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Tr.08 ビッグ・バンドジャズの現代的なアプローチ

ビッグ・バンドとジャズの歴史概説

ビック・バンドとはジャズにおける大人数編成の演奏形式だ。

一般的には
ピアノ、ギター、ベース、ドラムスで構成されるリズムセクション
サックス×5、トランペット×4、トロンボーン×4のホーンセクション
から構成される。

これまで紹介した少人数編成(スモールコンボ)対してアンサンブルを重視するのも特徴的だと思う。

映画「スイングガールズ」や東京ディズニーシーの「ビックバンドビート」とといえば通じやすい・
(ミッキーが華麗なドラムソロを演奏直後に、パレードで踊っていた。彼の体力はすごい)

ビックバンドの歴史は古い。
ここではビッグバンドの立ち位置を明確にするためにジャズの歴史をざっと紹介しよう。

ディキシーランド・ジャズ、スイング・ジャズ(1920-40年ごろ)
ジャズの最初期と言われる古き良き時代の演奏
ルイ・アームストロング、ベニー・グッドマン、グレン・ミラーといった大御所が並ぶ。
→ここだけしか知らないとジャズって古臭いと思われそう

ビバップ(1940年ぐらい)
ジャズ史における一大転換点
複雑な高度進行やテンションの多用による音楽的深化が行われた。
チャリーパーカー(as)、ディジー・ガレスピー(tp)、パドパウエル(p)が筆頭にあがるだろう。
→ビバップのための曲があったり、プレイヤーが単独で延々とソロをとるため初心者には取っつきにくいところはある

モダン・ジャズ(1950-60年ごろ)
ビバップを源流におき、音楽的に多岐に渡っていった時代
ハードバップ、クール・ジャズ、ファンキー、ボサノバなど多様化していった。
この時代の有名所はマイルス・デイヴィス(tp)、ビル・エバンス(p)といったところか。
→好きなスタイルや演奏者を軸に聞いて回るとストレスなく幅を広げることができる

モード、フリージャズ、フュージョン、新主流派(1960年-現在)
多様化されたジャズがそれぞれ極限まで先鋭化していった時代。
モードおよびフリージャズはコード進行から開放された自由な演奏。
フュージョンではジャズとロックが融合し、多くの電子楽器が登場した
その後「ちょっとやりすぎだよね」という反省から、ある程度規範に基づく演奏に回帰した新主流派
ハービー・ハンコック(p)、チック・コリア(p)、ウィントン・マルサリス(tp)

1点だけ注意がある
クラシックのようにバロックとか古典派とか100年単位で時代区分とはことなり、区分は曖昧である。
例えばマイルス・デイビスの後期はバリバリのフュージョンだ。

今回は古臭きよきビックバンドの演奏と現代的にリファインされたビックバンドを聴き比べてみよう。

sing sing sing (ベニー・グッドマン)

説明不要の超有名曲。耳馴染みがあると思うので、1曲まとめてどうぞ。

sing sang sung(Gordon Goodwin's Big Phat Band)

題名からしてまさに「Jazz版本歌取り」といった作品。

リファインされた演奏の中でも、スイング時代の名手に敬意が溢れています。
ベニー・グッドマンを彷彿させるクラリネットのソロ
ジーン・クルーパの代名詞のようなドラミングの再現

古い演奏も新しい演奏もどちらも良いですね。

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