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君も漁師になってみないか

どうもたくです。

私は魚市場で働いています。水産業ってやつですね。
私は朝2時に起きて車で市場に向かいます。市場に着くとゆっくりとコーヒーを飲み、準備に取り掛かります。

3時半から1回目の競りが行われ、仲買人(業者)たちが威勢の良い競り人の声に促され、次々と魚を競り落としていきます。
競り落とした業者がその魚を自分たちの作業場へと速やかに運びます。

運ばれた魚はスピーディーに目方を揃えられ発泡スチロールの箱に氷詰めされた後に大型トラックに積まれます。それを全国の主要都市の魚市場に送るのです。もちろん豊洲市場にも送っています。私がいる市場には長崎県沿岸や遠くは五島沖から魚が揚がるのでそれらは長崎県産の魚として、全国の皆さんの食卓に届けられるのです。

たまに会う友達は『よくそんな時間から働けるなぁ』とか言いますが慣れればそれが普通になります。もちろん朝が早い分終業時間も早くまだ午前中だったり午後2〜3時だったりその日の魚の水揚げ高によって変わります。

市場には我々仲買業者が毎日消費する発泡スチロールを取り扱う”箱屋”や氷を製造して作業場まで運んでくれる”氷屋”などがいます。彼らなどは24時間交代で待機し、我々のように魚を買う業者や魚を獲ってくる漁師さんたちにそれらを提供するのです。

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そんな漁業種ですが2017年度の「水産白書」によると、過去30年間、世界の漁業生産量は食品流通の国際化や健康志向の高まりを背景として約2倍に拡大したのに対し、日本の同生産量はほぼ半減した。特に近年、海洋における漁船漁業において中国などアジア諸国の台頭が著しく、かつて世界をリードした「漁業大国・日本」は国・地域別で8位に後退している。

とあり日本の”魚”は毎年少なくなっているのです。こうなると日本人が大好きな魚が将来食べれないのか?なんて考えてしまいますよね。
問題はこれだけではありません。漁師さんの平均年齢は何と2017年には57歳となっていて深刻な高齢化、後継者不足となっています。

これに伴い各県でも色々な取り組みがされているようですが、あまり効果はないみたいです。そこで、この漁業における後継者不足の問題ですが何故こうなってしまったのでしょうか?

原因の一つは“イメージの悪さ”だと思われます。漁師って3K(きつい・汚い・危険)な仕事だというイメージが強いんですよね。それにほとんどの漁師さんは市場に魚を卸したあと、その魚がどのように使われたり、販売されたりしているのかをあまり知りません。消費者の顔がまったく見えないからどうしても漁師さん達のモチベーションが上がらないんだと思うんです。

あと調べてみると一般の人が”漁師になりたい”と思っていてもそこに立ちはだかる壁それが「世襲」の風習なんだとか。

漁業をする権利のことを『漁業権』といって、この権利の付与は都道府県から各漁業共同組合に委託されています。これは地元の漁協の判断により与えられる権利なので、よその土地からいきなりやって来て漁業を始めようと思ってもなかなか難しいのです!

それでも意思の強い人は各県の支援などを頼り、海の街に移り住んで大好きな”海まみれ”の人生を送っている人は沢山います。この記事を読んでいる中にもきっと漁師になりたいという人はいるでしょう。何でもそうですが”やってやれないことはない”と言いますから本当になりたい人は意地でもなるんですよね。

それでも一番気になる所って、収入じゃないですか?私はそこです😀
多少3Kでも収入次第では我慢もできますよね、そこで漁師の年収を調べてみました。漁師の年収は、 漁業の種類によって異なるようです。種類別の年収を詳しく調べてみると、

近海で操業する沿岸・沖合漁業は200~300万円程度です。

日本人の平均年収は420万円前後なので、平均を下回っていることになります。月収にすると、16~25万円前後。あまり派手な生活は望めないようですね。ここの沿岸・沖合漁業とは、近海の沿岸部で行われる 規模の小さい漁業のことです。何日もかけて行うことは少なく、基本的に日帰りできることが多いです。

一方で遠洋漁業の年収は600~800万円程度です。日本人の平均年収を、大幅に上回っていますね。月収にすると、50~66万円前後。結構余裕のある生活ができるでしょうね。

ここでいう遠洋漁業とは太平洋・大西洋・インド洋など、あらゆる海域で規模の大きい漁を行う事です。操業期間は短い場合で1ヶ月程度。長い場合は、1年に及ぶこともあります。沿岸・沖合漁業と遠洋漁業の収入には大きな差があるんですね。

こうやって見てみると稼ぎたかったら遠洋漁業、そうじゃなくて海が好きだから収入面よりも毎日家に帰って来れる安全性が大事、という人は沿岸・沖合漁業でも良いんじゃないでしょうか。

あとこれは重要な事ですが、漁師にも”雇われてやる”と”自分でやる”の2通りがあるという事です。独立型と雇用型です。

独立型とは1人で独立して(船を所有)してあるいは少人数を雇って実施するもので、経営に関する意思決定を自分の意思でできますが、それ相応の漁業技術を必要とします。一本釣りや刺し網、小型底曳き網などがそれにあたります。

一方雇用型ですが漁業会社に雇われながら漁業に従事します。使用する船や漁具の規模が大きく費用がかかるため、個人では無理な場合ですね。まき網や定置網、養殖などがそうです。

このように漁師といっても色々な形や種類があるんですね。自分のなりたい漁師像を思い描いて挑戦してみてください。

あなたならどっちを選びますか?安定した収入の雇用型か自由気ままな独立型か?どちらにしても海が好きな人なら一度は憧れる漁師、考えても良いんじゃないでしょうか。

それではまた

P.S.
普段はネットビジネスのことを中心に発信しています。よかったら覗いてください。


#漁師 #漁業#水産








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