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見えない魅力の引き出し方 - CXO Night #4 イベントレポ

9月12日気になっていたCXO Night#4「見えない魅力の引き出し方」に参加させていただいたので簡単なレポートにまとめます。
(レポート大変遅れてしまいすみません!)

CXO Nightって?

以下の様な背景から、スタートアップで奮闘するデザイナーを集めて、マネジメントの課題や実用的なノウハウを共有するコミュニティをイベントを通してつくっていっているみたいです。
(以下はイベントページから転載)

・CTO文化同様に、経営に関わるデザイナーを増やして健全な開発文化を啓蒙したい。
・スタートアップに挑戦するデザイナーを増やしたい。
・スタートアップのデザイナー同士で悩み相談をしたい。
・若手デザイナーのロールモデル探しとして。

今回は本コミュニティの4回目のイベントで、第一線で活躍している若手、シニアの方から、スタートアップにおけるデザイン役員の重要性、マネジメント、事業作りにおけるデザイナーが果たすべき役割についてのお話をパネルディスカッション形式で聴かせていただきました。

登壇者

(以下プロフィールはイベントページから転載)

ハヤカワ五味さん - 株式会社ウツワ 代表取締役
22歳のキュ〜トでクレバ〜な経営者。ランジェリーブランド feast/ワンピースブランド ダブルチャカ/ラフォーレ原宿 LAVISHOP等を運営している株式会社ウツワの代表取締役です。服という”纏う哲学”についてと、”透明な売上を立てる経営”を日々考えています。

龍崎 翔子さん - ホテルプロデューサー / L&G GLOBAL BUSINESS, Inc. 代表
L&G GLOBAL BUSINESS, Inc.代表/ホテルプロデューサー。2015年にL&G社を設立。15年に「プチホテルメロン富良野」、16年に「HOTEL SHE, KYOTO」、17年に「HOTEL SHE, OSAKA」を開業。「THE RYOKAN TOKYO」のリブランディングも手がける他、2018年には廃温泉旅館をリニューアルした「HOTEL KUMOI」をオープン。

松井 友里さん - 取締役 / 株式会社AppBrew
AppBrew 共同創業者。デザイン&コンテンツ担当。東京大学教養学部学際科学科を休学中。日本生まれアメリカ育ち。

タカヤ・オオタさん - デザイナー / TKY+N LAB & DESIGN
TKY+N LAB & DESIGN inc. 代表。立教大学経営学部卒業後、株式会社monopo、株式会社ペロリのアートディレクタを経て、2017年に独立。PKSHA Technology, polca (CAMPFIRE), LIPS (AppBrew) などスタートアップと協業しアイデンティティ・デザインを行う。

池田 大季さん - デザイナー / Tondemo Design
アプリやウェブサービスをデザインするデザイナーです。2014年から累計200以上のアプリリリースを経験。泥臭く真摯にユーザーと向き合ってサービス開発します。

広野 萌さん - 株式会社FOLIO CDO
早稲田大学文化構想学部卒。ヤフー株式会社にて、主に新規事業・全社戦略の企画やアプリのUX推進に携わる。2015年、株式会社FOLIOを共同創業しCDOに就任。国内株式を取り扱う10年ぶりのオンライン証券を立ち上げる。代表作に「inShade」「INTEMPO」など。

坪田 朋さん - Basecamp CEO / Onedot CCO
livedoor、DeNAなどで多くの新規事業立ち上げ後、UI/UXデザイン領域を専門とするデザイン組織の立ち上げ。現在は、BCG Digital Venturesにてデザインシンキングを使った新規事業開発業務で立ち上げたOnedotにCCOとして転籍。Basecampではスタートアップ関連のデザイン/事業立ち上げをお手伝いする事が多いです。

イベントまとめリンク

イベントのことは以下のようにいろんな方がとてもきれいにまとめてくれています。🙏

▼当日の様子



他のみなさんが当日のレポートをきれいにまとめてくれているので、この記事では僕的に印象的だった部分とその感想をメインに残させていただきます。
(もし解釈が違うところがあれば、コメントなどいただけるとありがたいです。🙇)

既存のファンに受け入れられながら新しいファンをつくるためのBIデザイン

はじめはコスメ情報共有サービス「LIPS」の誕生からリニューアルまでのお話でした。

特にBIリニューアルをご担当されたタカヤ・オオタさんのお話が印象的で、既存のファンに受け入れられるようにしながら新しい層にも受け入れられるようにサービスロゴなどを制作したとのこと。

当時LIPSの案件が来た際に、すでにサービスに多くのファンがついていたこと、そのファンの熱量が高かったことから、「既存のファンがもっとサービスを好きになる」ことをBIデザインの1つ目の目的にしたそうです。

その上で、よりサービスを発展させるために、「今までLIPSを自分のものではないと思っていた層も触れたくなる」ことを2つ目の目的として進めたとおっしゃっていました。

この辺のお話を聞いて思ったことは、「エゴによって『新しくすること』に囚われて、目的を見失ってはいけない」ということ。
BIデザインに限った話ではなく、あらゆるデザインの仕事において。

多くのデザイナーは「新しいものを生み出したい」という気持ちが少なからずあると思います。なので、例えば「新規ユーザー獲得」などが目的の1つに入ってくると、どうしても「新しくデザインすること」に目が行って、他の目的を見失ってしまうことがあります。

ただLIPSの場合は、新しいユーザーを獲得することだけではなく、既存のファンの熱量をあげることも大事なミッションにおいていて、それをしっかりと見極められていたので、BIの一新ではなく、あくまで目的に沿ってリデザインというアプローチをとれたのだと思います。(実際そうおっしゃっていました。)

これは簡単なようで本当に難しいことだと思いました。
なぜなら単純な目的の確認だけではなく、デザイナー自らがそもそもの目的を探るための徹底した調査をしなければ成し得ないからです。
徹底した調査をしなければ、顕在化している問題だけをみて気持ちの良い解決策(「新しいものをつくる」など)で解決しようとしてしまう危険が潜んでいます。

ブランド体験を顧客が伝えやすい状態にする

後半はハヤカワ五味さんと龍崎翔子さん(モデレーター坪田朋さん)によるパネルトークでした。

このトークでまずおもしろかったのは、ブランドの価値を多くの人に知ってもらうための工夫についてです。

ホテル経営をされている龍崎翔子さん曰く、ホテルのような主に"コト"を提供している場合、お客さんが"モノ"を評価するときよりも評価の理由をはっきり言えず、「なんかめっちゃよかった・なんかよくなかった」という評価になりがちらしい。
そして、「なんかめっちゃ良かった」コトは共有されづらい。

ブランド体験を共有されやすくするためには「意外性」「わかりやすさ」が大事で、そこでしか体験できない新しさがありながらも、言語化して他の人に伝えやすいことがポイントになってくるとのこと。

ファッションブランドをやっているハヤカワ五味さんも販売のときに「この服は〜というところがいいですよ」と伝えてあげて、お客さんが共有しやすい状態にしてあげることで、より拡散性が上がるとおっしゃっていました。

このようにお客さんがブランド体験を自分の言葉で誰かに伝えやすくしてあげることは、SNSなど個人の発信が多くの人に影響を与える現代のブランディングを考える上でとても大事なことだと感じました。

ユーザーへの真の共感

このイベント全体を通して言えることは、登壇された方々はユーザーの繊細な心の声や価値を察知するのがうまく、そこに対して絶妙なコンセプトを立ててユーザーにすばらしい体験を届けていることです。

ユーザーの繊細な心の声や価値を察知するために、ユーザーリサーチと検証をあらゆる方法で徹底して行っていて、そこがすばらしい体験を生む一番のポイントだと感じました。

特に龍崎さんの3つリサーチ方法がおもしろかったです。

1つ目は「(リアルでの)ヒアリング調査」で、実際に現場に足を運びいろんな人にヒアリングを行う方法。ターゲットを絞りすぎず多面的に情報収集をするのがポイント。

2つ目は「Twitter調査」で、Twitterで気になることなどを投稿してみて反応を見てみたりする方法。特徴としては、フィードバックが早いし匿名なので本音で語ってくれることが多い。

3つ目は「Pinterest調査」で、お客さんの理想とするイメージを収集するための方法。ターゲット層がもつ非言語の究極的な理想像が集まっているので、それを如何にビジネスに活かせるかを考えるとのこと。

最後に

正直に言うと、今回のCXO Nightは事前情報で内容が不明瞭だったので、登壇者の魅力だけで参加ボタンをポチらせていただきました🙇
ある意味明確な目的がない状態での参加だったので不安でしたが、そんなことを忘れるくらい学びが多く、非常に刺激をいただきました!(もう3回動画を見直してます笑)
登壇者・スタッフの方々、ありがとうございました!



Twitterでもちょいちょいデザイン系?の情報発信もしているので、ぜひフォローしていただけると嬉しいです!🙏


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