見出し画像

『マルス -ゼロの革命-』 第3話「被害90億円!地面師事件」 感想


概要

放送局:テレビ朝日系列
放送日時:2024年2月6日(火曜日) 21時00分~21時54分

脚本:武藤 将吾
音楽:未知瑠
主題歌:SUPER BEAVER「幸せのために生きているだけさ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
ゼネラルプロデューサー:中川 慎子 (テレビ朝日)
プロデューサー:田中 真由子、中沢 晋
監督:片山 修
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作著作:テレビ朝日

番組公式サイト リンク

感想

 今回マルスが取り扱うのは「地面師による不動産詐欺事件」。土地売買プロジェクトの責任者だった杏花の父親・直道(演:鶴見辰吾)は退職し無職に。その詐欺集団は未だ捕まっていないが、ある日杏花に詐欺集団の動画が送られてきて…、という話です。

 なんと動画を送りつけたのは國見。
 零との通話の際に「後ろだよ」と挑発した(本当は全く別の場所にいる)の、「どんなに強がってもお前は所詮俺たちの手の上なんだよ」という事実を突きつける意図もあったんでしょうか?底知れぬ恐ろしさとどす黒さを感じます。

 満を持して動き出すマルス。久高のロック解除賢成のハッキングなど、それぞれが成長(?)を見せつけて証拠を掴んだのもつかの間、その最中で直道さんも詐欺の片棒を担いでいたという証拠映像も発見。身内の悪事とあってためらいを見せる香恋に対し、杏花は「この映像はゼロくんが好きに使っていいよ」「これを削除したら『大人にとって都合のいい社会』から何も変わらない」と覚悟を決めている模様。テレビドラマにしては珍しく本当の意味での"人間的な強さ"を彼女に見ました。「強い人間」っていうのはこういうことです。決してトークバラエティ系の番組で「強メンタル」ともてはやされるような「パワハラまがいの言動を繰り返す人間」や「身内にだけいい顔をして、それ以外のことは知らぬ存ぜぬする人間」ではない。漫画『BLEACH』の藍染惣右介が言った「あまり強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ。」の裏返しのような"強さ"を感じました。
 そうこうしているうちに詐欺集団が乗り込んできます。私人逮捕すると息巻く久高に対し、「(不法侵入で)捕まるのはむしろ君たち」ごもっともな返しをするリーダーの立花敦史(演:尾美としのり)。しかし、ここで衝撃の事実が。渾一くんの調べによると、詐欺集団が使っているビルの持ち主は全く無関係の別人で、その上誰にも貸していないはず。つまりは不法占拠です。零くんの狙いはそっち。最初から不法占拠の現行犯逮捕を狙ってのことでした。
 …もしかして杏花の自宅に「売物件」のシールが貼付されていた事って、伏線でした?

 なおも暴れる詐欺集団メンバーを諫め、零に目的を聞く立花。零の「腐った社会をぶっ壊したい」と言う目的を「生意気」「イカレた」と評しつつも、"置き土産"として情報の流出源がクロッキー社であること、相手の巨大さを教えてくれました。
 れっきとした犯罪集団なのですが、このシーンにはどっしりとした大物感や度量のようなものを感じました。

 ソロしゃぶの予約をキャンセルしなきゃならなくなった砂川先生…ご苦労様です。突然の残業が一番お労しいよ。

 しかし、これで一件落着…ともいかないのが世の常(?)。
 直道お父さんは自分のことまで暴かれたことに対して「お前は正しいことをした……とでも言ってもらいたかったか!!」と激怒。状態が状態だからと言うのはありますが、自分のことしか考えていない。前回の不破親子との対比なのでしょう。
 杏花自身も「犯罪者の娘」として好奇の目に晒されます。ここで「犯罪を犯したのは親であって、娘は関係ない(むしろ悪事を暴いた側)」ということに考えが至らないのが実に「人間味がある」な、と感じてしまいました。皮肉です。人間だけに。

 ラストでクロッキー社に直接乗り込む零と渾一。いよいよの直接対決でしょうか。ドラマでも漫画でも、最近の作品って、序盤でラスボスと一度手合わせする展開が多いですよね。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?