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『仮面ライダーガッチャード』 第12話「暴走ライナー!暗黒ライダー!」 感想


概要

放送局:テレビ朝日系列
放送日時:2023年11月26日(日曜日) 9時00分~9時30分

脚本:長谷川 圭一
監督:福沢 博文
アクション監督:福沢 博文 (レッド・エンターテインメント・デリヴァー)
特撮監督:佛田 洋 (特撮研究所)

番組公式サイト リンク

感想

それだよ、君達の弱点は。

 協力者を「用済み」と言う理由だけで消滅させたアトロポス。仲間を人質に取られた途端手出しできなくなった宝太郎たち。まさに彼女が言ったように「『仲間』と言う関係性が弱点」です(この手のヒーローが仲間を簡単に切り捨てられるのは嫌です…)
 「人質を取られたら普通は攻撃できない…普通はな!」と言いながら攻撃したスパナは…元々ダークヒーロー的な立ち位置で、そのうえアカデミーのみんなと比べてそういう「覚悟を決めなくてはならない」経験の場数が違うでしょうから…ノーカンというか、「そういうタイプのヒーロー」というか。

 そして錆丸先輩は冥黒の三姉妹によって仮面ライダードレッドへと変身させられました。そのシーンのえげつなさったらもう、「日曜朝からこんなことしていいんですか?」と問いたくなるレベルです。身柄を拘束されてドライバーを装着させられ、アトロポスに操られるがままにカードをセット、そして「…変身」と呟かされて苦しみながら変身。所謂ダークライダーとはいえ、こんなに苦しそうな変身シーン、僕が子供だったら確実にトラウマになります…。
 そして戦い方も悪辣。ケミーカードをコピーするドレッドの仕様と、錆丸先輩の豊富なケミー知識が(最悪の形で)ガッチャンコ。コピーしたうえでケミーの特性を瞬時に理解し、のっけからそれを最大限活用した戦い方(=ガッタードに勝るとも劣らない立ち回り)ができる。コピー系の敵キャラとしてはかなり厄介な部類だと思います。さらに、前々作『仮面ライダーリバイス』の†KAGEROU†カゲロウ/仮面ライダーエビルも行った、中身が錆丸先輩であることを生かして、ガッチャードの攻撃が当たりそうになったら顔の一部を変身解除して素顔を見せ、躊躇させるという卑劣極まりない戦法までとります。
 宝太郎にとっては八方塞がりのこの局面。UFO-Xが手助けしてくれたおかげで一時撤退はできましたが、初めて「己の無力さ」を痛感させられた状況でしょう。スパナさんの痛烈な批判と正論に返す言葉もない。それでも、「錆丸先輩を救う」という決意が揺らがないところは流石宝太郎だなと思いました。そういう"諦めない"というかいい意味で"常に前向き"というか、そういうタイプのキャラが主人公だとそれだけで希望が持てますね。

 それはそれとして、本島くんの目が据わった演技は凄味が半端ない。針馬さんやアトロポスに対して怒りを露にした時や、無力さを悔やんでいた時の迫力は、前作『仮面ライダーギーツ』終盤の桜井景和にも引けを取らないものでした。
 あと、錆丸先輩を演じる富園力也くんのあの苦しそうな演技も…こっちまで辛くなるくらい真に迫っていましたね。
 若手俳優の未来は明るい。

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