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「M-1グランプリ2016ドキュメント〜優勝が見えた瞬間〜その2」



どうも、スーパーマラドーナ武智です。

「M-1グランプリ2016ドキュメント〜優勝が見えた瞬間〜その1」の続きをを書きましたので記事にします。

2016は無料ですので良かったらゆっくりとご覧下さい。


それでは







秋が来た



M-1グランプリは8月から予選を始め

1回戦は終了し2回戦を迎えようとしていた


そんな中、僕はまだこれといったネタが出来ず

毎日悩んでいた


そして僕の喉(声帯)に大きなポリープが出来てしまい

手術をしなければ治る事はないと宣告された、、



劇場に立たせてもらい漫才をする


しかし明らかに声がかすれている


こんな状態ではお客さんも気になって笑いにくい


ネタも出来ない、声も出ない、、


M-1予選は始まっている


手術をするべきかどうか悩んでいた


そしてネタも悩んでいた、、



もう本当に時間がない、、



僕は苦肉の策で過去のネタを見返して引っ張り出してきた

2008年に作ったSMのネタ


これを田中の一人二役バージョンに改良した

そして毎日毎日


ネタを考え続けて



9月の半ば


ようやく夏の単独ライブで作った「娘さんをください」のネタがそれなりになってくれ

「ヒッチハイクで幽霊を車に乗せてしまう」と言うネタを新しく作った


何とか勝負出来そうなネタ、、


しかし絶対勝てる、、とは思えない、、




ちゃんと自信を持って勝負できるネタが欲しかった


去年とまた違う一面を見せないと、、


去年と同じかぁ〜とか、去年の方が良かったなぁと思われたらその時点でアウト


絶対に落とされる


去年の落ち武者の霊のネタは正直僕の中で

面白さ

流れ

オリジナリティ

後半への伏線回収

ほぼ完璧に近いと思っていた、、


面白さで勝つのは正直難しい、、


何より時間がない、、





新ネタ作れたらそれでOKではない


ネタが完成して初めてスタートライン


そこからネタを改良していかなければならないのだから、、


僕は中身の面白さを考える時間はないと踏んで

骨組みと側を中心にずっとネタ作りをしていた


去年と同じパッケージでも


去年とは違うと思わせる何か、、


去年を超える何か、、


驚かせる何か、、






そうして




9月23日のライブで、新ネタ
「エレベーターに閉じ込められる」をやってみた。







かなりの手応え!



これはモノになりそう!



本当にギリギリ!



ギリギリのギリギリで



今年の勝負ネタが出来た




もう毎日泣きそうなくらい焦っていた、、




毎日寝れなかった、、





良かった、、




本当に諦めなくて良かった、、





10月初めにM-12回戦に出た


無事合格はしたが、、


やはり声が思うように出ない


大きな声を出したり、高い声を出すとかすれて聞こえない、、


僕は




手術をする事に決めた



手術の事、術後1週間は喋れない事、病院の予約状況などを先生と話し合った


そして日にちも決まった



決まったが、、




入院して手術をし


退院して


次の日がM-13回戦と言うスケジュールになった、、



病院側の都合

我々のスケジュール

M-1グランプリの日程



どうしてもこうするしかなかった


僕は覚悟を決めて入院した


そして手術をし、1週間声を出さずひたすら病院でネタを書き続けた


SMのネタ

娘さんをください

幽霊をヒッチハイク

エレベーターに閉じ込められる


4つのネタを同時に毎日改良、、入院してても暇な時間など1秒もない状態、、


半年か一年くらい時間が欲しいくらいだった、、



そして退院した


明日は退院していきなりM-1グランプリ3回戦


1週間ぶりの漫才




怖い、、


声は出るのか?

上手くできるのか?


不安ばかりがよぎる、、


そして


3回戦の日がやってきた


ネタは


4つの中では現時点で1番完成度が高い
娘さんをくださいをやる事にした

他の3つのネタも良いネタだが

全然改良出来てない、まだまだ仕上がっていない、、



M-13回戦、、


重苦しい雰囲気


僕たちの出番は一番最後、トリだった


そろそろ我々の出番


久しぶりの漫才


久しぶりに全力で声を出す


M-1の雰囲気


色んなものがのしかかってきて


とんでもなく緊張する、、









出ばやしが鳴った!!



「どーも!スーパーマラドーナです!」


久しぶりに全力で出した声!!









痛みはない!





 

しっかりと大きな声が出ている!


一瞬自分の声がうるさ過ぎて間やテンポが崩れてしまう

しかし徐々に慣れ


しっかりとネタをやり終え、袖に戻った



笑いの量は


良い手応えだった!


この日


M-13回戦と

ポリープを何とかクリアした!






無事終わったので

帰ろうと思い荷物を持って廊下を歩いてた


すると前から、M-1グランプリの局員さん、しかもかなり上のお偉いさんが歩いてきた、、


「お疲れさん!」


声をかけられる


そして次に


「今年はこんなもんじゃないよな?」と言われた


今日のネタの事を言っている、、


用は


かまされている




正直、今日は現時点で一番良いネタをやった、、


全然ダメだったのか不安になる、、


そして続け様に


「今年は良いの出来た?」

そう言われた、、




正直な話、、

エレベーターのネタはかなり自信がある

ヒッチハイクのネタは自信がない

でも準々決勝も準決勝もエレベーターのネタをやるわけにはいかない




3回戦と準々決勝のネタはGYAOで配信される


準々決勝や準決勝を見にくるお客さんは高い確率でGYAOを見る



あのエレベーターのネタは、最後の展開で驚きがある分




一度見られたら取り返しがつかないくらい笑いが減る






僕はそう思っていた

驚きで笑いを取る分、トリックがバレてる状態では笑いの量は半減どころでは済まない、、

だから準々決勝と準決勝で披露するわけにはいかない

準決勝一発勝負で威力を発揮するネタ


でも準々決勝でやる予定のヒッチハイクのネタにそこまでの自信はない


僕は一か八か





「うーん、そうですねぇ、準々決勝はあまり自信ないけど、準決勝まで行ければめちゃくちゃウケる自信あります!!」


ハッキリとかまし返した!


向こうは少し表情を変え「へぇ〜」とだけ言った


僕は「準決勝までは我々を落とさないでくれ!」と言うメッセージ、想いを遠回しに、ビビりながらもかました


向こうがどう受け取ったかはわからない、、



勝手に自分の中で心理戦のつもりで言い放った



そして色々と不安になりながらトボトボ家に帰った





自信はあるがまだ中身が完成してないエレベーター


全体的にまだまだ弱いヒッチハイク


この2つで準々決勝、準決勝と通過できるのか、、




残り時間は少ない、、



やるだけやるしかない!





そしていよいよ




準々決勝の日を迎えた




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