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スキンケアという農業 〜肌診断に行ってきた話〜

皆さんははじめて使った基礎化粧品を覚えているだろうか。初めて買った基礎化粧品は?そもそも基礎化粧品という概念を知ったのはいつのことだろうか。

ちなみに私は全く覚えていない。高校生ぐらいまでは実家の洗面台に並んでいた母の化粧水やクリームを勝手に拝借していたような気がするが、それさえ定かではない。もしかしたら何も塗っていなかったかもしれない。当時浴びるように摂取していたアンパンマンの神回のタイトルも、ヒカ碁を一気読みしたのち1ヶ月は死んでいたことも、うっかりアメコミ沼のどマイナーに足を突っ込み寝ても覚めてもストライフについて考えていたのも覚えているのに、あのころちゃんと日焼け止めを塗ってたかどうかすら思い出せない。

まず美容に興味がなかったし、正直今もあるとは言えない。そもそも美容ってなんなんだろうか。どっからが清潔と健康の維持でどっからが美容なんだ。教えてほしいが知っても別になにも変わらなそうではある。
基本、私が地肌の状態に気を使っているのは、ストレスの回避のためだ。数年前に顔面が肌トラブルの最上級と言った様相を呈したあの時を恐れるが故である。瞼の皮膚が剥がれ、頰や鼻は赤剥け大量の湿疹が発生し、顔を洗う水さえ滲みる始末。幸い激しい症状は皮膚科の保険診療パワーで完治したが、この時に「基礎化粧品、ちゃんとしないと痛い目を見る」と学習した私は、以後長く地肌第一を貫いてきた。
だから地肌に関して言えば、トキメキより断然継続と効能と効率重視である。洗面器にお湯張ってフェイススチームするなら風呂入ればいいんだ蒸気ガンガン浴びれるぞみたいな精神。

今まで主に使用していた基礎化粧品もまた、継続できるお値段・感じられる効能・3ステップで終了の効率良しで選ばれたのはFANCLでした。何よりあの時、ボロボロの肌にも唯一沁みることなく状況を改善してくれたのはFANCLさんだけだったのだ。言ってしまえば初めて出会った基礎化粧品に、カルガモの雛よろしく付いて回っていた訳である。
それからは大きなトラブルは経験せずに来れたのだが、そんな常にそこそこ良好な肌状態に慣れたせいだろうか、それとも寄る年波というやつだろうか、最近どうもクマや毛穴などの細部が気になるようになってきた。現状維持を見直して、もっとダイレクトにトラブルに対処したくなってきたのだ。

そこで受けることにしたのが「「「肌診断」」」である。問題に対応する前にまずは問題そのものを分析せねばという単純思考の結果だ。めちゃくちゃ美容垢力強いワードで思わず3カギ括弧しちゃったぜ…。
今までにもFANCLで簡易な肌診断は受けてきたが、その上でわかったのは肌トラブルの原因を素人が推理するのはめっちゃ難しいということだ。テカリやばいなこりゃ保湿のしすぎだな😉とか思ってお店に行ったら肌の水分量が死んでるのが原因だったりするのだ。我々は正真正銘ワトソンくんなのだ。餅は餅屋である。そこは最新機器を手にする現代のホームズに任せようではないか!!

というわけでやっと本題、行ってきました肌診断。
舞台は西武そごう渋谷店。幼少期より私にとって、百貨店と言ったら西武でありあのクマちゃんだった。地元からはとうに撤退してしまったこの百貨店が今展開しているのが「セイブ キレイステーション」。ビューティアドバイザーと最新機器による肌状態の診断とカウンセリングが受けられる、お肌の221Bである。

BBC版ホームズのテーマ曲を背負い化粧品売り場から17段(嘘)の階段を上がって中二階、磨りガラスで囲まれたステーションには、まさに化粧品のお姉さん!という風貌のビューティアドバイザーさんと、ふわふわの椅子、そして真っ白ながらに存在感のある機械が待ち受けていた。

ここで受けられる診断は、ショートカウンセリング(要予約/20分)、じっくりカウンセリング(要予約/50分)の2つ。どちらも無料だが後者はセゾンポイントカードへの入会が必要(行ってその場で入会させてくれるので予約時には持っていなくて大丈夫)。
今回は機械による診断後にカウンセリングやアドバイス、そしてお勧め製品のチョイスを行ってくれる50分コースを選んだ。
ここで言っておくとこのコース、受けた感想としては「じっくり」と言うよりは「ガッツリ」である。とにかく時間に対して投げつけられる情報量がやばいしあちらもそれを把握している故か話がガンガン進む。丁寧にじっくりゆっくり…という雰囲気からは正直程遠いが、私的にはこの効率でブン回ってる感じは結構好きです。推理モード突入時のホームズって感じですね。各自お好きなホームズで再生してください。

カウンセリングの流れについては公式サイトの説明を読んでもらった方が早いので省略する。忙しい人のために纏めれば、まあ大体「聞き取り、測定、アドバイス」ってとこだろう。依頼人の話を聞き、証拠集めに勤しみ、そして華麗な推理ショーという訳だ。こちらも各自お好きな探偵もので再生してください。トリスタン以外でよろだぜ!(鳴鳳荘イベさっき完走しましたパッチワークでモリアーティって名前の新宿のアーチャーって言ってた男があのイベントという虚構の中に於いてはこれまでで最も完全なるモリアーティとして扱われる様を見てちょっと動悸がやばい。)

カウンセリングシートには現在のスキンケアや肌悩みについて記入し、ホームズアドバイザーさんが聞き取りして更に追記してくれる。

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△私が共有した情報はこんな感じ。


これが終わると機械による測定に移る。
顎を乗っけて機械の奥のカメラを注視。目の悪い人には分かるだろうと思うが、眼科で気球の絵を見せられるあの装置のスタイリッシュ版みたいな機械だった。ちなみに気球は見えない。

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測定は水分値や油分地、しみや毛穴の数、きめの細かさ等々の10種目。同年代の平均と比較して5段階評価がつく。
私の評価は平均2.5と散々なものだった。なんということでしょうしている横から、皆さん大体フルメイクで来店するので、日焼け止めオンリーで臨んだ私の結果はだいぶ悪くなる…というフォローが入る。でも結果は結果みたいなことも言われる。ムチアメである。
アドバイス自体は平均との比較というよりは数値や個人的な悩みそのものに基づいて行われたので、ノーメイクのせいで過剰に悪く評価されたという感じはなかった。むしろリアルな肌の状態教えてもらえたので良かったんじゃないかな。

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△毛穴やシミの分布、目元のシワなんかについては画像で結果が出る。衝撃映像でしたね…


そして待ってました推理ショーことアドバイスタイム。結局のところ私の肌はどういう状態なのか、その結論が下されるのだ。
今回、私の悩みと測定結果から、対処すべき問題として浮上したのは主に3つだった。
①きめの乱れ
②毛穴ダブルトラブル
③目の周りが要介護

順に見ていこう。
①きめの乱れ
私の診断結果でまず顕著だったのが、「くすみ」「顕在・潜在双方のしみの多さ」。肌の色がもともと白いのもありくすみとしみは全く意識していなかった分、この結果はなかなか衝撃だった。

アドバイザーさん曰く、20代という年齢と肌きめの状態を併せて考えるとこれは老化というよりは肌のターンオーバ機能の低さによるものと考えられるそう。生まれつきのアトピー肌の基本特質として肌のバリアがゆるゆるなのもあり、「今のスキンケア自体は合っているが、スキンケアの効果が出にくい状態の肌」と診断された。

古い角質を捨てて新しいきめ細かい肌を作る機能が低下しているので、古い角質が新しい皮膚の上に残り、肌のキメが粗い。よってしみが残ったり、いくら保湿しても乾燥しやすかったり、肌の表面がざらついて化粧ノリが悪かったりする。ここら辺は実感としてもあったので超納得。
つまりは肌の上にお局さんがのさばっているせいで、新入社員が萎縮し、さらにお局がのさばるという負のループに入っていたわけである。古いものとはおさらばしなければならないってレンくんも言ってたもんね。スターウォーズ新作楽しみです。

②毛穴ダブルトラブル
これは個人的にトップクラスの悩みだった。どう診断しても完全なる乾燥肌なのに、頰と小鼻の毛穴がどうも気になるのだ。美容系雑誌の毛穴チャートはたいてい頰か小鼻かでまず分岐するのでそこから挫折である。どっちにもあるんですが…?

案の定毛穴の数は平均の2倍という結果に。画面上で頰と小鼻に密集する赤い点(毛穴)が集合体恐怖症を抉ってくる。
だがアドバイザーさんが画面を操作すると、密集地帯はほぼ小鼻オンリーに変化。総毛穴数の約半分、小鼻の毛穴だけが「黒ずみ毛穴(毛穴に汚れが溜まって目立つ状態)」だったのだ。そしてそうではない頰の毛穴は乾燥や刺激によって開いたものだという。なんとダブルで毛穴トラブルとお付き合いしている状態だった訳である。二股かけてたのだ。三年目の浮気を多目に見れる人間はそういない。

へえ〜とかほざいてたとこで唐突に、「普段クレンジングや洗顔はどの部位から始めますか?」と質問が飛んでくる。美容意識低いの民はとりあえず出したら顔につけるだけなので即答できなかったが、まあ多分ほっぺだろう。面積広いし…そっから広げやすいし…。ダメっすか…?

「頰から洗顔を始めると、そこで何度も擦るせいで頰の洗浄が過剰になりがち、かつ額から顎にかけてのTゾーンは疎かになりがちなんですよね」

ダメでした。


「あと小鼻のところ念入りに洗ってませんか?」
や、やってるう…
「その時って一緒に頰も擦ってるんですよね(実演)」
たしかにい…
「あと頰から洗顔すると面積の広い部分を洗った汚れた泡を額とか鼻に拡散させてることになるわけで…」

ワトソンくん、惨敗。

ホームズ先生曰く「洗顔はTゾーンから始めて最後に頰に移りましょう!これだけでだいぶ診断結果が変わってきます」とのこと、誰でも今日から使えるライフハックである。貴重なお裾分けですので各位ご自由にお使いください。

③目の周りが要介護
最近の最大の悩みは目の周りがどうにも窶れて見えることだった。鏡を除けば凡そ実年齢とはかけ離れた目元が映っている気がする。青クマと目頭から伸びる線、やばくないか?太陽に吠えろよろしくブラインドをさっと下げて外を覗けば、十中八九覗き魔ババア認定される目元である。

睡眠時間の短さとツイッター中毒による眼精疲労は大前提として、主犯は意外なところにいた。
コンタクトないし眼鏡の着用である。コンタクトはまだしも眼鏡まで?と思ったが、この2つを使う人、すなわち近眼の人は瞬きの回数が常人の2倍近いらしい。その分目の筋肉や皮膚は酷使され、「老化も2倍速になる」という訳だ。ただでさえ1番上の輪っかすら見えない目の悪さでけっこうな不自由を被っているのに。恐ろしい業を背負わされたものである。加えて万年アレルギー持ちな故、意識しないうちに目を擦る回数も多い。
結果、スコープで映し出された私の下まぶたのキメ状態は太平洋だった。本体ならエーゲ海並みにキメという三角島が密集すべきところ、申し訳程度の島しか見られない。あとは真っ平ら、キメの死んでる海である。ちなみに水分値は死んでた(キメの荒さ故に肌が水分を保持できないのでキメが荒くなるループ)のでエーゲ海でサハラ砂漠とかいうFGOのイベ用特異点みたいな状態だ。

探偵の判断は迅速である。「今日からでもエイジングケアとしてアイケアは始めてほしい」の言と共にめちゃくちゃ真剣な顔をされた。はい…。


以上の3点を踏まえて下された結論、今後の目標は、「肌きめを極めること」と「アイケアのスタート」だった。

はじめに前者だが、アドバイザーさん曰く「キメの数値を上げていけば他は自ずとついてくる」。どこぞのスポ根漫画のような台詞だが根拠はあるわけで、まず肌キメを細かくするスキンケアが何なのかといえば「肌の新陳代謝(ターンオーバー)の促進」なのだ。私の場合この機能が生まれついて弱く今に至っては死んでいるのが諸々の問題の原因なため、肌きめ改善、すなわちはターンオーバー促進を行う基礎化粧品と今後手を組むのがいいと判断されたわけ。
本来ならば古い角質をごそっと取り去ってしまうスクラブとかも使いたいところだが、言ってしまえばこれはサノスの指パッチンみたいなもんなので肌という宇宙には結構負担がかかる。アベンジャーズが肌に住んでる人だったら手っ取り早かったのだが、彼らがいたとしてもまず私の宇宙は5年後のアベンジまで持ちこたえられない。よって緩やかに古い角質を落ちやすくしてくれたり、炭酸の泡で顔面をホッカホカにして代謝を上げてくれたりといった美容液をピックアップしてくれた。「肌を耕し古い角質を掘り起こして落ちやすくするんですね」という説明が衝撃でした。化粧が顔の上のお絵かきならスキンケアは畑作りなのである。サノスも最終的に農業してたからな。全ては農業に繋がんだな。農業を敬え(農業県民の顔)。

付随して乾燥ではなく汚れで目立ってしまっている小鼻の毛穴用に、毛穴の黒ずみにアタックしてくれる製品も紹介してもらう。ただ黒ずみ毛穴はだいぶ局所的なのと、肌キメ上げでお勧めしてもらった製品が毛穴ケア効果も併せ持っていたため、これ買うならそっちのがいいかなという感じに言っていた。

次にアイケア。基礎化粧品が合わずに目の周りが赤剥けてしまった過去もあり、まずは現在も使用していてトラブルが起こりにくそうなFANCL製品から選ぶことをお勧めされた。「目の周りの皮膚はサランラップより薄い」そうで、ここはまず慎重に打ってでようという話。
人体というのは得てして謎が多いが、マジで何でこんな大事な感覚器官の周りをそんな仕様にしたよ。サランラップて。懐に同人誌を入れておいて助かったぜ…展開にツッコミは入らないツイッター世界でも流石にサランラップはつっこまれるよ。
アイケアというとナンカメッチャタカイ化粧品なイメージがあるがそれに間違いはなかったようで、やはり安くて4000円からというのが相場だそう。その中で千円代で出してるFANCLさんはマジFANCLさんである。
FANCLの中でもいくつかアイケア製品は有るのだが、今回はキメの粗さが1番気がかりとのことで乾燥を集中ケアするアイセラムを1番にお勧め頂いた。併せてクマにはマッサージで血流を良くするアイジェル。ダブル使いも片方でも良いけれど片方の場合は前者とのこと。

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△こんな感じでお勧め製品のメモをもらえる。


ここら辺でお時間がやってきてカウンセリングはそろそろ終了、最後に機械による診断シートと、お勧めしてもらった商品のメモを貰う。メモの方にはアドバイザーさんがコメントをつけてくれるので、化粧品売り場にそのまま持っていけば受け取った美容部員さんがこっちの肌状態を把握しているた上で対応してくれるらしい。今回はすぐ移動してしまったので利用しなかったが、無駄のない良い仕組みである。
肌診断の結果は個人情報とみなされパソコンからは抹消されるが、希望すれば次回の診断で比較できるように書面で取っておいてくれる。これはお願いして、今回の診断は終了。文字にすると長いが、体感10分くらいのハイスピードハイエントロピーな診断であった。(※BBC版シャーロックホームズの推理シーンをイメージしてください。)

果たして当初目論んでいた通りに自身の肌の問題に対するより深い分析と具体的な対処法を得られたため大満足、その後は足取りも軽やかにフォロワーと合流してパンケーキを食った。
私のこういう姿勢ゆえかアドバイザーさんの個性なのか、聞き取り!分析!推理と結論!あとはこの人に任せれば大丈夫だから(メモ)という、かなり221Bな探偵事務所感のある時間でした。前回のラグジュアリーなPC診断とはまた異なる趣の診断で良い。これで無料とは西武のクマちゃんはだいぶ太っ腹である。

実は肌診断を予約した後にThe Ordinaryという自分の肌問題に合わせて製品を組み合わせる基礎化粧品に出会ったのだが、今回の診断とこのブランド、かなり親和性が高かった。
診断前だったら「肌悩み…何…とりあえず乾燥対策とお勧め製品買っとくか…」みたいになってたであろうところ、「ターンオーバー促進と保湿と毛穴対策!(カートに入れる音)」な感じで選べたので有難い。
そういう前提条件もあって私の場合はメモをもらって帰ったが、お勧めされた製品は実際死ぬほど良かったので即購入前提も全然ありだと思う。アイケアはFANCLのアイセラムをカラポの聖母ことまめたさんがくださったので早速愛用中です。この身体は無数でもないフォロワーで出来ている。

診断後に頼んだThe Ordinaryもそろそろ届く頃。次回の診断は3ヶ月後、果たして私の肌はどう変化しているだろうか。今まで育てた植物を基本的に枯らしてきた私にスキンケアという農業は果たして可能なのだろうか。願わくば夏の日差し照りつける雑草ぼうぼうな畑になっていないことを願いつつ、とにかくこの記事を早く書き終わりたくなってきたななこがお送りしました。今回ネタが少ない!?うるさい!私は夜ランに行くんだよ!

次回予告:お願い負けないでジョゼフ!!貴方が動けなくなったらプレイヤーはどうなっちゃの!?次回、呪術師と探鉱者とオフェンスと板に負けて4逃げ 〜そもそもめっちゃラグい〜 ランクマスタンバイ!(マッチングの音)

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△こっちはフォロワーが誕生日だからって奢ってくれたパンケーキ!

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