秋と冬のことを考えてしまう。
少し冷えはじめた秋、朝カーテンを開けると、鈍く光る曇天が広がっていた。まだ秋、とはいえすでにどこかに冬の気配が忍び寄っているような気がして、気が重くなる。
どの季節がすきか? なんて友だちと雑談したりするけれど、わたしは春と秋がすきだ。薄着でいると、気持ちも軽くなる。花々は咲き、窓を開けている時間も増える。家にいても風を感じる時間も増えて、気持ちがいい。
やっぱり冬は、すきじゃない。まず日が暮れるのが早いと、惜しい感じがする。しあわせホルモンと呼ばれるセロトニンはとくに日の光を浴びることで脳内分泌されるらしいから、夜が長いと切なくなるのが人間なのかもしれない。知らんけど。
そして厚着になると、どこへ行くのだって荷物が多くなる。お店なんかに入ると逆に暑く感じて汗をかいて上着を脱いで、場合によってはその上着をずっと抱えてなきゃいけなかったりする。めんどくさい。
なんて、まだ冬はきていないのに、悲観的になっていたりする。
四季があるから楽しいのだ、とも思うし、冬にもいいところはある。お鍋がおいしい、師走からお正月の特別感、おもちやおせちもある、編みものをしている時間の幸福、冬の曲を流す静かな時間。
人生であと何回冬を過ごすんだろう、と考えると、すきじゃないけど嫌いだとも思えないのは、優柔不断なんだろうか。
歩いて近所の図書館へ行った帰り、その隣のこじんまりした公園に、金木犀の木が並んでいた。みかんを煮詰めたようなオレンジ色の花、甘く郷愁を誘う香り。見上げると、鈍く白い空とのコントラストがうつくしかった。深呼吸。
うん、秋はすきだ。
金木犀の写真はあったっけ、と思ってデータを漁ったら、香川県の小豆島でひとり旅をしたときの写真が出てきた。いいところだったな。秋の寒霞渓、絶景だろうなあ。もっと秋の思い出の場所をつくりたくなる。
あなたは、どの季節がすきですか?
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