橙

【白猫TCG】9弾デッキ考察:橙編「イオリバウンス」

いよいよ10弾の情報が出始めました。

正直10弾発売前に書き終わるか不安でしたが、
なんとか最後まで書くことができました。

最後の色は橙です。


9弾デッキ考察:黄編「御旗イエロー」はコチラ
9弾デッキ考察:青編「斧槍ダブルサーチ」はコチラ
9弾デッキ考察:紫編「斧コントロール」はコチラ
9弾デッキ考察:緑編「超進化緑」はコチラ
9弾デッキ考察:赤編「ミレイユシステム」はコチラ


■橙を苦しめるもの


橙が最後の紹介になったのは、
橙の構築に最も悩まされたからです。

橙にはコンボカードが多く、
単体で機能する強力なカードがありません。

橙に単体で機能する強力なカードがあると、
手札に戻して使い回したり、
≪覚醒セツナ≫でルーンから
簡単に何度も登場させたりできます。
そのため、なかなか単体で機能するカードを
作ることができないと考えています。

すなわち、橙の特色が
橙自身を苦しめているのです。

今まで注目された橙デッキといえば
≪覚醒セツナ≫によって≪WEアイリス≫や
≪WE闇の王子≫の登場コストを踏み倒す
「WE橙」のみです。

しかしそのWE橙でさえ、
強力なのは虹ルーンをもつキャラであり、
橙のキャラではありませんでした。

もちろんWE橙の構築も練ってはありますが、
9弾になって7弾の時に流行ったコンセプトの記事を書くのも
どうかと思い、四苦八苦していました。

そうして橙が一番最後になったわけです。


悩んだ甲斐もあり、WE橙以外で一応
戦えそうな橙が完成したのではないかと思います。

しかし、どうしても他の色の完成度を見ると
橙は劣っていると言わざるを得ません。

黄色の記事でも相当ダメ出ししましたが、
黄色には拳キャラによる土台があるため
まだマシでした。
橙はそれ以下です。
カードが無さ過ぎて論じるところまでいきません。
今後登場するカードに期待したいと思います。


■9弾で登場した橙のカード


9弾で登場した橙のカードはありません。

ありませんというと語弊がありますが、
≪橙ノア≫の能力が相手のレベルも上下できれば、
≪マナ≫の体力があと1大きければ、
といった風に少しずつ惜しいのです。

使おうとしなければ
使えないカードしかありません。

≪覚醒ノア≫や≪覚醒マナ≫は評価していますが、
覚醒前があと一歩のところで惜しく、
デッキの主軸にそえることができません。

他にもレベルを操作するカードなどが登場しましたが、
ただでさえ覚醒キャラと
覚醒前キャラが揃わなくて嘆いているのに、
レベルを操作するカードと
それによって能力を発揮するカードを
都合の良いタイミングで毎試合手札に揃えるなど
夢物語でしかありません。


9弾が発売したのでこの記事を書き始めた節があるため、
できれば9弾のカードを主軸にしたかったのですが、
私の力不足により9弾のカードを使って
勝てるデッキを作ることはできませんでした。


■ひょっこり登場していたアイツ


そうして9弾のカードを諦め、
橙の全カードを眺めていたところ、
とあるカードが目に留まりました。

それが今回の主軸となる≪テニスイオリ≫です。
※長いので以下≪イオリ≫

≪イオリ≫は8弾で登場したキャラです。
8弾といえば茶熊のイメージが強く、
橙のリストを見直すまで
完全に頭に入っていませんでした。


茶熊パックにひょっこり現れた≪イオリ≫は
ルーンを必要とするものの、
1ドロー+自分のキャラが1体防御されないという
強力な能力を持っています。

最大のミソは防御されないキャラを
選択しても攻撃する必要がないことです。

いくら防御されないからといって
不用意に攻撃すると、
ダメージトリガーで場が壊滅します。

パワーの低いデッキには繊細なプレイが必要であり、
ミスが直接勝敗に響くため扱いが難しくなります。
攻撃するタイミングを見極めることが重要です。

位置づけとしては攻めのカードというより、
デッキを回転させるためのドローソースであり、
ついでにダメージソースとなることができる
というイメージです。


また橙のテニスキャラであるメリットとして
手札に戻して使い直せるという点があります。

※場のカードを手札に戻すことを
バウンス(Bounce)と呼びます。

橙は自分のキャラをバウンスできるため、
≪イオリ≫の能力を何度も利用することで
ドローソース&ダメージソースとし
ゲームを有利に進めようというコンセプトで
「イオリバウンス」と名付けました。


■イオリとアイシャの相乗効果


デッキを作る指標のひとつとして
職業サーチがあります。

橙には弓と拳の職業サーチがいますが、
両者を比べた時に≪ファルファラ≫という
中盤でも終盤でも活躍できるキャラがおり、
4/3組でもある弓サーチに軍配が上がりました。

そして弓には≪イオリ≫と相性の良いキャラが
存在します。≪覚醒アイシャ≫です。

≪覚醒アイシャ≫は能力によるダメージを受けると
ルーンからキャラを登場させられるという
優秀な能力を持っています。

≪ゴールデンウッホ≫などのダメージトリガーは
ほぼ全てのデッキで採用されているため、
ゲームの行方を左右するほど厄介な
ダメージトリガーによる被害を軽減してくれます。

≪イオリ≫は防御されないことは強力ですが、
その分ダメージトリガーを踏んでしまうと
体制を立て直す必要があります。

そんな時≪覚醒アイシャ≫が場にいることで、
その能力によりノーコストで新しいキャラを
登場させることができます。


また、逆に≪イオリ≫の能力は
≪覚醒アイシャ≫とも好相性です。

≪覚醒アイシャ≫はダメージを受けなければ
その能力を使うことができません。
それは相手も分かっているため、
山札でダメージを受けてくれなくなります。

そこで≪イオリ≫の能力によって
強制的にダメージを与えてあげることで、
≪覚醒アイシャ≫能力を
活かしやすくできるというわけです。

≪イオリ≫と≪覚醒アイシャ≫は
お互いの弱点を補いあえる関係といえます。

■イオリバウンス


以上のような考えから生まれたのが
こちらの「イオリバウンス」です。

橙

≪ヘレナ≫×3、≪キャトラ≫×3、≪茶熊アイリス≫×2
≪ルビィ≫×3、≪アンドリュー≫×1、≪チタ≫×1
≪イオリ≫×2、≪茶熊ドレスノア≫×1
≪覚醒ルビィ≫×3、≪ミコト≫×2、≪RZ-XV≫×1
≪ジュダ≫×1、≪茶熊イサミ≫×1
≪アイシャ≫×2、≪覚醒アイシャ≫×2
≪ファルファラ≫×2、≪WEアンジェラ≫×2
≪ヴァイオレットガルーダ≫×2
≪わんぱく小鬼≫×3、≪ガイコツアロー≫×3
≪弓術研究所≫×3、≪橙ソウル発掘場≫×1
≪体育館≫×3、≪怪談パーティ会場≫×3


それでは1枚ずつの解説に移ります。


◇≪ヘレナ≫×3
橙最強のカードは≪覚醒ルビィ≫なのではないか
というくらい強いキャラがいません。
その≪覚醒ルビィ≫へのアクセス枚数を
増やす意味でもこのキャラは譲れません。

また、≪イオリ≫のルーンを満たせますし、
≪アンドリュー≫や≪チタ≫といった
枠の都合で1枚しか採用できなかった
Lv.2キャラの枚数を疑似的に増やしてくれます。


◇≪キャトラ≫×3
手札で腐りにくい防御札です。
なおかつ≪イオリ≫のルーンを満たせます。

また、後述の≪チタ≫≪WEアンジェラ≫と
組み合わせることで、コストが続く限り
ドロー+4ダメージを与えることができます。

①≪キャトラ≫登場、ドロー(引きすぎ注意)。
 ≪WEアンジェラ≫の能力で2ダメージ。
②≪キャトラ≫→≪チタ≫キャラチェンジ。
 ≪WEアンジェラ≫の能力で2ダメージ。
③≪チタ≫の能力で自身を戻し、①へ戻る。


◇≪茶熊アイリス≫×2
こちらも≪イオリ≫のルーンを満たしつつ、
初動を安定させるのが目的です。

橙のLv.2にはなかなか優秀なキャラがいますが、
≪アンドリュー≫や≪チタ≫といったキャラは
2ターン目に登場させてもあまり意味がありません。
そこで≪茶熊アイリス≫は
≪茶熊ドレスノア≫をサーチして
2ターン目の動きを作ることができます。

また、それだけでなく軽いLv.3である
≪茶熊イサミ≫もサーチできるため、
初動のLv.2か、Lv.4へ繋げる足場のLv.3かを
その時々の手札の内容によって選択できます。


◇≪アンドリュー≫×1
コストは少し重めですが、
ルーンを必要とせずに自身1枚のみで
相手のキャラにダメージを与えることができます。

また、最悪の場合は
2ターン目の動きにもなれるため、
今回は1枚だけ採用しました。


◇≪チタ≫×1
≪茶熊イグニ≫と一緒にお手軽無限リソースとして
様々なデッキへ出張している彼ですが、
今回のデッキではデザイナーが
想定したであろう橙らしい使い方をします。

≪イオリ≫の再利用だけでなく、
傷ついてしまった≪覚醒アイシャ≫を戻して
再び登場させることで体力を回復したり、
≪WEアンジェラ≫によるダメージ数を
稼いだりすることができます。

また、≪わんぱく小鬼≫によって
好きなカードをルーンとして付けることで、
その付けたキャラを戻し
≪ゴロレオン≫のような使い方も可能です。


◇≪イオリ≫×2
今回の主役。
≪イオリ≫や≪WEアンジェラ≫、
そして≪ファルファラ≫による全OFFという
3種類のダメージソースがあるため、
なかなか戦いやすいと思います。


◇≪茶熊ドレスノア≫×1
2コストで登場させられる
最大ステータスをもつ茶熊キャラです。
能力は使いません。


◇≪ルビィ≫×3、≪覚醒ルビィ≫×3
橙デッキ最強のカードです。
職業サーチが最強といわれるほど
悲しいことはありません。

ネガティブな面はさておき、
≪覚醒アイシャ≫と相性が良いのが特徴です。
職業とレベルが噛み合うため、
≪覚醒ルビィ≫で≪アイシャ≫をサーチして
そのままキャラチェンジすることができます。

そしてその≪アイシャ≫が覚醒すると、
≪覚醒アイシャ≫の能力で≪覚醒ルビィ≫が
登場できるようになります。

そうするとさらに弓キャラをサーチでき、
手札の選択肢を増やすことに繋がります。


◇≪ミコト≫×2
≪イオリ≫の能力を活かすには
攻めるキャラと守るキャラを並べる必要があるため、
軽くて攻撃力の高いキャラとして採用しました。

登場時の1ダメージも地味ですが優秀です。
ただし、3ダメージトリガーを捲ってしまうと
危険な場合は、潔く能力を使うことを諦めましょう。


◇≪RZ-XV≫×1
軽くて攻撃力の高いキャラその2です。
≪ミコト≫の横には≪ミコト≫を
登場させられないため採用しました。

相手の場に≪キャトラ≫などのLv.1が
並んでいても<突破>によりダメージを与えられます。

また、格下との相殺でも<突破>による
ダメージを与えられるため、
その点は≪ミコト≫よりもお得です。

そのため一方的に倒される状況でなければ
損をしにくい優秀なキャラといえます。


◇≪ジュダ≫×1
≪チタ≫と似た運用ができる
ステータスの高いキャラです。

オマケで戦闘ダメージを軽減する能力を持っており、
5/4キャラが苦手とする4/3キャラが相手の場にいても
一方的に倒せるため優秀です。

しかし登場コストが重いため1枚の採用です。


◇≪茶熊イサミ≫×1
≪茶熊アイリス≫からサーチできる
Lv.3の茶熊キャラです。

Lv.3の橙茶熊には弓キャラである
≪茶熊セツナ≫もいますが、
10回以上戦っても1度も使わなかったので
デッキから抜けました。

Lv.4の足場となることが多いため、
軽いLv.3であることが重要です。


◇≪アイシャ≫×2、≪覚醒アイシャ≫×2
最初≪アイシャ≫は1枚でしたが、
登場時1コストで1ダメージの能力が
地味に優秀で2枚に増やしました。

また、素早く覚醒前と後を揃えたいため
どちらか片方を素引きして
もう片方を≪覚醒ルビィ≫でサーチする
というイメージです。
そのためにも2枚ずつ採用しています。


◇≪ファルファラ≫×2
<狙い撃ち>と全OFF能力により
活躍するシーンが限定されにくい
優秀な弓キャラです。

状況にもよりますが、
このデッキだと盤面を制圧するよりも
全OFFによりトドメを指すほうが多いため
可能な限り手札に温存するとよいと思います。


◇≪WEアンジェラ≫×2
橙で唯一使いやすいダメージソースです。
橙キャラが登場する度に
相手の山札に2ダメージを与えます。

どんなキャラでもミニシャルロットになり、
自分のキャラを戻してお手玉しているだけで
相手の山札が減っていきます。

システムキャラであるにも関わらず体力が4であり、
3ダメージトリガー1枚で撤退しない点も優秀です。

しかし、ダメージが強制であるため
全OFFトリガーの影響を
もろに受けてしまうところが残念です。

ただ、このキャラを使う以上仕方のないことなので、
そこで臆してダメージ量が減るよりも
積極的にダメージを与えていくべきだと思います。

また、ダメージを与えるタイミングに
注意しなければなりません。

例えば≪チタ≫を登場させたとき、
≪チタ≫と≪WEアンジェラ≫の能力が同時に発動します。
この順番はプレイヤーが選択できるため、
先に≪チタ≫の能力から発動しましょう。

≪WEアンジェラ≫の能力を先に発動し
もし3ダメージトリガーが捲れた場合、
≪チタ≫が能力を発動する前に
ダメージトリガーで撤退してしまいます。

(この状況で≪チタ≫が撤退した場合は
≪チタ≫の能力を使用するタイミングで
≪チタ≫が場にいないため、
≪チタ≫の能力を使用することができません。)

※≪チタ≫よりも≪WEアンジェラ≫を
 ダメトリから守りたい場合は逆もアリです。

オマケで自身のルーンから
橙Lv.1キャラを登場させる能力を持っています。

このデッキで該当するのは≪キャトラ≫のみですが、
ノーコストでドロー+2ダメージを与えられます。
狙うほどではありませんが、
そういった状況になればやる価値はあります。


◇≪ヴァイオレットガルーダ≫×2
≪チタ≫のような運用ができるキャラ回収トリガーです。

≪チタ≫や≪ジュダ≫の枚数は控えめですが、
このカードを≪怪談パーティ会場≫で使い回せるため
バウンスカードは十分足りると思います。


◇≪わんぱく小鬼≫×3
低コストでお手軽にルーンを付けられる
4ダメージトリガーです。

ルーン条件が必要なルーンを満たしたり、
バウンスカードと合わせることで
好きなカードを捨て山から回収することもできます。


◇≪ガイコツアロー≫×3
登場時能力を再使用できる3ダメージトリガーです。

今まではもっぱら≪覚醒ルビィ≫くらいしか
指定するキャラがいませんでしたが、
[チャージ]は登場時能力であるため
今回のデッキでは≪イオリ≫の能力を
再使用できることを覚えておくとよいと思います。


◇≪体育館≫×3
まず使うことはありませんが、
一応茶熊キャラが入っているため採用しています。
8弾で登場した色茶熊タウンの中では
橙が最も使いやすいのではないでしょうか。


◇≪怪談パーティ会場≫×3
今回はデッキ内の全てのモンスターカードを
回収することができます。

昔から≪ガイコツアロー≫の弱さを感じていましたが
≪イオリ≫のおかげで≪ガイコツアロー≫も
回収する選択肢に入ることができました。


いかがでしたでしょうか。

今回は紹介したことのなかった色も取り扱うため、
せっかくなので今まで考えてきたことを文章にするため
「勝つこと」を念頭においたデッキを紹介してきました。

しかし、次書く時は新しいカードを
フィーチャーした記事を書きたいと考えています。


さらに、次はいよいよ10弾という大きな節目でもあります。
新弾発売以外にも何やら情報があるようなので
今後の発表が楽しみですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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