旅に生きる20180814その3

※旅費は皆様からの投げ銭です。面白かったり、次の旅を見たい方、どうぞお願いいたします。

伊達市で三貴神のうち『月読命』に出会えた。と、なると残りは天照と素戔嗚だけ。

もちろん伊勢に行ったり、氷川に行けばそれで「はい、おしまい!」なのだがそんなんみんな行けるじゃん?


あくまで『旅に生きる』は普通に旅してると絶対スルーしてしまうところへ行かねばならないわけです。

それがその他の『キュレーション』記事と違うところ。以前の『猫神社』と同じように地元ですら案内看板すら出してないとか、重要なのにみんな意識していない場所を目指しひた走るのだ。


それでまず『天照大御神』を福島県でお参りしようと決めたのだが、ここで『福島県 アマテラス』と検索すれば『開成山大神宮』がヒットする。

これは郡山市のど真ん中に位置し、お参り難易度はゼロどころかマイナス。公園やおしゃれなカフェ、レストランも近いし、女子大もあるしでまったく「勿来」感がない。

もちろん山頂の本殿のような厳しすぎるのは旅に生きるの本道ではない。あくまで「行けるっちゃ行けるけど普通そこ目を付けないよね」がモットーであるのでここはまず対象外。


ではどこがいいか?そこでまず『福島県道62号線』でじわりと海へ向かう。

この県道は福島県の『最凶県道』と言ってもいい道で、都市部や長閑な田園風景を経て1車線もない砂利道、しかも断崖絶壁で携帯圏外、すれ違い不可能の狭路区間を抱えるのにカーナビでルートに選ばれてしまうという恐ろしい道路だった・・・・が今は『避難困難区域』に入っているため通り抜けはできない。そこで途中から福島県道12号線に入る

途中で道の駅で飲み物とトイレ

「道の駅いいたて村の道の駅までい館」はコンビニ併設で旅の寄り道にもこの辺りで仕事をする人にも便利な場所だ。

本当にこの辺りはお店がないから。それはこの道の駅を浜通りに向かって1分もしないうちにわかることだ。

これはホームセンター『コメリ』だ。どう思いますか?

普通に行楽や帰省の車の横にこんな景色がある

倉庫はシャッターが開きっぱなしで飼料の臭いが鼻をつく。もう誰も買いにこない商品を晒しながらコメリはここで朽ちる

投げ捨てられた無数の靴。安全靴から普通の運動靴まで。しかし捨てられたのではない。きっとこのお店に陳列されていたか、在庫で置いてあった新品だと思う。ホームセンターだと靴は箱に入った状態で置いていないでしょ?理由はわからないけどここにドンと置いてそのままにしたのだ。

コメリは武田鉄矢の今朝の三枚おろしのスポンサー。自分も小さな部品でお世話になっている。しかしここは片づけていない。お金の問題もあるだろう。でもここはこのままがいいかもしれない。

朽ち果て方を見せつけられないと人間は本当に何もかも忘れるバカ野郎だからだ。

もう来ない客。こういう廃墟にお約束の落書きすらない、放置された店舗。

これが道の駅が見えるくらいの距離にある事実

営業時間はある意味年中無休24時間。宇宙一開店しっぱなしのコメリ。

ただし人はいないがね。

とにかくお店の周りはいろいろな肥料の臭いがしている。もう盗むものすらないだろう。

しかし、この隣に農機具店があってそこは綺麗で人もいる。

ゴーストタウンじゃない。そこにある打ち捨てられた場所。何を感じるかは人それぞれでしょうが。

途中から大堀相馬焼で有名な地区を抜ける。

もちろん無人だ。そして要所要所に監視員がいるのはいつものことなのだが、今回通過した時は、すさまじい人数が警戒していた。

それは警備員ではなく住民。

車をあちこちに路駐したりしてただただ車の中で見張っている。

通る車は少ないとは言え何台かとすれ違う。とにかく鋭い目線が痛いほど刺さる。あきらかに自分も含めて

「怪しい」やつなのだ。

住んでいた家や土地に盗みが入る悲しみ。怒り。それを向けられてもどうしようもないが、彼らのことを否定することは何人たりとも許されない。


快適なこの道路。

家はあるし、電柱もある。しかし人は監視の人間と通り過ぎる自分だけ。

そして国道6号線に合流する。角の会社は車が止まっていたが、他は人気がない。理髪店もレストランもすべてが止まったままだ。

ここにきっと2023年以降、避難解除され戻ってくるやもしれない。

だがそれは戻れるだけだ。

ここに賑わいとかそういう人の呼吸は、新しく作るほかはない。昔にはもう戻らない。

自分は『レッドキング』と呼ぶ変電所のこのなんか塔。

これは原発へと続いているのだろうか?

と、このへんですさまじいスコールに合う。別に車なので雨宿りの必要はないのだが、雨脚が強くワイパーが高速で左右に動いている。そこに見かけた神社が気になったので停める。しばらくすると雨は止んだ。

さっそく入ってみるか、と思ったがうるさいほどの大声でしゃべりまくる標準語の集団がやってきた。

どうやら墓地もあるらしく墓参りのようだが、5人くらいなのに満員時のチェーン居酒屋よりもうるさい。

しばらく待ってからこの神社へ足を踏み入れる。

ちなみに不思議な霊感とか一切ないが『大山祇神社』だったのにびっくりした。呼ばれたのかよっぽど縁があるのか。

さて・・・・なんだろうね、この鉄パイプ。手すりじゃない。どうみても通せんぼ状態のところがある。しかし立ち入り禁止ではないことを確認したので登らせていただきます。

どうやら補修して手すりを設置したものを固定している鉄パイプのようだ。つまり作りたてってことだ。

すでに固まっているけれども、一応触らないように潜っていく。けっこう低くてえらいこっちゃ(;´Д`)

はい。すんごいシンプルですね。あとこれが目いっぱい引いた状態での撮影です。ここも敷地が狭いのです。

公民館みたいな造りですね(´_ゝ`)

謎の祠二つ。ここは庚申塚とかがない代わりにこれがあったが、中は空っぽ。綺麗だし色々新規で寄進されているから氏子の方々はじめ手厚く信仰されているのだと思うけれどこのへんに無人地域ってのを感じる。

でも別にそんなの関係なくオオヤマツミはここにいるわけで。

それを忘れない限り神は神。

八幡造りなのだろうけれど、やはり公民館的外装で覆われている。

なのでここは拝殿だけで本殿はまったくうかがい知ることができない。

ちょっと頑張ってみる。が屋根だけ(;´Д`)

見れないのかーがっかりしながら前に戻ることにする。すると・・・・

扉が半開きなのに気が付いた。

「あれ?」と思って手をかけると、重さを一切感じさせず、まるでドリフのコントみたいにスパーン!と開いた。

ありゃー(;・∀・)これ最近ですよね?めっちゃ綺麗。奥には本殿が。

入れる。確実にカメラもないし。

でもなんかやめた。

防犯上ってことじゃない。きっといつも開いてるかもしれない。ここに入って参拝してくれよってことかもしれない。

でも儀式でもなんでもないのに俺の面を見せてもどうしようもないし、喜ぶこともないでしょう。なのでそっと閉めて階段を降りる。

真新しい鳥居、そして補修された階段。でも駐車場にこんな瓦礫が積んであった。震災の時にこうなったのか、それとも撤去してこうしたのかそれはわからないけれど、でもまだここは忘れられちゃいない。

鎮守の森ってのは商店街よりも復興のカギになるかもしれない、そう思った。

別に神道信者でもなんでもないんだけどさ。

とにかく目的地へ行こう


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