交通誘導警備員

中学の時使ってた缶ペンケースは、ハンギョドン 錦鯉 長谷川まさのりです!


22歳の時、交通誘導警備員のアルバイトをしていました。

通行止めの現場ではただ立っているだけで一見楽かなと思いきや、時間がたつのが物凄く遅くて辛かったです。

工事現場でのダンプカーの誘導をした時は、運転手に

『もっと、でかい声出せ!』とか『周りちゃんと見ろ!』

とか、とにかく怒鳴られて怖かったです。


ある日、川田さん(仮名)という僕より10歳くらい上のアルバイトの人と2人1組で、片側交互通行の現場へ行きました。

僕の方から来る車を止めて川田さん(仮名)からの車を流し、川田さん(仮名)の方から来る車を止めて僕の方から車を流す。

永遠に、この繰り返しです。

そこは山道で大きなカーブ、交通量も多かったので車に轢かれないよう僕は必死でした。

左手にトランシーバーを持ち、胸ポケットから紐で繋がっている笛を口にくわえピッ!ピッ!と大きな音で鳴らし、右手で誘導棒を大きくブン回して運転手に気付いてもらうようにしたのです。

順調に車を流し続けて3時間くらいたった時に、おしっこがしたくなりました。

僕はその時に気付いたのです。

交代の人がいないから、おしっこへ行けないと。

僕はおしっこを我慢しながら、ピッ!ピッ!と笛を鳴らし誘導棒をブン回していました。

しかし我慢も限界にきて、車の流れが止まった瞬間にトランシーバーで

『川田さん、すいません!おしっこ一瞬で終わらせてきます!』

と言って、ダッシュで公衆トイレへ入りました。

早く済ませて戻らないと、大事故になるかもしれない。

その時のおしっこの勢いは、自己最高記録だと思います。

おしっこをしている時に、胸ポケットに入れていた笛がポロッと落ちました。

紐の長さがちょうど股間の位置でした。

笛におしっこが、ビチョビチョビチョーーとかかったのです。

おしっこを止めてる暇などありませんでした。

急いで済ませて元の位置へダッシュで戻り、幸いその間に車は来ませんでした。

僕はまた、ピッ!ピッ!と笛を鳴らし誘導棒をブン回しました。

笛が、しょっぱかったです。
















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