「陰翳礼讃」と「日本文化私観」

谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」

デザイナーみんな大好きな本。

日本人(東洋人)は暗がりの中に美を求めてきていて、闇の中で美しさを見出す文化をつくってきた。建物や食べ物、衣装や化粧、食器や紙に至るまでそういった傾向が見られる。
反対に西洋人は光や白さに美しさを感じていて、それは「現状に甘んじる(耐える)東洋人」と「進出的でより良き状態を求める西洋人」という気質の違いあるいは肌の色からくる感覚の差なのではないかと谷崎さんは推測している。

「さび」なんかが近い概念かなと思っていて、(一見)良くない・足りない・無いことに美しさや風情を感じるところに日本人ぽさを感じますね。

これが書かれたのは昭和8年。西洋化が進みそういった陰の文化がなくなっていくことを谷崎さんは残念がっていたようです。

そんな「(日本)文化とは?」を考える時にいつも頭に浮かぶのがもう一つのお話。

坂口安吾 「日本文化私観」

これは昭和17年(日中戦争のさなかですね)に発表された話です。
坂口さんが日本文化について自分の考えを語ったもの。

(あくまで私の理解ですが)この話で好きなのが、「日本的な文化、それはすなわちいま生きている私達が日本であり文化である」という文化の捉え方です。

文化とは着物や桂離宮、龍安寺の石庭といったものの存在や捉え方ではなく、「人が生活し求めるその中に見つかるもの(美)」こそ文化なのではと私は受け止めています。
もちろんいわゆる「今までの日本的文化を代表するもの」を保存していくことは大事なんだけれど、それは文化そのものではない。
必要に応じて古民家を潰してビルを建てたり、着物をやめて洋服を着ることなどは文化の破壊ではなく、それ自体が文化だと捉えることができます。

また坂口さんは「美」について刑務所・工場・軍艦・戦闘機などを例に挙げて「必要」から生まれる美についても語っています。
つまり機能美の話ですね。

こういった人間の生活自体が文化でありその中に美を見出すという見方、現代のデザインに通じるものがあるなぁと思うんです。
人を中心に考え、その行動の中に価値やニーズを見つけることってデザインそのものですよね。
逆に歴史的建造物や古くからの慣習を文化(美)として捉えるのは、デザインを「見た目をきれいに見せること」と認識することに似てるなとも思うのです。

デザイナーにおすすめしたい坂口安吾

私も文庫1冊読んだ程度で全然詳しくないのであれですが、日本の歴史や文化を交えながら(日本)人について考察する坂口さんの本はデザイナー受けするんじゃないかなと思っています。
興味あれば読んでみてください。

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アリガトゴザイマス ( ゚д゚)
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711fumi

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