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旅に生きる2019/09/11 ~地名から読み取る~ ⑧道路見ろエロい二世の事件簿

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※皆さまの投げ銭で旅をする記事です。がーってやってどーんと投げ銭しようや(;´∀`)感想もちょうだいいたします

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岩手の力を感じる。

わたしは専門家でも農家でもないので全く詳しくはないが、東北が米どころになったのは本当に最近。

寒いけど広い面積が確保できるのでなんとかなった。

関東平野は偉大なのだ。人口を抱えてさらに田畑を確保できる。

岩手県なら約7万ヘクタールで約37万トンを収穫している。品種は「ひとめぼれ」「あきたこまち」「ササニシキ」

(福島県は約48万トン。「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「初星」)


ところがこれは平成の話。江戸明治大正は本当に極貧。そして毎度おなじみの冷害や飢饉で東北は貧しかった。

西暦713年から1900年(明治33年)までの1088年間の凶饉の発生回数は310回。

年貢はおろかその日の食い扶持も怪しかっただろう。

昭和6年に『水稲農林1号』という寒冷地用水稲が生み出された。もちろん名前の通り日本で初めての『農林登録品種』

みやけんが関わったのは『陸羽132号』。これは大正時代の品種。これが戦前寒冷地の命を繋いだ。

それでも苦しかった。

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『こしひかり』から今主流の『ひとめぼれ』や『あきたこまち』の系統がやっとまともにしてくれたのだ。

ちなみに『ササニシキ』は冷害で『ひとめぼれ』にとってかわられた。

味は美味しいんだけど今や希少種をのぞくと市場流通量は一番少ない。

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岩手県が米どころ、というイメージはまさにこの風景なのだと思う。

観光に来て普通に移動する人はこの「最初からこうでした」的な整った田んぼを見て

「わぁ~」って言うはずだ。

だが(´_ゝ`)

岩手県の富は『北上盆地』に集まる。

関東平野のクッソ寒くて辛くて幅が狭くて細長いバージョンが北上だと思っていただければいい。

岩手ではここでしか作れない。

だが高低差がとても穏やかである。

だから他の地域だと「ついでに平らにしておく?」という『道路も田畑ももぺったんこ』がない。

水田は平らで道は微弱に上下にうねるが、苦労する勾配でもなんでもないので改良する必要がない。

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さてここはまたしても『八坂神社』

だがなぜここにしたのか?(道路から見えにくいので一回戻ったくらい)

北上川のそばにあるのだ。典型的神社。

実に周りは平ら(国道など道路は高架になっているので気がつきにくいが)

で大雨の時はゆっくりと静かにでも確実に押し流す場所だったのかもしれない。

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ところでみなさんは地名に対してどう接しているのだろうか?

都心部の人は移動の鉄道駅で意識するかもしれない。

ブラタモリ的街歩きをする地形好きや歴史好きな人は地図や坂、神社仏閣かもしれない。

これは福島県の話で大変申し訳ないのだが

よく道路にその地域の『集落名』が書いてあるのは道路標識や案内板で見たことがあると思われる。

福島県はもっと進んでいて

『この地域は〇〇です』とわざわざ小字名やその土地の通称を案内してくれる。

道に迷ってしまってナビもなんだかグルグル(山間部などでは福島県では珍しくもなくナビはトチ狂う)してる時は

ガードレールに国道や県道の小さいおにぎりとともに地名が書いてあるので目安にできる。


さらに。

もっというと一部地域、あと田村市なんかは

『集落名』の看板+『〇〇さん(苗字・会社名・下手するとフルネーム)』が家に至る入り口にどかーんと立っている。

個人情報くそくらえ!だ。

実際、名前を聞かれて答えても「は?」と言われてしまうが、

「〇〇に住んでいる〇〇です」というと

「はいはい」と通じてしまう。

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警察や郵便、宅配便のような職業ではなく、普通の人でもわかってしまうのだ(若い人はさすがにきょとんとする場合も多いけど)

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さらにこれは身バレしてしまう人多数なので伏せるが

『その土地の住所=住んでいる人の苗字』の場所が結構あって普通なら無いであろう珍名ハンコが古くからあるハンコ屋さんに飛び込めば見つかる。

これはおっかない。

宅配便としては非常に難関ではあるのだが。

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岩手県はわからないが『土地がわかるとバレてしまう名前』や『名前がバレると居住地や出身地がわかる』のは全国にある。

福島県は看板が堂々とバラしてくれるので逆に隠すこともない(;´∀`)


『地形由来の地名』が『苗字』になる。それは『その苗字は地形由来』となる。

すごい事のように書いたが冷静になれば当たり前のこと。

『藤原さん』も藤原家の子孫とかそういう事の前に

『藤の原』でしょ?

『林』さんは『林』でしょ?

もっと言うと『秦さん』も『秦国』からの渡来人で国名。

武士も拝領した土地名を名乗ったわけでその土地(新田開発した土地だから新田とか)の由来に大きくかかわる。

思ったより日本人で日本語の名前を持っているという事は

『地形から逃れられない』のだ。日本人は地形に支配されているのではないか?とすら思える。

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別にありがたがれとか、やたらめったらルーツにこだわることもないが、

震災や洪水台風などそういうことだけではなく、自分の人生を決める『名前』にも地形は食い込んでそれを背負って生きているのだなと。

そうなるとやかましい人が

「もっと神社を敬え!」「お布施しろ!入信しろ!」なんていうのは

(´・ω・`)バカらしい

のだね。

無意識でも日本人は日本から離れられない。離れようと意識している人は

そうしないと自我が保てない人なのかもしれない。

それが宗教だろうが心がけだろうがただひたすら生きることであろうが、

この島国にへばりつくことには変わりないのだから。

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さて今回はここで終わりなのだが最後にひとつ。

ここの狛犬も『日支事変従軍記念』と

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『皇紀2600年記念』『武運長久』

同じ作者・石材店なのかこの周辺の人が合同で作ったのか不明だが、

これは残してほしい。

もう歴史の事だからね。

壊したら戻せないし。

やはりたまに見る『壊れてそのまま捨てられている割れた石碑』とかはどうしようもない。

イスラム過激派が巨大仏像を爆破したりしていたけど、アレだって戻せない。

もちろんやった人間はアラーのためにやったのだろうけど、自分達もアラーをイラスト風刺されたらめちゃくそ怒ったやんけと。


そう考えると実は

『仏教と神道』でまとまってて『他の遅れてきた宗教』がきっちりやんわり、それでも強固に区別されているのはものすごいことなのだな。


に続きます

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