甥や姪は居ない。例えば今、親の立場で長男を姪と、長女を甥と、カネをやるから遊んで来いというだろうか。多分それは無いだろう。まあでも行ってこいと送り出す以上は、多少何かがあってもそれは送り出した以上はしょうがない。いやむしろ、変なところで変な異性とそうなるよりも、親の監督下でそうなるならまだやむを得ないと思うだろうか。まさに赤松民俗学の継承となるのかどうか。

いや待て、家内に姉が居て、その子供がいるから一応義理の姪はいるのか。向こうは今高3女子だから今はアレだが、あと2年くらいしたらうちの長男は25になるけどその頃になったら、事前に打ち合わせてその2人に遊んで来いと言うだろうか。男親として長男にカネを持たせて遊んで来いよと見送るなら、まあ正直に言えばヤって来い、やらせて貰って来い、そのやらせて貰う迄のプロセスが経験だ、くらいに思うかも知れない。まあ実際にはあり得ないなあ、この御時世。

逆に娘を甥と会って来いと送り出す立ち位置ならどうだろう。若い2人が会って何か有ったら心配だと思うなら最初から行かせない。妙な所でヤバイ男に引っ掛かるなら、経験としていっその事、甥はどうだろうか。甥が最初のオトコなら（本当に最初かどうかは知らんが）一応親の管理下でという事で了承する。そのために送り出すのだ。もし彼が望んできたら、お互いの経験の為に、応じてくれ。そのかわり避妊はしてこいよと、家内経由で言い含めるだろうか。現実にはありえんな。

こんなロジックになるだろうか。という事は、つまりカネを渡すから君達ヤってこいよ、若い人同士うまくやって来てね、というのが親の側の願望だったのだろうか。という事は、俺は当時、射精欲がマンマンで、でも従妹と会って緊張してそれどころでは無かったのだが、親の願望としては君達オトナの経験をして来いよという話だったのか？と。パンダに交尾をさせるみたいな奴だったのか。親の立場になって、当時の親の考えを今気づいた、のかもしれない。今思えば、なんだやらしてくれる前提で従妹は来てたんなら、やっとけばよかったと。今なら考える、彼女はどんなカラダだったか、どんな声を出してどんな顔で俺を咥え、どんな体位で俺の前で両脚を拡げたのか、などと。

親に金を貰って従妹と遊んできた話を当時の大学の仲間に話したら、なんだそれ？みたいに言われたので、それ以来誰にも話して無いし、彼女も忘れてるだろうし、俺も忘れてた。家内にも話して無い。今から80の親にその時の理由を聞き出しても仕方がない。