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お悩み相談室のうらがわ041の続き(ジョナンノソウ②)

(つづき)

え、ナゾミ(仮)のことか?
まあ、たしかに二十歳も過ぎて門限9時はあれだけど。ちゃんと守ってるしな、9時。え、?これから別れるってこと、なのか?

いやいや、あー、家族かな。血縁。そっちね。たしかにつねた家は女系です。あと、妹はちょっとほら、ガラの悪いのと付き合ったりはありましたが…今、関係あるか?

いや、もしかして元カノか!
あれはひどかった。あの、京都女子大の、あの子。浮気しといて自分から振るって、なんやねん。


ジョナンノソウを脳内で漢字変換できてから、そのようなことをおぼろげに想起しつつ、

「えっと、もう少し、詳しくお願いします」

すると、おじいさんは、それには答えず、
「彼女は?」
と、ぐいっときます。私はカサついたおじいさんの手から、軽く力を込めて両手を抜き、ちょっと迷ってスラックスのポケットに突っ込みました。温もりがいやだ。

「もう、長いの?」

え、会話ができない。

だまってタミオ(マスター)のところへ行けばよかったとすでに後悔し始めていたので、帰りたいなとは思ったのですが、
500円分はしゃべってから帰らないと損だなと、自分の心を励まします。


あの、それ、ズルいですよ。
いい年した男つかまえて、女難って言ったら、だれでも心当たりのひとつやふたつ、あるでしょう。仮に一回も付き合った人がいないとしても、それはそれで女難ですし。

「お。お兄ちゃん、話せるね。缶コーヒー、おごるよ、寒いから。」

おじいさんは立ち上がると、さぶ、さぶ、と言いながら側の青い自販機にコインを入れました。

いや、それ、私の500円。
(つづく、次で終わるはず)

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