よかったね〜ありがたいね〜
ばっかり言うようになった母が
母のお友達と若い頃の話を互いにしているのが面白くって
私の知らない母の人生に耳を傾けていた

ああ　私はかなり母に似ているんだと知った

落ち着きのないところ　
どんぶり勘定　
好奇心旺盛　
思い立ったら吉日ぶり発揮しちゃうところ　
おかしくて笑い転げちゃった

話は今週の母の失敗に〜
歯医者さんの時間を間違えちゃったらしい

受付で診察券をみて15時　
え？やだ3時じゃないの！
と5時に行った母に　
「あら1がみえなかったのね」って
優しく次の予約とってくださったらしい

迷惑かけちゃった
でもさ〜とっさにそんなふうに言ってくれるって
すごい！すごい！と思わない？
すごいよねって〜何度も言って
私もそういう人になりたいわって
お友達に話していた

何だか私は安心した
本当におかげさまの人生を楽しんでいる

写真は夏に行ったすてきな島で
あたためられた海水の中に
冷たい水の流れを感じたところで
母はどんどんと水がどこから
きたのか探し始め
みつけていた
水が湧き出すところ〜あったわよ〜

腰痛いから行かないわよ〜
あんた達行ってきなさいって言っていたのに

昔からそう
近所を散歩して　歩くの〜え〜やだー

なんて言いながら
道端の草花の名前をよく知っている
草の繊維をとってヨリをかけてロープのようにした子ども時代
おかきを作って朴葉で包んでその紐を結んで
おやつにしたとか
聞くのがすき


大きな銀杏の木
ぼとぼと落ちていた銀杏をどんどん拾って

ねぇ　もう帰ろうよ〜
と私　何度もいう
待って大きいのあった〜もうちょっとだけ〜

昔
ツクシとかノビルとか摘むのは好きだけど
処理はめんどくさくってほっぽっといて
母親に叱られたわって

銀杏もちょっとめんどうね
笑いながらでも　感謝して美味しくいただいたなぁ

実は私もどんぐりをみつけると
子どもそっちのけで綺麗などんぐり拾いたくなる
衝動にかられるのを職業柄抑えてる

母の両親は
私が生まれたときには既に
若くして天に召されていた
きっととても寂しかっただろう

カーテンを洗濯している間に、一緒に窓ガラスを拭いた。母は内側、私は外側そして玄関やら水回りやら　
アー腰痛いね〜もうおわり　
焼きそば食べよう〜

温めている間　カーテンのほころび
針に糸通してチクチク縫っていた

あらすごいわ
そういうところは似ていない
私はもう何年いつかリメイクしようと思っているものを
リメイク用のカゴに入れクローゼットに置きっぱなしだもの

週末訪れる度に聞ける話が楽しみって
幸せだろう
ありがたい
ありがたい