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バニラを最大に活かす方法

近年、不足、高騰しているバニラ。
高騰だけでなく、手に入れたくても選べるほど資源がないという状況にあります。
しかし、お菓子づくりをする人にとっては、バニラの香りが欲しいお菓子、バニラの香りなしにはできないものがたくさんありますね。少ない資源、とても高価なものとなりましたが、いつまでも、当たり前のようにあり続けるわけではないということを受け入れ、最後の最後まで無駄なく、大切に使っていきたいものです。

<バニラの使い方>
お菓子にバニラビーンズそのものを入れる。
液体にバニラのさやを入れて煮出す。

この2つが多くの使われ方だと思います。両方を併用する場合もあると思いますし、どちらかだけということもあります。どうしても、目に見えるということから、バニラビーンズを入れるほうがバニラの香りがあるように思われがちですが、そんなこともないのです。バニラのさやのみを入れて置いておくだけでも香りはつきますし、加熱してもよい液体があれば、温めて放置することで、芳醇な香りが得られます。牛乳を使うものやシロップなど。煮出す場合は最大15分くらいがお勧めです。それ以上はえぐみも出てきます。加熱後、蓋をして、冷めたら冷蔵庫で保管します。可能なものは24時間くらい置けるとベストです。その後、お菓子づくりに使うことになります。そこまで時間がない場合は、1時間でも違いますのでできるだけ長く置いてください。これを「アンフュージョン(infusion)」と言います。「煎じる。しみ出させる。」という意味です。バニラのさやは、当然、最初が一番香りが出ますが、一度、使用したものでも長く漬ければそれなりに香りはつきますので、そこまで強くなくてもよいお菓子に使ってください。カスタードクリームに使った場合、炊き上がっても、さやは取らずにクリームとともに冷やしてください。焼き菓子であっても生地と一緒に一晩寝かせるなどをすることで香りが得られます。

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例えば、2回使ったバニラのさやがあるとします。それは、洗って乾燥させてください。乾燥させたさやの活用法としては、2つ。ひとつは、砂糖に入れて保管することでバニラの香りのする砂糖をつくる。下の写真のように、砂糖に刺して置けばよいです。十分にバニラの香りは移ります。これを使った場合のメリットは、砂糖は溶けて目には見えないけれどバニラの香りがすること。これで生クリームを泡立てて、クレーム・シャンティをつくるだけでおいしいですし、焼き菓子の生地や表面にふりかけるなどもよいと思います。

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もうひとつは、バニラをミルにかけて粉末にしてバニラシュガーをつくることです。バニラの粉末と砂糖を同割りで混ぜるだけです。ミルは、電動でも手動でもできますが、乾燥していますのでそれなりに硬いです。バニラを入れる部分を洗えるものでないと香りがついてしまいますのでご注意ください。このバニラシュガーは、先程とは違い、バニラそのものですから、強烈なバニラの香りが出ます。強い香りがありますので、数グラム入れる程度で大丈夫です。ケーキひとつなら、ひとつまみでいい。こちらは、お菓子づくりに使った時に、砂糖は溶けてもバニラのさやはなくなりませんので、たくさん入れると黒い粉末が残ります。ですから、それが目立たないタルト生地や焼き菓子などに向いています。焼くものに向いているのは、香りが強いということもあります。焼成すると香りは薄れますから、バニラエッセンスでは出せない香りが出せるのです。

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バニラビーンズを入れる、
バニラのさやを用途別に2回使う、
乾燥させてバニラの香りの砂糖をつくる、
バニラシュガーをつくる。

最後は、我々がさやまで食べてしまえるのです。
最後の最後まで、貴重な資源、貴重な香りを使い、楽しみ、おいしくいただく。
大切に使いながら、また、たくさん使える日がくることを願いましょう。
では、良きお菓子づくりのある生活をお愉しみください。

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