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【白猫TCG】7弾から8弾にかけての考察記録~自傷ダグラスができるまで~

■はじめに


(ブースター第9弾発売までに書き終わらず、
 ずるずると引きずってしまいました。
 そのためブースター第9弾発売前に
 タイムスリップした気持ちで読んでください。)

エキサイトアリーナ以来1年以上ぶりとなる
プレイマット配布イベントが終わり、
今月発売予定のブースター第9弾からは
新ギミックも登場するということで、
ひと段落した時期だと感じています。


猫ステフェスの結果をまとめてくださっている方をみかけましたが、
ほぼ「ソアラ」が優勝し、一部では「会堂赤」が優勝していました。
現状これら2デッキが強いのかと思いきや、
私はそうは思いません。

ソアラというデッキがあまりに特殊なため、
デッキ選択を大幅に制限され、
会堂赤に対して有利であろう紫や他のデッキがいない、
もしくはソアラデッキに敗北するため勝ち上がれないといった状況だったと考えます。
ここでいうソアラデッキとは、自らデッキの枚数を減らし、
覚醒ソアラの効果で相手のデッキ枚数を自分と同じにして勝利を目指すものを指します。


※なんだかソアラソアラと言っていると、
※ソアラ自身が悪い子のように聞こえるのであまり好きではありません。
※ですが他に呼称も思い当たらないので、以下ヴォルデモートと呼びます。
※この記事ではこれからヴォルデモート=ソアラデッキを指します。
※よろしくお願いします。

公式twitterから今回の大会結果を受けて
ルールを変更するというニュアンスにもとれるアナウンスがあったため、
もしルールの改訂でヴォルデモートが構築不能になれば、
6色すべてに可能性が戻ると思っています。


さて、私がサブマリンフェスタで使用したのは、
環境に多大な影響を及ぼした強力なヴォルデモートでも、
次に優勝シェアを誇る会堂赤でもありません。
ではなぜその2デッキを握らなかったのか、
サブマリンフェスタに至るまでに何を考えてきたのかを
ここに記したいと思います。


時はブースター第7弾発売までさかのぼります。
エキサイトアリーナや徳島ネコカマラソンが終わり、
5弾~6弾の期間はカラマイの時期だったこともあり、
他に勝ちを求められるイベントもなく様々な可能性を模索していた時期でした。


赤に関してはアシストシャルを考えてみたり、
テニスカスミが優秀で既存の赤デッキに採用したりしていました。
しかし、7弾発売で大きな変化が訪れます。
各色に配られた2種類目の職業サーチです。
また、ルーンパワーのギミックも新しく登場し、
赤だけでなく他の色に関しても考えることがたくさん増えました。

私はエキサイトアリーナで悔しい思いをしたため、
次何かイベントがあれば必ず優勝したいという思いがありました。
そのため、あらゆる色のデッキを考えてきましたが、
最終的には再び赤に戻ることになります。


2月には赤の2種類目の職業サーチである
≪おやすミレイユ≫を使ったデッキを紹介しましたが、
実はその裏で着々と考えていたものがあります。
おやすミレイユのデッキ記事はコチラ


■宿屋の時代はとうの昔に終わっていた


その考えていたものとは≪宿屋≫を使わない赤です。
私は赤のキャラを回収する方法に≪宿屋≫を採用してきました。
今まで紹介したほとんどのデッキに≪宿屋≫が3枚採用されていたと思います。


しかし、どうしてもそのデメリットは痛いものです。
ではなぜそのデメリットに目を瞑ってでも≪宿屋≫を使っていたかといえば、
それは安定した勝率を求めるためです。
「宿屋」と「安定」という言葉に違和感を感じるしれませんが、
それは捉え方の違いです。


もちろん序盤に建設されると動きづらいことこのうえないですが、
≪宿屋≫の魅力は安定して攻め手の確保を行えることです。
そしてそれは最終的に必ずフィニッシャーを用意できるということに繋がります。
タウンは毎ターン必ず建設されるためです。


特に赤には劣勢を逆転できる≪覚醒ダグラス≫が存在するため、
序盤がもたついても最終的にもち直せることも
≪宿屋≫の採用に拍車をかけます。
実際のところ、ネコカマラソンに宿屋3枚構築を持ち込みましたが
46戦中7敗のうち
宿屋のテンポロスが明確な原因で落としたのは1試合だけでした。
(宿屋のロスで1敗、猫やモンスター引き過ぎで4敗、普通の殴り合い2敗)


しかし、そうはいっても確率が0%でないことは必ず発生するものです。
ネコカマラソンの日は調子が良かっただけで、
どうしても勝ちたい試合で宿屋が連続で建設されてしまった…なんて話は
いつか必ずやってくるものだと思います。


昨年のエキサイトアリーナ本戦2回戦で、
私の対戦相手の方が1ターン目と2ターン目に連続で宿屋を建設していたのは
今でも記憶にこびりついています。
明日は我が身。
では、どうすれば≪宿屋≫を使わずに済むのか。

それは≪宿屋≫以外の方法でフィニッシャーを用意できれば良いわけです。
そこで考えていたのがブースター第7弾の≪エレノア≫です。
エレノアは同弾に収録されている≪オウガ≫をルーンとしてつけることで、
最大攻撃力10という高火力アタッカーになることができます。

しかし<突破>能力がないため防御されたら終わり…かと思いきや、
赤には≪舞妓たぬき≫という<突破>能力が付与できるカードが存在します。
4ダメージトリガーは採用したいですが
手札から使用した時の効果がイマイチである≪舞妓たぬき≫に
役割を与えられることも利点です。

この≪舞妓たぬき≫は、
今まで≪宿屋≫だったところへ≪怪談パーティ会場≫を採用することで
手札に来る確率を上げることができます。
さらに赤には≪グレイルジャガー≫という
最強コスパモンスターも存在するため、
≪怪談パーティ会場≫のパワーは
≪宿屋≫に勝るとも劣らない性能になります。

そしてこの≪エレノア≫にルーンとしてつける≪オウガ≫ですが、
こういった最終的に何かのオトモになるカードは
他の用途で機能しづらいのがカードゲームの常です。
しかし、なんとLv.2で
しかもエースアタッカーのシャルロットと噛み合うという素晴らしさ。
(後に会堂赤というデッキコンセプトのひとつになるくらいですからね。)
捨て山への落ちにくさも
≪ヘレナ≫で手札に加えられることによってある程度緩和されます。


さて、そろそろ必ずフィニッシャーを用意する話に戻りますが、
≪覚醒ダグラス≫が優秀であったのは剣士であるゆえに
≪覚醒ヨシュア≫で手札に加えられるためです。
しかしエレノアはルーンセイバーであるため、職業サーチが存在しません。
そこで活躍してくれるのが第5弾に収録されていた≪テオ≫です。

≪テオ≫は登場時に虹ルーンをもつキャラを
捨て山から回収することができます。
それだけでなく≪テオ≫自身が勝手にトリガー能力で手札に加わるため、
≪エレノア≫を安定して手札に加えることができます。

この≪エレノア≫≪オウガ≫≪舞妓たぬき≫
≪怪談パーティ会場≫≪テオ≫の5種類のカードにより、
わざわざリスキーな≪宿屋≫を採用せずとも、
≪覚醒ダグラス≫並のフィニッシャーを用意することが可能となりました。

それをもとに第7弾時点で考えていたのが以下のようなデッキです。

≪ヘレナ≫×3、≪キャトラ≫×3、≪茶熊キャトラ≫×2、≪テオ≫×1
≪ヨシュア≫×3、≪オウガ≫×3、≪モモ≫×3
≪覚醒ヨシュア≫×3、≪シャルロット≫×3、≪茶熊ミレイユ≫×1
≪レイヴン≫×2、≪エレノア≫×2、≪覚醒シャルロット≫×1
≪パハロ≫×2、≪グレイルジャガー≫×3、≪舞妓たぬき≫×3
≪ヤンキー星たぬき≫×1、≪破滅の邪竜≫×1
≪剣術研究所≫×3、≪赤ソウル発掘場≫×4、≪怪談パーティ会場≫×3

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≪宿屋≫がない分、手札を維持するために≪パハロ≫を増やしたり、
手札の確保をおこなう≪覚醒ヨシュア≫に繋げるための
≪茶熊ミレイユ≫の効果が使いやすくなるよう
Lv.2層を厚めにしたりしています。


あとこれはついでなのですが、
私の中で以前から「破滅の邪竜ピン積み理論」というものが
あるので紹介しておきます。

赤を相手に戦っていると考えてください。
最後の詰めのシーンで
相手が≪破滅の邪竜≫を採用しているか採用していないかで、
ダメージの受け方を考えないといけない状況があります。
(トリガー狙いでダメージを受けすぎると、
 せっかく防御キャラがいても
 ≪破滅の邪竜≫による直接ダメージで負けてしまいます。)

そんな時、唯一相手の採用しているモンスターを推測できるのは、
相手の捨て山にある公開されているモンスターの情報です。

すでに≪破滅の邪竜≫が3枚公開されている場合は、
もはや≪破滅の邪竜≫を気にする必要はありません。
1、2枚公開されている場合は、相手が≪破滅の邪竜≫を持っていても
大丈夫なように立ち回る必要が出てきます。
0枚の場合は手札に複数持っているか、
そもそも採用されていないかになります。

そこで≪破滅の邪竜≫を1枚だけ採用することで何が起こるかというと、
手札に持っている場合は、どんな状況でも1枚たりとも公開されません。
逆に1枚公開されている場合は、手札に必ず存在しません。

つまり、これを先ほどの対戦相手からの視点に当てはめると、
1枚も公開されていない場合は
自分の手札に相手の虚をつく≪破滅の邪竜≫が手札にあり、
1枚公開されている場合は
相手は存在しない≪破滅の邪竜≫を警戒させられることになります。

まとめると相手の読みと逆の状況を作りやすくできるため、
相手のミスリードを誘いやすいというわけです。
ちなみにこの理論はヴォルデモートの台頭により
3ダメージトリガーを全て≪ヤンキー星たぬき≫にする必要が出たため
最近はあまり気にしていません…。
(※詳しくは後述)


■7弾での環境の変化


以上のような形で≪おやすミレイユ≫と≪エレノア≫というキーカードを軸に
2種類の赤を考えていたわけですが、
他の色も考えていく中で特に環境への影響が大きそうな色がありました。

それは紫と橙です。
紫は覚醒と覚醒前がそろえば破格の制圧力をもつ≪ヴィルフリート≫が、
橙は≪セツナ≫が、
それぞれ新職業サーチで手札に加えられるようになりました。


紫では≪ヴィルフリート≫≪バーサスレイン≫≪アナザー≫など、
相手のキャラを撤退させることのできる紫のキャラが
ウォリアーで固まっていたこともあり、
≪KCオスクロル≫の登場で紫の評価は大きく変わりました。
加えて紫はもともと山札回復がひとつのテーマであったため、
ウォリアーキャラがサーチ可能になることにより
除去+回復で一気に色としてのパワーが高まりました。


また、橙では≪ショウ≫の登場により、
展開の要である≪セツナ≫がサーチ可能になることで
一気に安定性が向上しました。
それだけでなく、
≪覚醒セツナ≫の能力によって登場させるキャラも変化します。

≪WEアイリス≫の登場です。
いかなる状況でもOFFにならない効果をもち、
何度でも相手の攻撃を防御することができることが特徴で、
ステータスの低いキャラの攻撃は≪WEアイリス≫1枚でほぼ封殺できます。
さらには自身に付いている虹ルーンを外すことで相手のキャラに3ダメージというオマケつき。

≪覚醒セツナ≫の効果で登場させた場合はルーンが付いていませんが、
橙では≪わんぱく小鬼≫をはじめ
好きな色のカードをルーンとして付けることができるため、
≪WEアイリス≫の性能を余すことなく発揮できます。
攻撃を防ぎ、なおかつ相手のキャラを除去できるという
素晴らしい性能のキャラです。


以上のようなことから、
黄色以上の盤面除去能力を有する紫と、
≪WEアイリス≫による圧倒的な制圧力をもつ橙、
この両者は無視できない存在だと考えていました。
さらに、6弾から息を潜めるヴォルデモートも忘れてはいけません。

■8弾での環境の変化


7弾で大きな変化が訪れましたが、
8弾では7弾の環境と比べて
大きな変化は見られないというのが私の考えです。


その理由は8弾収録カードの大半が
茶熊専用デッキでしか機能しないカードであること、
またそのデザイナーの意図通りにそのまま茶熊デッキとして組んだとしても
既存の強力なデッキほどのパワーがあるかどうか疑問であることです。

これに関しては単純に研究期間が短いことや、
赤茶熊マールなどのキーパーツが
いわゆる1カートン2枚封入のHR組であるため、
全体的な供給の少なさから、
そもそもデッキを作れる人が少ないことも原因と考えます。


そのようなことから、とある1枚のカードを除けば、
3色タウンの登場で既存の複色デッキの事故率が軽減されたり、
ヴォルデモートが自身の山札を削れる量が増えたり、
盤面コントロールが得意な黄色に
緑の≪アピュト≫を投入して長所を伸ばすなど
既存のデッキに新たなカードを採用できるようになったりと、
8弾は3色タウン2種による既存デッキの強化が行われた印象です。


さて、そのとある1枚のカードとは≪紅の王≫です。
これこそが≪パハロ≫に続く赤固有のズルいカードであり
赤の新たな希望になります。


ルーンが必要であるものの要求されのは無色ルーンであり、
≪ヘレナ≫で手札に加えてそのままチェンジするもよし、
ダメージで勝手に捲れた≪茶熊キャトラ≫からチェンジするもよしで
そこまで気になりません。
赤ルーンを要求されるのであれば考えものでしたが、
無色ルーン要求であるため≪紅の王≫のために何かを採用せずともよく、
大幅な構築の変更を要求されないのも魅力のひとつです。


その効果は比較的軽いルーン条件に対して、
見返りは自分+1枚&相手-1枚という破格の性能です。
これほどの効果であれば
素出し3コストチェンジ2コストになりそうなものですが、
なぜか2/1で場に出しやすく、そのうえ効果を使った後は
Lv.2であるためにシャルロットの土台になったりと、
もはや非の打ちどころがありません。


同じ弾に収録されている≪赤茶熊ルビィ≫が泣いています。
自分が1枚捨てて相手の1枚を倒す時代は終わりました。
正直なところサブマリンフェスタにて赤ではなく
紫を使おうと思っていた時期もありましたが、
この≪紅の王≫が赤を使う最後の決め手となりました。

■自傷ダグラスができるまで

さて、以上のような環境考察から仮想敵として視野に入れたいデッキは
「ヴォルデモート」「会堂赤」「斧紫」「WE橙」「黄t青」になりました。
多すぎです。
これらすべてに有利なデッキを作るのは難しいですが、
赤は山札に直接ダメージを与えるコンセプトにより
どんなデッキと対戦してもよほど相性が悪いことはありません。
(山札を0にできれば勝てるため)


そのため赤を選択したわけですが、
この中でも特殊であるのが「ヴォルデモート」と「WE橙」です。
「ヴォルデモート」は目指すところが他のデッキとは根本的に違い、
「WE橙」は≪WEアイリス≫が規格外なため
まともな戦闘は当然不利になります。


そうすると、先ほど紹介した≪エレノア≫を
フィニッシャーとして据える赤には難があります。
「ヴォルデモート」はそもそも攻撃してこないので
≪エレノア≫が手札に加わるか不安定(テオがトリガーしない)、
かつ≪オウガ≫も自分で捨て山に落とす必要があります。


「WE橙」に対してはせっかく最高攻撃力の≪エレノア≫を
準備できたとしても、
相手の場に≪WEアイリス≫がいては<突破>を付与して攻撃しても
山札に1ダメージしか与えられません。


そこで、この両者に勝てる見込みのある赤を探ることにしました。
両者に共通して有効なのは
「1ターンに大量の山札直接ダメージを与える」ことです。

それに該当するのが、
アシストを何度も起動できる≪SOKシャルロット≫と
自傷するたびに発火する自傷ダグラスです。

前者はシャルロットネームのカードをある程度
デッキに採用しなければならないため、
デッキパーツが縛られてしまい対応力が落ちてしまいます。


そうして後者の自傷ダグラスについて考えていくわけです。
通称・自傷ダグラスこと、
ダグラス BraveTheLionVer.(以下≪BTLダグラス≫)は
ブースター第5弾のカードです。
それがなぜ今になってフィーチャーすることになったかといえば、
ブースター第7弾で≪デュラハン≫が登場したためです。


今まで自傷(自ら自分の山札へのダメージを与えること)といえば
もっぱらヴォルデモートのお供であり、
それ以外はバニラよりも高ステータスであることから数枚デッキに投入して
キャラ単体のパワーが高いデッキにするなど、
デザイナーが想定したような≪ゲオルグ≫をエンジンとして
自傷しながら戦うといったデッキは
なかなか組まれることがありませんでした。


それもそのはず、自傷した(自分のターンにダメージを受けた)場合は
そのダメージによって捲れたトリガー能力は発動しません。
普段トリガー1枚が発動するかしないかの勝負をしているのに、
自らそのトリガーを減らすなどもってのほかです。
そのため、コンセプトはブースター第2弾から存在したものの
関連カードたちは燻り続けることになります。


しかしそこに一筋の光が見えたのが第5弾の≪BTLダグラス≫です。
「あなたの山札がダメージを受けるたび」といった効果自体は
すでに存在していたものの、どれもイマイチなものでした。

≪ゲオルグ≫はルーン条件を要求するうえに1ドローのみですし、
≪覚醒アルカ≫に至っては相手に1ダメージ与えられるものの
≪イサミ≫や≪リアム≫で誘発させると
「いや自分のほうが減っとるがな!」といった具合です。
そんなところへ誘発させれば
破格の3ダメージを与えられる≪BTLダグラス≫は優秀でした。


≪BTLダグラス≫を誘発させる最も良い方法は
なるべく損をするカードを使わない事です。
つまり≪シャロン≫や≪にっこりマッカート≫などの
お互いにダメージを与える効果です。

この両者であれば同じだけ山札が減った後に
≪BTLダグラス≫が誘発するため、
≪BTLダグラス≫の効果分お得になります。

しかし、ここで問題がありました。
≪シャロン≫は剣士であり優秀ですが、
≪にっこりマッカート≫はトリガー能力に難があります。

タウンデッキの一番上が赤ソウル発掘場だった場合に建設しますが、
赤の絶対的なメリットである≪剣術研究所≫とケンカをし、
さらに、手札に確保するための≪怪談パーティ会場≫ともケンカをします。
そこへ颯爽と現れたのが救世主≪デュラハン≫です。


≪にっこりマッカート≫よりも与えられるダメージは減りましたが
逆に1コスト軽くなって小回りが効き、
トリガー能力もキャラ回収という申し分ないものとなっています。

また、≪エレノア≫を採用した目的でもあった
≪宿屋≫を採用せずともフィニッシャーを用意したい点でも
≪BTLダグラス≫は優秀です。

分かりやすいので≪覚醒ダグラス≫を例に挙げると、
最終的に≪覚醒ダグラス≫でのフィニッシュを目指すには
≪覚醒ダグラス≫と≪ダグラス≫を揃え、
さらにルーン条件を満たすためにLv.3のキャラが必要です。
揃える枚数は多めですが≪覚醒ヨシュア≫によるサーチと
≪宿屋≫で十分揃えることが出来ました。


しかし、ここで≪宿屋≫を使わなくなると一気に難しくなります。
いつトリガーするか分からないキャラ回収トリガーが捲れた際に
ダグラスが捨て山にいなければなりません。
≪覚醒ヨシュア≫に頼るのは山札にいなくなった時に揃えられなくなります。
それを避けるためにダグラス・覚醒ダグラスの枚数をそれぞれ増やせば、
今度は他のカードが入れられなくなりデッキパワーが落ちます。


そこで≪BTLダグラス≫です。
冒頭で自傷が弱いという話をしましたが、
それは自傷しながら戦うという行為が弱いわけで、
自傷したターンに勝ってしまえば何の問題もありません。
自傷ダグラスデッキなどと銘打ってはいますが、
自傷ダグラスの効果を使用するのは最終ターンのみです。


この≪BTLダグラス≫はルーン条件を必要とせず1枚で機能するため、
手札に用意する労力が格段に下がります。
≪BTLダグラス≫の効果を誘発するための自傷カードは、
宿屋が抜けた分の枠に入れられる≪怪談パーティ会場≫が
勝手に≪デュラハン≫を用意してくれます。


つまり一度≪BTLダグラス≫が手札に加われば、
あとは≪怪談パーティ会場≫が建設されるだけで準備OKになります。
しかし、そうはいっても≪宿屋≫が抜けてしまった分、
捨て山からキャラカードを回収できないという不安が残ってしまいます。
そこで最後に、それを解決してくれるのが
≪デュラハン≫のトリガー能力です。


≪BTLダグラス≫≪デュラハン≫≪怪談パーティ会場≫の三者が
≪宿屋≫以外でのフィニッシャーの確保という面において、
いかに素晴らしい関係であるかが
お分かりいただけるのではないでしょうか。


さらに、今までダグラスを両方揃えるために
≪覚醒ヨシュア≫で優先的に確保していたところを
最終的に≪BTLダグラス≫1枚さえ手札に来れば良いため、
≪覚醒ヨシュア≫のサーチ先を≪シャルロット≫に絞ることができ
戦いやすくなるというメリットもあります。

■真のエースカード

宿屋の不安要素を取り除きながら安定した戦いを求め、
「ヴォルデモート」と「WE橙」を倒すため
実現した自傷ダグラスデッキですが、
それだけではこのデッキは完成しませんでした。


突然ですが、ブースター第7弾最強のカードは何でしょうか。
何度でも立ち塞がる≪WEアイリス≫?
バニラと同じステータスでありながら強力な効果をもつ≪WEエマ≫?

違います。

ユキムラ KINGS CROWNVer.(以下≪KCユキムラ≫)です。


私は最初このカードが公開された時は論外だと思いました。
自ら手札を捨てるなど、自ら山札を減らす以上の愚行です。
それも全ての手札を、です。
しかしこれも≪BTLダグラス≫と同じで、
効果を使ったターンに勝ってしまえば手札なんて要らないのです。


この≪KCユキムラ≫がさらに安定した勝利をもたらしてくれます。
モンスターや≪茶熊キャトラ≫を引き過ぎて攻め手がなく負けてしまった…。
そんなことは誰しもが経験のあることだと思います。
しかし、≪KCユキムラ≫はそのどうにもならない手札を
全て1ダメージに変換してくれるのです。


また、現状このカードは1コストで与えられる最大火力であるため、
≪キャトラ≫などのSTOP!トリガーが3枚見えた瞬間に
勝利が確定することもしばしばあります。


別に4ダメージや5ダメージもの大量ダメージを狙う必要はありません。
1枚捨てて1コスト1ダメージですでに≪剣術研究所≫より強く、
2枚捨てて1コスト2ダメージでもう≪星たぬき≫を凌駕します。
場にLv.3さえいれば他の補助カードなしで単体で機能するのも優秀です。


「でもやっぱりルーン条件が必要なのが気になる…。」という方。
≪BTLダグラス≫のLv.を思い出してください。
ここにきてフィニッシャー同士のLv.が噛み合うという奇跡が起きました。
フィニッシャーとして自然と≪BTLダグラス≫を手札に温存するため、
難なく≪KCユキムラ≫のルーン条件を達成することができます。

さらに≪BTLダグラス≫の体力が4であるため
3ダメージトリガー1枚で撤退しないのも素晴らしいです。

そして何よりも≪BTLダグラス≫≪KCユキムラ≫は
≪覚醒ダグラス≫と違い自分の山札を6枚以下にするという条件がなく、
≪エレノア≫のように≪オウガ≫が落ちることを待つ必要もありません。
そのため相手が盛り返す前に速攻で勝利することができるのも魅力です。


この両者は山札への直接ダメージのため、
何度でも防御できる≪WEアイリス≫に屈することなく
相手にダメージを与えられます。
また、相手の場にどれだけキャラが並んでいようと
ダメージを与えられるため、
ヴォルデモートに対する詰めの場面でも
ある程度有利に戦うことができます。


サブマリンフェスタでは「ヴォルデモート」「WE橙」と戦えつつ、
既存の赤や黄色との殴り合いもこなせることが
一番の理想だと考えていたため、
自傷ダグラス改めユキムラダグラスを使うという結論に至りました。


■各カードの解説

≪ヘレナ≫3枚、≪キャトラ≫3枚、≪茶熊キャトラ≫3枚、≪シャロン≫1枚
≪ヨシュア≫3枚、≪モモ≫3枚、≪紅の王≫2枚
≪覚醒ヨシュア≫3枚、≪シャルロット≫3枚、≪BTLダグラス≫1枚、
≪茶熊ミレイユ≫1枚、≪シルヴィア≫1枚
≪パハロ≫2枚、≪覚醒シャルロット≫1枚、≪KCユキムラ≫2枚
≪ヤンキー星たぬき≫3枚、≪舞妓たぬき≫2枚、
≪デュラハン≫2枚、≪グレイルジャガー≫1枚
≪剣術研究所≫3枚、≪赤ソウル発掘場≫4枚、≪怪談パーティ会場≫3枚

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以上がユキムラダグラスの内容です。
各カードの解説に移ります。

◇≪ヘレナ≫3枚、≪キャトラ≫3枚、≪茶熊キャトラ≫3枚

防御札である役割が大きいLv.1帯でしたが、
≪紅の王≫の登場でルーン条件を満たすという役割が増えました。
それぞれの強みは今まで散々書いてきたので省きます。

◇≪シャロン≫1枚

ここの枠は≪レイヴン≫と4回くらい入れ替わりました。
悩んだ結果、
≪BTLダグラス≫の効果を1ターンに2回使うことが目標であるため、
自傷カードを用意しやすくする必要がありました。

そのため≪覚醒ヨシュア≫でのサーチや≪デュラハン≫で回収できる
「キャラである自傷カード」が欲しかったので採用しました。

また、≪BTLダグラス≫の効果を起動できるだけでなく、
剣士であることにより≪覚醒ヨシュア≫で手札に加えることができ、
能動的に≪紅の王≫のルーンを用意できることも覚えておきましょう。

◇≪覚醒ヨシュア≫3枚、≪ヨシュア≫3枚

デッキのエンジンです。
このカードのおかげで≪BTLダグラス≫の枚数を
最低限にすることができます。

サーチする優先順位は基本的に、
シャルロット>パハロ>BTLダグラスです。
手札と状況によって変わるのが難しいところですが、

ひとつ頭に入れておきたいのは、
あくまで中盤までは≪シャルロット≫による攻めが最優先です。
≪BTLダグラス≫は終盤の詰めに使います。

◇≪モモ≫3枚

≪宿屋≫を採用していない分、
手札の確保の意味も含めて≪モモ≫を採用しました。
また、≪オウガ≫などに比べると素引きの弱さが目立ちますが、
≪KCユキムラ≫の存在から手札を増やすメリットが増えたため、
≪オウガ≫よりも優先して採用しました。

◇≪紅の王≫2枚

優秀とはいえ、ルーン条件の存在から3枚採用は難しいと判断しました。

◇≪シャルロット≫3枚、≪覚醒シャルロット≫1枚

ブースター第1弾から採用され続ける不動のエースアタッカー。
8弾まで続くカードゲームで
1弾のカードがエースを飾っているケースはなかなか無いと思います。

このカードが強いことはもちろんですが、
他にまともな(単体で機能しつつスペックの高い)
カードがないのも原因だと思います。

覚醒のほうは今回枠の都合で少なめにしました。
ヴォルデモートを相手にした時、
1ターンでたくさんのダメージを与えたいため
コストなしでチェンジすることができる覚醒カードは
1枚欲しいと思いました。

1枚あれば≪覚醒ヨシュア≫で持ってこれますし、
1枚であればマリガンでキープしても被るリスクがありません。
(私はこの構築で相手がヴォルデモートと分かっている状態のみ
 手札の引き直し前に覚醒シャルを握っている場合、
 山札に戻さずキープします。)
 ※他のデッキ相手だと山札にいるほうが強いので戻します。

◇≪BTLダグラス≫1枚

これも≪覚醒シャルロット≫同様の考え方ができます。
マリガン前に2ターン目や3ターン目くらいまでの動きが
約束されている場合、
終盤にしか使用しない≪BTLダグラス≫であってもキープすべきです。
1枚しか入っていないため、
マリガンでキープしても被るリスクがありません。

そうすることで≪BTLダグラス≫を確保する分のサーチや回収効果を他に回すことができます。

◇≪茶熊ミレイユ≫1枚

今回≪茶熊アイリス≫は入っていませんが、
4枚目の≪覚醒ヨシュア≫という立ち位置で採用しました。

≪紅の王≫が場に残りやすいため効果を使いやすかったり、
2枚目を出せるように≪紅の王≫の名前を上書きすることも
立派な仕事のひとつです。

また、たとえヨシュアが山札にいなくなってしまっても、
Lv.3であることで≪KCユキムラ≫のルーン条件を満たすことができます。

◇≪シルヴィア≫1枚

最大の目的は相手の≪シャルロット≫の牽制です。
3コスト4/3のキャラをもう1枚入れたいところでしたが
枠の都合で断念しました。

こちらも≪茶熊ミレイユ≫同様、低コストであることで
≪紅の王≫の上書きと≪KCユキムラ≫のルーン条件も役割です。

◇≪パハロ≫2枚

≪宿屋≫がないため手札を確保するために2枚採用しました。
剣士ではあるもののサーチしている余裕がなく、
素引き率を上げたい意味で複数採用しました。

◇≪KCユキムラ≫2枚

こちらはそもそもサーチできないため、
被ると弱過ぎる点を考えても複数採用しました。
2枚だと≪デュラハン≫で回収できる確率も上がります。

また、対ヴォルデモートにおいては
何よりも優先して手札に確保したいカードなため、
最低でも2枚は必須条件だと感じました。

◇≪ヤンキー星たぬき≫3枚

前述の「破滅の邪竜ピン積み理論」で
≪ヤンキー星たぬき≫を3枚にする必要が出てきたと申し上げましたが、
これは攻撃してこないヴォルデモートに対して、
手札を増やして詰めの選択肢を用意するための手段であるためです。
相手が山札を削る間に、
自分もヨシュア・パハロ・そしてこのヤンキーと共に
デッキを掘り進めながら最終ターンへの準備をします。

そこで、最大4枚ものカードを2コストという手軽さで
手札に加えられる≪ヤンキー星たぬき≫はとても優秀だと判断しました。
また、同じ3ダメージトリガーである≪破滅の邪竜≫が
終盤でしか役に立たないことに比べ、
≪ヤンキー星たぬき≫は序盤~中盤で手札に引いてしまっても、
効果でドローすることで
モンスターをキャラカードに変えることができたり、
手札のリソースを回復してくれたりと良いことづくしです。

しかし、相手が攻撃してくるデッキの場合は引き過ぎに注意しましょう。
2~3枚くらい引くのが理想です。
さらには≪KCユキムラ≫の存在により、終盤ではこのカードが
2コストで山札へのダメージ+3という
破格のカードに化けるシナジーもあります。
(≪ヤンキー星たぬき≫をプレイして
 4枚引いているので増える手札は 4 - 1 = 3枚。)

◇≪舞妓たぬき≫2枚

ダメージトリガーを最低5枚は入れておきたいため、
≪ヤンキー星たぬき≫を入れて余った枠を埋めるために採用しました。
可能なら≪ヤンキー星たぬき≫を5枚入れたいくらいです。

この最低5枚の根拠のひとつは、
相手の先行2ターン目に
≪覚醒ヨシュア≫などの4/3キャラが攻撃してきた場合、
ダメージトリガーを捲って撤退させられることができる確率です。

この確率がダメージトリガーが5枚だと約50%、
ダメージトリガーが4枚だと約40%まで下がります。
(マリガンでモンスターを戻す点を考慮し、
 35枚の状態で4ダメージを受けた場合に
 1枚以上のダメージトリガーを捲る確率を計算)

正直なところトリガーを踏むリスクを考えれば、
あまりそういった攻撃の仕方をする人は少ないかもしれません。
しかし、この4/3キャラを1撃目でトリガーによって倒せない場合、
後のダメージレースがかなり辛くなることは確かです。

全員がしないと決まっているわけではないので、
そういった「賭け」が発生した場合でも
半分くらいは勝率が欲しいという意味を込めて最低5枚としています。

ダメージトリガーを減らして
「ダメージトリガーが捲れなくて負けた」と言うのは間違いだと思います。
それは「ダメージトリガーを減らしたから負けた」のです。
運を言い訳にする前に、やれることがあるはずです。

とはいえ確率は確率でしかないですがね……。
さて、≪舞妓たぬき≫から脱線してしまいました。

≪ヤンキー星たぬき≫を入れて余った2枠を争う
比較対象の≪破滅の邪竜≫に比べ、
コストが軽いことが特徴です。
≪怪談パーティ会場≫で回収できるため
≪KCユキムラ≫のダメージが増えます。

また、ヴォルデモートを相手にした場合、
相手の場にはキャラが並んでいるはずなので
<突破>を持たない≪覚醒ヨシュア≫などのキャラは
相手にダメージを与えにくいと言えます。
そんなとき≪舞妓たぬき≫は軽いコストで
相手の山札にダメージを与える補助をしてくれます。

しかし、そのように≪舞妓たぬき≫が有効な状況はごく稀であり、
どうしても先に使ってから攻撃しないといけないところがネックです。

≪舞妓たぬき≫を使ったら体力のあるキャラで防御され、
使わなかったら≪キャトラ≫のような軽いキャラで防御されます。
そうした場合、結局相手の山札にダメージを与えられておらず、
こちらの手札とコストが無駄になってしまうためです。

決して強いカードではないため、
新しい4ダメージトリガーが登場することを願っています。

◇≪デュラハン≫2枚

3枚になったり2枚になったりしながら、最終的に2枚に落ち着きました。
理由としては後述の≪グレイルジャガー≫を採用したいためです。
≪BTLダグラス≫を手札に抱えられなかったとしても、
最悪の場合山札へ1ダメージとなってくれるのが優秀です。

◇≪グレイルジャガー≫1枚

赤の最強モンスターカードです。
1枚でも入っていると、全OFFを狙ってわざとダメージを受けたり、
≪怪談パーティ会場≫で使いまわして
相手の場をズタズタにしたりと戦略の幅が広がるカードです。
新たな希望である≪紅の王≫と効果の条件が似ているため、
≪紅の王≫を活かそうとすると
自然とこのカードも使いやすくなることも魅力です。

■ヴォルデモートを使わなかった理由

さて、以上のような流れでユキムラダグラスを使用したわけですが、
もちろん自分でヴォルデモートを使うという選択肢もありました。
しかし、以下のような点から使わないことを選択しました。

・対策されやすい

ヴォルデモートは良い意味でも悪い意味でも、
勝ち筋がひとつしかなく、それが明確に決まっています。
それゆえに対策がしやすく、
勝ち続けるためには対策の対策が必要になります。

この時期に行われる勝ちを求められる大会において、
ヴォルデモートを使用するプレーヤーがいないはずがありません。
そのため多くのプレーヤーが
仮想敵として想定するのがヴォルデモートであると考えました。

毎回強い手札を引ければ、
対策すらものともしないパワーをもっているデッキではあるものの、
優勝までのどこかで弱い手札が来てしまったとき、
そこでヴォルデモートの対策を
ちゃんとしているデッキとマッチングした場合、
勝率が著しく落ちてしまうことが予想されます。

・ミラーの不毛さ

(ミラーとは、同じデッキ同士が戦うことを指します。)
ヴォルデモートは山札を1枚にするという
「勝つビジョン」が明確化されています。

そのためヴォルデモートを使えば誰でも勝てるわけではありませんが、
勝つための正しい努力をしやすいデッキだと私は考えています。

そこで、ある程度プレイングの成熟した
ヴォルデモート同士のミラーの場合、
カードのプレイでの差が開きにくく、先攻後攻やカードの引きなど、
勝敗が決する理由において
「どうしようもない部分の割合」が大きくなりがちです。

ミラー用として≪KCユキムラ≫を1枚入れておくことも考えていましたが、
それもどれだけ効果があるのか試すタイミングもなく、
ついにお蔵入りとなってしまいました。

この「どうしようもない部分の割合」に納得したくなかったため、
他の選択肢を練り続けました。

・ヴォルデモートに勝てるプランが存在した

そうして浮かんだ他の選択肢というのが、
今回紹介したユキムラダグラスです。

シャルロット・KCユキムラ・BTLダグラスのうち
2要素を手札に抱えることができれば、
相手がヴォルデモートだった場合
相手の山札が15枚以上あったとしても山札を削り切ることができます。

もちろんキャトラやモンスターなどの
トリガーに左右される部分は払拭できませんが、
ミラーの引きゲーかトリガーの位置ゲーで悩んだあげく、
トリガー(特に≪茶熊キャトラ≫)の枚数には個人差があったため、
トリガーのほうを割り切ることにしました。

■会堂赤を使わなかった理由


ヴォルデモートの次に優勝シェアが高かったのが会堂赤ですが、
私は赤に≪Lv.2オウガ≫も≪光の会堂≫も採用しませんでした。

その理由として最も大きなものは、
私はそもそも≪シャルロット≫を1試合に1~2回しか登場させません。
なぜなら3コスト払ってキャラチェンジするということは、
それだけ隙ができやすく大振りな行動であるためです。

分かりやすく言えば、
2ターン目に≪Lv.2オウガ≫を登場させて
3ターン目に≪シャルロット≫を登場させて攻撃するのと、
2ターン目に≪Lv.2オウガ≫を登場させて
3ターン目に≪レイヴン≫を登場させるのと、
どちらがより安定した勝利に近づけるかということです。

この3ターン目≪シャルロット≫には様々なリスクが付きまといます。
攻撃するとダメージトリガーを2枚めくり撤退する可能性が高いです。
全OFFトリガーや≪茶熊キャトラ≫で攻撃を止められる可能性もあります。

それならまだ良いほうですが、
登場時効果で3ダメージトリガーを捲られた場合、
黄色は言わずもがな赤(紅の王)・緑(毒)・紫(ちびセツナ)など、
今では1ダメージ与えるカードはほぼ全ての色に存在します。

手札を2枚捨てて3ダメージ与えて撤退するなど言語同断です。
また、いくら≪Lv.2オウガ≫で攻撃を上げたとしても
≪キャトラ≫などのSTOP!トリガーの位置次第では無意味になります。

「じゃあ3ターン目に出さなきゃ良い話でしょ?」
という方もいらっしゃるかもしれませんが、
これはこれでまた別の問題があります。

4ターン目以降、ターンを追うごとに
相手の場に攻撃力4以上のキャラが登場する確率が高くなるためです。
赤にとって≪シャルロット≫ほど使い勝手が良い火力カードはないため、
真っ先に警戒されるカードであることでしょう。
であれば、攻撃力4以上のキャラを立てておき、
≪シャルロット≫の攻撃に合わせて防御してくるはずです。

そうされると、せっかく3コストと手札を2枚使ったのに、
半端なダメージしか与えられず≪シャルロット≫が撤退してしまいます。
その行動が必要なときもあるかもしれませんが、
今まで対戦してきた中でプラスに働いたシーンはごく僅かなため
避けるべき行動であると考えています。

以上のようなことから、
≪シャルロット≫による攻撃を主軸とすること自体が
コンセプトとして強くないのではないかという結論になりました。

そうした際に、
≪宿屋≫が採用されていないため手札を増やす手段になったり、
≪KCユキムラ≫のダメージ量を上げられる点が目につき、
≪Lv.2オウガ≫よりも≪モモ≫を優先するに至りました。

■まとめ


そうは言いつつも、私はデッキ選択を誤ったと思っています。

最大の理由は、
ヴォルデモートをしっかり対策できている人が
想像以上に少なかったことです。

これは完全に私の読み違いであり、未熟さです。
優勝デッキがここまでヴォルデモート一色になることも頷けます。
同時にヴォルデモートを使用するプレイヤーの数も思ったより少なく、
ミラーの機会も少なかったであろうと思います。

そのため今考えれば、
自分もヴォルデモートを使うことが最善の選択肢であったように感じます。

しかし勝負の世界に「たられば」はないので、
この経験は今後に活かしていきたいと思います。

また長々と書き連ねてしまいましたが、
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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