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『風間公親 教場0』 第1話「硝薬の裁き」 感想


概要

放送局:フジテレビ系列
放送日時:2023年4月10日(月曜日) 21時00分~22時24分

原作:長岡 弘樹
 『教場0 刑事指導官・風間公親』(小学館)
 『教場X 刑事指導官・風間公親』(小学館)

脚本:君塚 良一
音楽:佐藤 直紀
プロデュース:中江 功、渡辺 恒也、宋 ハナ
演出:中江 功
制作著作:フジテレビ

番組公式サイト リンク

感想

 2020・2021年に放送されたスペシャルドラマ『教場』のエピソード・ゼロ的なお話です。先にスペシャルドラマで本編(風間公親が警察学校の教官を務める話)を、後に連続ドラマでその過去編(風間が教官になる前の話)を語るというのは珍しい手法だな、というのを見る前から思っていました。

 風間の指導方法には、落合博満(元プロ野球選手・監督)が折に触れて語るコーチ論「コーチという仕事は教えるものではなく、見ているだけでいい」と近いものを感じました。瓜原潤史に対して手取り足取り教えるのではなく、彼の感性や洞察力などを磨かせるため、またその必要性を感じさせるために送るのは必要最低限のアドバイス(それも「他には?」「足りないところはないか?」といったような質問形式が多い)のみ。
 落合氏のコーチ論をもう少し拝借して言えば、風間にとっても今はまだ自分の元に配属されたばかりの瓜原を観察し、「彼の良いところ、悪いところに対してある程度の答えを出せるようにする」段階。何が"余計な言葉"になるかわからない現状では、観察が最大の指導とも言えます。
 とはいえ、事件だけでなく瓜原のこともよく観察しなくてはならない風間は大変だとも思いますが…(笑)

 かくして、瓜原は捜査に散りばめられた事件の真相を見抜き、海藤銃殺事件の犯人・益野を逮捕に至りました。
 しかし、捜査における怠慢、それによって麗華ちゃん(益野の娘で、火薬アレルギー)を危険に晒したことを風間に見抜かれ、交番勤務への降格を言い渡されます。瓜原の成長も、風間の観察もここからだと思っていた矢先だったので驚きました。風間が瓜原に言い渡した言葉は一字一句ぐうの音も出ない正論だったのですが。

 スペシャルドラマで「警察学校は『未来の警察官を育てる場』ではなく『適性のない者をふるい落とす場』」という言葉がありました。逮捕される前に益野が風間に言った「あんたが教官になれば、出来の悪い警察官も少なくなる」という台詞は(前者のつもりで言ったのでしょうが)そういうことでもあるんでしょうね。

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