「振り替え休日」と「有給休暇」は別物。



有給休暇を振替休日にしちゃえ?


加藤さん(架空の人物です)は、何らかの理由により、公休日(法定休日のこと)に出勤することになり、休日出勤することになった。その後、休日出勤した日とは別の日に有給休暇を取った。

具体的には、6月19日の日曜日に休日出勤し、6月24日に有給休暇を取ったというような流れです。


さて、日曜日は休みでしたので、代わりに別の日を休みにする、いわゆる振替休日を設定しようとしたところ、「そうだ、24日に有給休暇を取るんだから、それを振替休日として扱えばいいんじゃないか?」と会社の人が考えたとしましょう。

つまり、有給休暇で休むのだから、それを振替休日として扱えば、一石二鳥になるだろうと。そういう考えです。

パッと読むと、それなりに理屈が通ってそうな内容ですが、どうでしょう。

振替休日も有給休暇も、どちらも同じ休みなのだから、上記のように処理してもOKでしょうか。それとも、「いや、それはマズい」と判断するところでしょうか。

有給休暇を振替休日の代わりにしてしまえば、別途で休日を設ける必要がなくなりますから、便利といえば便利です。

しかし、有給休暇は振替休日の代わりになるのかどうか。ここが疑問となりますね。


有給休暇は振替休日の代わりになるとアナタは考えるのか。それとも、有給休暇は振替休日の代わりにならないと考えるのか。どちらでしょうか。




茄子の浅漬は茄子の糠漬けの代わりにはならない。


「有給休暇で休んだんだから、それを振り替え休日にできるんじゃないか?」と考えたら、それは違います。

有給休暇と振替休日は同じ休日という点では共通していますが、似て非なるものです。


例えるならば、瓜の漬物と胡瓜の漬物の関係に似ています。

同じウリ科の植物を使っていますけれども、この2つに代替関係はありません。


胡瓜の漬物を食べたいのに、瓜の漬物をドーンと目の前に出されても困っちゃうでしょう?

「いやいや、ちゃいますやん。これ、ウリですやん。わて、胡瓜を食べたいんでっせ?」と。チョットわざとらしすぎる関西弁で切り返してみましたが、瓜の漬物と胡瓜の漬物は、似ているのですが、全く違う漬物です。

漬物の例ばかりですが、茄子の浅漬と茄子の糠漬けでは、同じ茄子ではあるものの、お互いに別の食べ物ですよね。

振替休日と有給休暇もウリやナスと同じなのです。

振替休日は、法定休日に労働した代わりに取得する休みです。一方、有給休暇は、労働日を休暇に変えて休む日です。

公休日に労働した後に設定される振替休日は、公休日そのものです。ゆえに、その公休日が有給休暇の代わりになることはできません。

茄子の糠漬けを食べたい人に茄子の浅漬を出したら、「コレ、ちゃいまっせ」と言われます。


よって、有給休暇を取得した日を振替休日として扱うことはできません。有給休暇を取得した日とは別に振替休日を設ける必要があります。


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