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『ONE DAY ~聖夜のから騒ぎ~』 第4話「12月24日10時04分~12時03分」 感想


概要

放送局:フジテレビ系列
放送日時:2023年10月30日(月曜日) 21時00分~21時54分

脚本:徳永 友一
音楽:佐藤 直紀
主題歌:ミイナ・オカベ「Flashback feat. Daichi Yamamoto」 (ユニバーサル・インターナショナル)
プロデュース:成河 広明
演出:三橋 利行
製作・著作:フジテレビ

番組公式サイト リンク

感想

 前回ラストで食材が全滅していた『葵亭』。時生シェフらは手分けして食材を集めますが、メインディッシュに必要不可欠なウチワエビだけは見つからない。
 細野くんが「近くにあるレストラン『キーファー』からウチワエビを分けてもらったらどうか」と提案しますが、時生シェフは断固拒否。彼と『キーファー』を取り仕切る松木シェフ(演:髙嶋政宏)とは修行仲間にもかかわらず犬猿の仲だったからです。時生さんはもちろん、松木さん(というか、完全に偏見ですが髙嶋さんの演じがちな役柄)も我が強そうというか頑固そうというか、そんな感じだからなあ…。
 とはいえ、背に腹は代えられず。時生シェフ、梅雨美さん、菊蔵さんは苦渋の決断で腹を括って一人ずつ『キーファー』に頭を下げ…と思いきや、全員『キーファー』付近にあるスーパーの鮮魚コーナーでバッタリ。どうやら各人の「やっぱり頭を下げるのは嫌だ」「スーパーで手に入る(=松木さんに頭を下げずに済む)かもしれないなら…」という思惑は一致した模様。こんな状況になっても「お客様のため」より「子供じみたプライド」が勝るって…それだけ時生シェフと松木シェフとの確執が根深いものなのでしょう。こういう「大局より我欲を優先する状態」になった大人はある意味子供より厄介なものです。
 もちろんウチワエビなど売っているはずがなく…。物語でも、こういうときに限って棚からぼた餅は落ちてこないものです。
 色々あって、満を持して『キーファー』になぐ…失礼、頼み込みにいった時生シェフら。そこで明らかになった両者の確執とは「自分(松木)の方が料理の腕は上なのに、"先代の娘婿"というだけで『葵亭』を継いだ時生が気に食わない」というもの。なんというか…お互いの人間的な小ささが露出しまくった確執でした。略して"ちいかく"。とはいえ、その最中で松木シェフが時生シェフのことを「先代の味を"継いだだけ"」「なんの努力もしていないくせに」と貶したために、一歩引いた心持ちだった細野くんが憤慨。「時生シェフは先代の味を受け継いで、今のお客様に喜んでもらうよう努力している」「そのことも分からない松木シェフこそ"料理人失格"なんじゃないか」と売り言葉に買い言葉。言い方はともかく、そんなに『葵亭』のことを、時生シェフのことを思ってくれていたのか、細野一。そう言えば第1話でデミグラスソースのことを聞いた彼は「なんか、俺も許せなくなってきました😠」と便乗一緒に怒っていましたね。アルバイトで勤務歴も短いとはいえ、それなりの愛着はあったのでしょう。同僚もいい人ですし、少なからず彼らの頑張る姿やお客様の笑顔を見てきたでしょうからね。多分まかないも美味しいですからね(それは行間の読み過ぎ)。
 そんなこんなでウチワエビを手に入れた『葵亭』。(食べるのも作るのも)料理好きとしては、どんなメインディッシュになるのか楽しみです。

 (ちなみに下記のサイトによると、ウチワエビは1kg(5~6尾)あたり2,500~3,000円前後で市場取引されているそうです。1尾あたり500円前後と考えると、まあまあ高級な食材ですね。)


 一方、邂逅を果たした誠司(勇太)と桔梗は、まだ「腹の探り合い」という段階に見えました。無理もないですけどね。誠司からすれば彼女は「大学時代の先輩を名乗る、マスコミ勤務の女」「自分のことを警察に密告する可能性がゼロではない相手」で、桔梗からすれば彼は「記憶を失っている?逃亡犯」「昨晩発生した殺人事件の容疑者(犯人かもしれない)」ですからね。
 そして、横浜テレビ内部も一枚岩ではない模様。密かに桔梗に協力する者や、社長の密偵同然な者、日和見主義者、立場ゆえ軽率な行動はとれない者など、思惑は様々です。日本のテレビドラマってそういう所は無駄にリアルというか、すごくねっとり濃厚に描写しますよね。

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