アドカレヘッダー_02

新卒デザイナーが考える「違和感」の活かし方


エイチームライフスタイルアドベントカレンダー2018の20日目は、株式会社エイチームライフスタイルのimananが担当します。

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この記事の概要

今回は、「違和感」の活かし方についてお話しします。
「違和感」とは、目に見えないものを形にするデザイナーにとって、課題の本質を探るきっかけになるものです。
また、自分のパフォーマンスを最大化できる環境を構築するために、違和感を活かすことができるのではないかと考えています。
次のような人に読んで頂きたい記事です。

 ・どうして「美意識」がビジネスで必要とされるのかが気になっている人

・ネガティブな側面に気づけるけど、それを伝えるのをためらっている人

・経験が乏しく意見するのをためらってしまう新卒、就活生

なぜ「違和感」が大事なの?

12月1、2日に東京で行われたDesignshipというイベントはご存知でしょうか?
その中の講演でTakramの田川さんが、越境する上で「違和感を持つこと」の大切さをお話しされていました。
また、アドベントカレンダー4日目でryosuketterさんが書いてくれたように、観察することの大切さにも注目が集まっています。

なぜ、デザインを語る上で「観察」や「違和感」が大切なのでしょうか?

「デザイン」と「違和感」の相性がいい理由は、「デザインドリブンイノベーション」にヒントがありそうです。

これは『デザインの次に来るもの』という書籍に掲載されている図です。
イノベーションという言葉でイメージされるのは、iPhoneのような「テクノロジープッシュ」的イノベーションではないでしょうか。

デザインが得意とするところは、「デザイン・ドリブン」のイノベーションの領域、「意味のイノベーション」なのです。
そのもの自体の変化ではなく、見方、ものが持つ意味が変わったことによって起きたことです。

「馬車から車へ」ほど大きな変化でなくても、あるものの見方、意味を変えてみるだけで、大きな影響を生み出すことができるのが、意味のイノベーションの特徴です。
今あるものの価値を見直し、情報を再設計した上でストーリーを伝えるリブランディングも、意味のイノベーションにあたると思います。

デザイナーが「違和感」を見つけるのが得意な理由

デザイナーの思考を体系的にフレームワークとしてまとめたデザイン思考は、HCD(Human Centerd Design)アプローチをパッケージングしたものと語られています。
デザイナーはHCDアプローチを行うプロフェッショナルであり、日々の業務の中で人間の行動、認知、感覚への解像度が磨かれています。
自身の感覚の解像度が高いため、些細な変化や違和感に気がつきやすいのです。

「違和感」を見つけるのに必要なことは?

これまでと違う意味を見つけるためには、まず「一般的な解釈」を疑う必要があります。
人は自分を通してしか世界を知覚することはできません。
歴史、文化、古典、哲学、アート、自分自身の気質を学び、自分の無意識を形成する要素を理解することは、「そうではない」考え方を見つけるための手段になり得ます。

アートのように正解のないものに対して解釈を行うことは、人が取り得る解釈の幅広さや、答えがないことを模索する行為自体の訓練にもなりますし、自分の解釈や人の解釈の背景に思いを巡らせる経験にもなります。

このような経験を重ねることで、ビジネスにおいても重要な「前提を疑う力」が身につくのではないでしょうか。
この頃、ビジネスにもアートの視点を持ち込もう、美意識を持とう、というビジネス書をよく見かけるようになったのも、こうしたビジネスに必要な姿勢や、意味のイノベーションにつながる違和感を持つ力を鍛えられるのが理由の1つです。

また、自分自身が苦手なことや、なんか違うかも…というネガティブに捉えられがちな主観的違和感も、前提を疑う上で大切なものになってくるのではないかと私は考えています。
例えば、私のような新入社員の場合、知識経験ともに不足していて、周りの方に教えてもらうことばかりです。そんな中では、自分が感じた違和感を発言することを躊躇うこともありました。
ですがチームのメンバーに、「新たにやって来る人だからこそ発見できることがある」と言って頂き、今はまず思ったら聞いてみるようにしています。
自分の弱みに感じている部分は、実はあなたにしか持てない視点、強みになる可能性があります。

違和感をアウトプットする

では、違和感を持つだけでいいのか?というと、そうではありません。
「違和感」とは曖昧なもので、自身の違和感でさえも説明するのは簡単ではありません。
自分はなにに対して違和感を感じているのか?
それはどういう感情、思考、意識からやって来るものなのか?を自問自答しまず自分の中で具体化、明文化する癖をつけることで、違和感をアウトプットする準備をすることが必要です。

違和感を扱う上でのデザイナーの強み

デザイナーが違和感をアウトプットする強みは、アウトプットとして言語以外に落とし込める点です。

例えば違和感から発見した課題をビジュアルとして落とし込むことで、自分の違和感をよりわかりやすく表現することができます。

違和感くらいの、明確に課題が発見できない状態では、アウトプットでなぜその違和感を提示したのか、解決もしくは共有されることでどんなメリットがあるか?を周りの人に伝えられるように伝え方もデザインすることが必要です。

違和感をアウトプットする時のコツ

違和感を持つということは、現状を疑うことであり、違和感を持つ人自体が少数派で、自分が考えてるだけかな…と不安になることもあると思います。

またそれが、目的に対しての明確な課題ではなく、個人的なやりにくさや苦手なことから発生している違和感の場合は特に、人に伝えることをためらってしまうのではないでしょうか。

そんな時は、チームの目的と自分の違和感両方を見てみましょう。

ここで重要なのは、今あることに自分の違和感を適応させるのではなく、自分の違和感と達成する目的とを照らし合わせ、最適な方法を生み出すことです。

私はとても心配性で、慎重に物事を考えてしまう癖があります。
どうしてもリスクや否定的な側面に目が向きがちです。
思うままに漠然とした不安を巻き散らかすことは、チームにとっていいことではありません。

自分の違和感を主張するだけになってしまったり、自分の尺度で判断したりするのではなく、チーム共通の軸(事業ミッションなど)で判断することで、チームにとって一番良い形は何かを意識して違和感をアウトプットすることができます。

まとめ

以上まとめますと、

 ・デザイナーは違和感を発見するプロフェッショナル
・また、アウトプットのプロフェッショナルでもあるデザイナーが違和感を扱うことで、より効果的なアウトプットをすることができる
・適応するのではなく、新しく最適な方法を検討することが大事

ここまでお話ししてきましがが、まだまだ自分の一時の感情と、チームに必要な違和感を分けることは難しく、感情を整理したりチームで何かをすることへの苦手意識はあります。
それでも、私は自分がチームに参加することを諦めたくないし、自分の能力を活かしながら、最高のチームと最高の仕事をしたい、という気持ちがずっとありました。

そのためには今あるものに適応する以上に、能動的に自分で環境を作っていく必要があります。
適応できない環境なら、仕組みから変えてしまいましょう。
自分もチームもハッピーになれるやり方を、これからも私は模索したいと思います。

この試行錯誤が、デザイナーとしての実践力、言語化能力、共通言語を作る力を身につけることにも繋がると信じています。

自分の中には自分の思考しかありません。
人は比較することでしか物事を理解することができないそうです。
一歩外へ出て、外との違いに落ち込むのではなく、違う部分を具体的に見つけて、なぜそれが起こっているのか?どうして自分と、相手はそう思うのか?を解像度高く考えられるようになることで、自分の違和感と前向きに向き合うことができます。

外に出る最初の一歩に、ぜひエイチームに来てみてください。
私が違和感をアウトプットしようと思えたチームの雰囲気の良さ、前向きな姿勢をきっと感じてもらえると思います。

あなたと、弊社で直接お話できること、心から楽しみにしています!

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エイチームライフスタイルアドベントカレンダー2018、明日はayumi_k
に書いてもらう予定です。お楽しみに!

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https://www.a-tm.co.jp/recruit/

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