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『麻生周一短編集 超能力者 斉木楠雄のΨ難 0』 感想

概要

著者:麻生 周一

初版発行:2012年
デジタル版発行:2012年
発行所:集英社

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発行者による作品情報

斉木楠雄15歳。現在の科学では説明できない不可能を可能にする力・超能力の持ち主である。しかし、この能力のせいで、数々の災難に見舞われる事態に…!?表題作ほか、秀作読切2作品を収録した、初の短編集!!
Apple Books|麻生周一『麻生周一短編集 超能力者  斉木楠雄のΨ難 0』

感想

 なんか気持ち悪い天使、電柱のような友達など、連載版にも負けず劣らずな面白いギャグが盛りだくさんです。特に斉木のモノローグ(テレパシー)でのツッコミが面白い。

間違えてるなだろ?
マリオカートならとっくにジュゲムが介入してる所だ
デジタル版 54頁|超能力者 斉木楠雄のΨ難 第3話 透視
校内での僕の印象は───
「何考えてるか分からない奴」だ
その僕が「何を考えているのか分かる奴だとは夢にも思っていないだろう」
デジタル版 98頁|超能力者 斉木楠雄のΨ難 第6話 千里眼

 個人的にはこの2つがかーなーり好きです。

 かと思えば、「第7話 幽体離脱」はちょっと深い感じの話だったり。

 また、本巻に収録されているもう2つの読み切り作品『三上少年探偵ファイル』『ぼくのわたしの勇者学』も、麻生先生の味が出ていて面白いです。  
 『三上少年─』はアオリ文で「犯人はこの中に!」と言いながら全然違う人だったり、主人公の名前が「未解明」っぽかったり、しょうもない事件に凄そうな名前付けたり、野球で例えたら「ヒットや小技で細かく繋いで絶えず点を取る」感じです。推理ものとして見たら滅茶苦茶どころじゃないですが(笑) (ギャグ漫画だからむしろそれでいいのか?)
 一方の『ぼくの─』は("良く7:悪く3"位の比率で)良くも悪くも「ホームラン狙いで点を取っていく」感じです。RPGが題材だからかメタ発言が多めで、面白いところはとことん面白い。

 「超能力者─」は、連載版『斉木楠雄のΨ難』に繋がる設定や登場人物も出てくるので、読んでおけば3割増しくらいで連載版を楽しめると思います。

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