石畳えり

BLがすき・短歌、小説などを創作します

石畳えり

BLがすき・短歌、小説などを創作します

マガジン

最近の記事

【BL短歌】Twitterまとめ20首

じくじくとひりつく舌を切りました貴方のキスが甘くないから 今だけだいつかは気づく間違いにその腕が抱くのは俺じゃない 負けた負けたと笑うきみ降り注ぐ二月の雨は涙のようで 「俺達の子どもだったらかわいいよ」腹くだした恋人に言うか? 雨の日にふざけてひとつ傘さしたあのふたりにはもう戻れない 好きだから別れようなんて悲しみくれる君に捧げる太陽 ただ少し体がぶつかっただけで生まれた気持ちを恋と呼ぶな 「女扱いかよ」ってお前は言うけど愛し方って他にあんの? いくらでも鳴い

    • 【ワンドロ】無題BL(未完)

       おにいちゃん、と呼んでいたことは覚えている。田舎の、父親の実家、近所の家だ。  俺が小学生の頃は夏休みになるといつも三、四日ほど、父親の実家に帰省していた。田舎は見渡すかぎり田畑でなにもなくて暇だったが、父の祖母はスイカやらアイスやら子どもが喜びそうなものをしこたま用意してくれていたので、俺は父の実家が好きだった。  田舎では大人は大概ずっと大人と話しているから、スイカやアイスを食べたあと、俺はよくひとりで外へ遊びにでかけた。あんまり遠くにいっちゃ駄目よ、という母の言いつけ

      • 【短い話】平成最後の夏2作

         打ち上がる花火を背に、私は自転車をこいで家路をたどる。視界をそよ風のように浴衣姿の女性たちが通りすぎていく。  横断歩道のところで信号待ちをしながら、ふと、大きな音にふり返った。遠くの空で色とりどりの花が咲いては散っていた。そういえば、最後に実物の花火を見たのはいつだっただろうか。幼い頃は永遠に続くと思っていた時間が、今では一瞬で過去になる。  この時、この瞬間も、まばたき一つで消えていく。平成が終わる。 ―  花火、という明るい子どもの声に、伏せていた顔を上げて窓を見

        • 【短歌】葬式に呼んでください5首

          行き場なくさまようこの感情を終わらせるきっかけがほしい あなたの知らない顔を見るのがつらくて会うのが遅れてしまいそう 私よりその女のほうがいいの?ハッピーエンドか見届けてやる! あなたのこと奪えなくなる日まではどうか私を忘れていてね 叶うなら白の代わりに黒を着て誰よりキレイに見送りたい Twitterハッシュタグ「#葬式に呼んでください」より

        【BL短歌】Twitterまとめ20首

        マガジン

        • 短歌
          4本
        • 短い話
          2本

        記事

          【短歌】Twitterまとめ20首

          あくる日もこうして沈んでいるのだ二度と目覚めぬように願って 桜みて「美しい」を語る騎士 青空のひとみ夜も知らずに 目覚めればあたりいちめんモフモフモフ「今日は休み!」告げるにゃーにゃー 眠れずにたゆたうベッドあてもなく光が見えた「ああ、あれは朝」 会いたいから今夜会いに行きますね夢の中なら私の自由 あなたのこともっと知りたいだけなの意味不明なこと言わないでよ 神様は「大丈夫」「心配ないよ」と言って私を見捨てた、クズ 嘘つきのパレードみんなほほえんで本当の顔は忘れ

          【短歌】Twitterまとめ20首

          【BL短歌】Twitterまとめ20首

          大人になれば過ちになると思い込んでいた少年の頃よ 知り合うことのない君が口にした「おばあちゃん」で三日ははしゃいだ ネタでしかないハートマークににやけてしまう午後のだるい数学 赤い長靴を履いたぼくに寄り添うきみに恋をしていたのです 「悪かった」とうつむくキミのつむじ見て(今日も可愛い)なんて思った 遅刻魔のおまえ待つ午後、喫茶店、傾く日差し、ぬるいコーヒー 「馬鹿だろう。お前なら他にいい奴」「それでも俺は君がいいんだ」 「お前なら好きにしていい」ああ君はなんでそ

          【BL短歌】Twitterまとめ20首