うたの日まとめ(2018 Spring)

早いもので、うたの日に参加させて頂くようになってからおよそ半年が経ちました。いつも皆さんの短歌に刺激を頂いています。本当に素敵な場に参加させて頂けていること、とても嬉しく思います。

ということで、今回は3月から5月にかけて投稿した歌のうち気に入ったものをまとめてみました。私生活がバタバタしていたり中々短歌モードにならなかったりとちょっとサボり気味な三か月だったので、次の三か月はもっとガンガン詠みたいです。


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三月、と指を立てたるきみの手にピースがふたつあり春である(2018年03月01日『弥生』)

湯としての三十六度は冷たくていのちは熱いものなのだろう(2018年03月03日『三』)

あさぼらけプラットフォーム 歯車の列に並べばわれも歯車(2018年03月05日『列』)

褒められも叱られもせず何もないわたしのためのハーゲンダッツ(2018年03月09日『何』)

満天星とふ花の名を知り今宵プラネタリウムへ行かむと思ふ(2018年03月10日『自由詠』)

春一番吹いてるルルル週末はセロリのスープにしようと思う(2018年03月13日『春一番』)

さようなら二十四時間やっていてくれたあのデニーズと青春(2018年03月14日『24時間』)

ビー玉をラムネの瓶に入れるすべを知らないままに透明であれ(2018年03月17日『透』)

各停でゆこうか今日は新品のデニムもこんなに青いことだし(2018年03月19日『デニム』)

アスパラの上手く茹でたるキッチンの幸福を見よ春は来たりぬ(2018年03月23日『キッチン』)

六限にきみの視線を辿りつつ同じ窓から見た空の青(2018年03月24日『空』)

誠実なひとかも、だってイヤホンの紐をほどくのとか得意だし(2018年03月25日『ほどく』)

青春は退屈だった 退屈を愛せないのが青春だった(2018年03月27日『青春』)

早死にで構わないって笑いつつ定期預金はしているおれだ(2018年03月28日『構』)

何ごともやりすぎてしまう今日もほらまた辛すぎるトマトリゾット(2018年04月01日『日』)

秘密とはあの教室の片隅であけたピアスのようなきらめき(2018年04月02日『室』)

ゆっくりとアップデートするOSを眺めてをりぬ 春はねむたい(2018年04月04日『ゆっくり』)

我々は宇宙人だと言う子らにやさしく首を振る扇風機(2018年04月05日『々』)

広大な六畳ほどの海にをりまだ見つからぬ靴下の右(2018年04月08日『広』)

価値なんてわたしが決める半額の白身フライはけっこう美味い(2018年04月14日『身』)

泣き笑いみたいに降るなよ天気雨 耐えてるおれがばかみたいだろ(2018年04月16日『天気雨』)

全けき図鑑の隅でこんなにも海王星の青は孤独だ(2018年04月17日『星の色』)

読みかけの本を並べる 取り敢えずあしたも生きるつもりではある(2018年04月21日『並』)

半袖のうしろ姿が好きだった 気だるき午後の水兵リーベ(2018年04月22日『半』)

こんなにもまじめに生きているのだがハッピーターンの粉がこぼれる(2018年04月26日『ハッピー』)

「ほんとうにアポロは月へ行ったのか」とふ記事を読む 平成が終はる(2018年04月29日『平成』)

優しくはないよ世界の右上に×があったらもう押してるよ(2018年04月30日『優』)

ポインタは銃だ 名刺はカミソリだ ペンはナイフだ 被疑者はおれだ(2018年05月01日『名』)

ふるさとの古墳にほんの少しだけ似ているニュータウンの丘をゆく(2018年05月08日『丘』)

独り身も不自由でありAmazonの荷物が届くからまだ泣けない(2018年05月10日『自由詠』)

どうしようもない男だな原付に元カノの名前つけちゃったりして(2018年05月11日『原チャリ』)

十円を節約してるおれですが手相的には天下が取れる(2018年05月14日『相』)

糸なんか大変でしょう 今どきは運命の赤いBluetoothです(2018年05月15日『糸』)

あの頃のパソコンに居たあのイルカはきちんと海へ帰れたのかな(2018年05月20日『パソコン』)

曲がり角まできみんちのWi-Fiが届いてをりてはつ夏の風(2018年05月21日『曲』)

人生に勝ちたいわけじゃないけれど負けてもいいとは言ってないです(2018年05月22日『勝』)

忘れたい恋だってあり立ち漕ぎで一本道をのぼってく夏(2018年05月31日『自転車』)

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