「推し」という言葉を調べたら誇りを持てるようになっちゃった

【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.218】:土曜更新


前回、こんな記事を書いてみた。


「推し」「推し活」って言葉をたくさん書いていたら、ふとその言葉の起源が気になった。

こんなにファンの活動を的確かつ素敵に表現してくれる言葉、果たしていつからどのように生まれたのだろうか、ここ数年じゃないかと予想した。

そこでありきたりだがまずネットで調べると、「推し」の起源は、「推薦する」から来ており、アイドルファン、90年代にモーニング娘。さんのファンの間で発祥したとのこと。
その後、2011年、ユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされて一般の人にも広まり、今では国語辞典にも記載されているとのこと。

起源については80年代にも遡れるとの記述もあり、ここ数年かなと思ってた私の予想は全くハズれたのである。


しかし流行り廃りが激しい昨今、死語となって消えていく流行り言葉は山ほどある。なぜ「推し」という言葉が残ったのか、更に気になった。

そこで更に安易にネットで簡単にわからないかと調べてみたのだが、なかなかはっきり情報が出てこない。

そこで、気合がいるが、ネットで探している中で見つけた論文を読んで見ることとした。

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タイトル「新語・流行語の定着の法則性について」(筆者:太田彩英、山口国文 43 巻 168-148 頁、2020-03-01 発行、出版者:山口大学人文学部国語国文学会)
https://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/28212/files/159487

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この論文では、新語・流行語を大きく大衆文化と社会問題に分け、「大衆文化の語のほうが比較的死語になりやすく、社会問題のほうが残りやすい」とのことだった。
この死語になりやすい大衆文化の言葉でも、定着しやすい語としては、「現在も流行・発生当時から名称が変わらず存在しているモノ・コトが非常に多い」とのことである。

私なりに解釈すると、大衆文化の新語・流行語は、社会問題のそれより残りにくいが、現在も名称が変わらず存在するコトは定着しやすいというかと思われる。

そうすると、「推し」という言葉は、激戦の大衆文化の中で勝ち抜き、かつ現在も使われ続けている貴重な言葉ということになる。

これは、アイドル活動が一過性のものではなく、さらにファンの活動も老若男女を問わず、現在では裾野が広がってたくさんの人に行われているコトだということだ。

起源とされてる言葉も「推薦」というとても肯定的な言葉でいいよな。

特に私が感じるのが、以前は明確な言葉を持たなかったファンの活動について、「推し」という誇り高い言葉が、こんなステキな活動を指すんだよと輪郭を引いてくれたんじゃないか、それで世間も認知してくれるようになったんじゃないかということだ。

私ごときのことで恐縮だが、20代でそれまで全く興味がなかったアイドルのファンになった時、ちょっとした気恥ずかしさを感じてたのも事実だ。私の小ささと言われればそれまでだが、「周りに何て伝えよう」と悩んだりしてた。

それが今では「推しができた」というステキな表現で周りに言うことができる。
むしろ、今では、周りの人が「私には推しがいないんだよね」とコンプレックス的に言ってるのを聞いた。
言葉がものすごく市民権を得ている。

V6の「箱推し」で、三宅健くんが「最押し」の私としては、今後とも誇りを持って「推し活」「推しごと」をしていこう。

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