カレーうどんを噛む夜
肌寒い夜が続いている。コンビニエンスストアの目に眩しいほど白い店内で、この頃地味ながらも確かな存在を放つものがある。
カレーうどんだ。温かいうどんに適度な香辛料の辛味が合わされば、外を歩いて冷えた体も内側から暖まろうというものである。
店員の「あたためますか?」を断り、早足で帰路につく。玄関にたどり着き、後ろ手に鍵をかけ、廊下をコートを脱ぎながら歩く。部屋につく手前に電子レンジがあるのでカレーうどんのプラスチックのやたらと軽い器をぽんと放り込んで、スタートボタンを押してから荷