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30歳になって毎日クソ焦ってる。

私事ですが、先月の4月8日に誕生日を迎え、見事三十路のレールに突入いたしました。

それから一ヶ月。私は焦っている。何かに対してずっと焦っている。

この「何か」がなにか。それがわからない。結婚なのか仕事なのかお金かはたまた地位なのか。どれも違う気がするし、どれも原因な気がして焦る。

映画見ながら焦っている。音楽聴きながら焦っている。深夜ラジオ聞いて笑いながら一人で焦っている。飯食って風呂入って酒をのんでいるときもずっと焦っている。

筋トレしながら焦っている。高校でラグビーしているときより体がゴツくなって、当時ベンチプレスも85キロしか上がらなかったのが110キロ上がって焦っている。服のサイズがワンランクアップして焦る。オレ ツヨク ナッッタ。

自分と誰かをずっと比べている気がする。きっとそれは世間の「30歳」というイメージに対するコンプレックスがそうさせるのだろう。そこに辿り着けない自分の不甲斐なさに焦っている。普段、私はポジティブでこんなことで悩むタイプではない。だからこそ焦る。

自分の天井が見える。30歳になると、自分の限界がなんとなく見え始める。それと同時に「オレはまだやれる。オレは特別な存在なんだ。ヴェルタースオリジナルなんだ」という根拠のない自信も溢れてくる。自分を騙そうとする自分と受け入れようとする自分が争っているので焦る。

野原ひろしが35歳という設定に焦る。あと5年で私はひろしに並ぶ。あと5年以内に結婚して子供2人作って一戸建てと車に加えて犬まで買うことなんてできるのか。焦る。

ついでに調べたらラオウとかぬーべーとかマスオさんとかみんな年下だった。焦る。

勘違いしてほしくないのが、決してネガティブ思考になっているわけではない。毎日わりと楽しく自由にやってるし、恋人こそいないが友人はそこそこにいる。でも焦る。

漫才ができなくて焦る。アマチュア芸人をしている私にとって漫才は心のオアシスだった。

月に一度か二度、芸人として舞台に上がってネタを披露する。ウケるときもあるしスベるときだってある。結果はどうであれ、漫才を通してチャレンジをしていた。顔も名前もわからない見ず知らずの誰かに自分の書いた言葉が届く瞬間がたまらなく好きだ。

緊急事態宣言によりライブがなくて焦る。お笑いは私のアイデンティティを支える柱の一つだ。それが揺らぐから焦る。

この焦る現象は「クォータークライシス」といって、人生の4分の1が過ぎた時に訪れる幸福の低迷期のことらしい。クォータークライシスは自己のアイデンティティーの混乱を招き、喪失感や不安、パニックを感じさせる。なにそれ焦る。

でも少し安心したのが、クォータークライシスで悩んでる人がたくさんいるということ。みんな悩みながら生きているのだと思うと少し楽になった。

皮肉なものだ。二十歳のときは誰とも違うことがしたい。みんなと違った人生を生きたいという思想が私を支えていたのに、今はみんなと一緒だということが私を落ち着かせている。焦る。

若い頃のネタを見てみる。大学の学園祭で披露したネタだ。もちろん今となっては全然面白くない。勢いとテンポだけで押し切ろうとしているし、誰かのパクリと思われるボケも随所にある。よくそんなネタを自信満々でやれるなあと恐れを知らない自分に笑ってしまう。

でも恐れを知らないのは羨ましい。人間は恐れによって成長する。初めてけみすうぃ見た子供は何もわからずに触る。そして棘が刺さって痛い目を見ることによって「これは触ってはいけないのだ」と学ぶ。それを成長と呼ぶ。

20代の10年間。たくさん失敗し、たくさん学んだ。そして恐れもたくさん増えた。この先の十年はもっと増えるのだろう。マジか焦ってきた。


もうええわ。私は「世間と比べるのをやめて自分らしく生きることに集中する。」という逃げ道に全力疾走する。

この逃げ道はとても便利なので20代の皆さんは是非活用してほしい。

生きていく上で大事なのは自分自身を騙し、持ち上げ、機嫌を取ることだ。

自分は特別な存在であり、なにか輝くものを秘めていると思い込ませることだ。

「私は自分らしい道を歩んでいるのですから、素晴らしい道を歩んでいると言えます!!」という大声で脳内を満たすことだ。自分の期限も取れない大人が人の機嫌を取るなんてできないぞ。

この十年はうまく自分を騙すことができた。あとの十年も上手くいくはずだ。自分が特別でないことなんて自分が一番わかっている。だからこそ、全力で俺は逃げ道を走る。

これから三十路を迎えるあなたへ。うまく自分を騙してください。

もう三十路を迎えたあなたへ。最近の曲とか興味なくなったら終わりだけども、流行りに媚びるのはみっともないしやめとこうぜ。笑

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