31話諦めの悪い男のこと~鎌倉殿の13人を見たくそデカ感情を吐き出したい~

さてもさても。

引き続きに引き続き、鎌デカ感情(鎌倉殿を見て出てきたクソデカ感情)を吐き出していきます。

全ては個人的満足のために。(お付き合い頂いている方、本当にありがとうございます。)

遂に迎えた佐藤二朗劇場、もとい、比企の乱を描いた31話、諦めの悪い男です。

もちろん超超ネタバレなので、見てから読んでください!





えっと。

最近ツイッターのタイムラインとかで、鎌倉殿のEテレ、とか、鎌倉殿の遊園地、とか皆が遊んでるんですけどね。

気持ち、わかります。思わず本筋から目をそむけたくなるこの地獄。

これが地獄として成立するのも、演者様各位の凄まじい演技によるものなのですが。

というか、佐藤二朗さん。

キャラが濃すぎてコメディリリーフ専門俳優みたいになっていた二朗さん。

もう、何この怪演、ってなりました。二朗さんすげぇ。

比企の乱に関して言えば、政子、小四郎ともに北条側にたっています。

なんとなく書いていますが、政子と小四郎は頼朝死後の鎌倉における「運営担当者」だと思っています。

その二人が反対側に立った以上、比企側にルール違反があった、ということだと思うのです。
二人が則っているルールは以下だと思っていて。

1つは、権力を恣意的に使わないこと。

梶原景時失脚のきっかけであった結城朝光の件も、このルール違反にかすったと思っています。

このルールは、鎌倉殿たる頼家にものしかかるもので、安達景盛の愛妾略奪が止められたのもある種このルール違反によるもので。

上記は左記の2つ目にも噛んでいて。

第二に、体制の改変を狙うことです。

鎌倉殿を頂いて、坂東武者の世とする。それが運営側の基本理念だとして。

部下の妻を好き勝手に奪う、それを承諾されないがゆえに首をはねる、という行為は、征夷大将軍独裁(かつての平家独裁と同様の)となり、坂東武者の体面を潰すもの。結構なイエローカードだったと思うんですよね。

また、後継者選定に対する恣意的な策動もまた上記に反する行為だと思います。

後継者を一幡にするために、三浦を抱き込んだ(未遂に終わりましたが)上で善哉を出家させる、という行為もかなりのルール違反なわけで。

というか、一番のルール違反は「自らが鎌倉殿に取って代わろうとすること」だと思うのです。

その上での第三のルール、鎌倉殿に害をなさないこと、が運営側の定めたトップランカーのルール。

今まで穏やかな仲裁役だった時房が「比企を滅ぼしましょう!」とはやっているのは、比企が依頼した呪詛によって頼家が倒れたこともあるのだと思います。

主君の仇であるがゆえに。暗君たれども頼家は鎌倉殿に違いなく、それを呪詛で排除しようとした比企能員は、即刻退場もの、登録抹消もののルール違反をしているわけです。

上記全てをコンプリートした比企氏は、族滅という最大のレッドカードを食らうわけですが。

これが三谷さんと佐藤二朗さんのすごいところなんですが。

今回の比企能員ってどこまでも小物なんですよね。大人物でもなければ大政治家でもない。婚姻関係で結ばれた御家人たちもけして比企を尊敬もしてなければ慕ってもいない。

蒲殿みたいに自ら見捨てたりもするし、頭にあるのは正直保身第一、って人物。

こういう人間が権力のトップに立った時、かくも醜くなるのか、という描写なわけです。三谷さんマジすげぇ。

そしてこれは北条の婿勢がどんどん「北条の人間」になっていくのととても対照的でもありますが、

このあと「田舎の社長」的鷹揚さが売りの時政がそれ故に醜く落ちていくのを我々は見届けなければならんのですね。地獄。

というか上記のルールに反したのは比企能員だけじゃありません。時政もです。

時政が将軍後見に据えられたのは、運営側の「他に駒がない」という判断によるものですが、時政自身がそれをわかっていないのがより辛い。

(ちなみに、善哉後見の三浦義村はもっと信用ならんので無理です。時政のほうがちょっとマシだった。)

さて、運営判断の最大の誤算、頼家の復活から始まる地獄を我々はメンタル整えて見届けるとしましょうよ、ねえ…。

最後に、佐藤二朗さんに(もはや何に、とかもいるまい)最大のリスペクトと、もう大好き、という言葉を捧げたいと思います。

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