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スカイツリーのある風景


仕事で墨田区に行った。
久しぶりにどーん!と大きなスカイツリーがあって、おおっ!と嬉しい気持ちになった。

生まれが墨田区よりの下町だったので、学生時代は街の景色にスカイツリーがあるのが当たり前だった。
完成形ではなくて、長いこと建設をしていたからイメージは常に工事中のスカイツリーだ。
当時タワーが出来るぞ、と聞いた時、なんでまたこんな何も無い街に?と周りは皆思っていたとおもう。
少しずつ少しずつ、高さを増していく塔と一緒に育った世代だった。


大学生時代に本当に短期間だけ、菊川にある会社で事務のアルバイトをしたことがある。
ビルの高い階にある会社で、休憩室の窓には凄く近い距離にスカイツリーがあった。
当時学生のアルバイトはほぼ皆無で(パートのおばさまがほとんどだった)、周りと会話をほぼせず仕事をして帰る、という感じだった。

一度だけ休憩室でぼんやりお茶を飲んでいた時、知らないパートさんから

「あの塔ずっと建ててるけど、そろそろ完成しそうね」

と声を掛けてもらったことがある。

「もうすぐですね」
「もうすぐね」


お互いに同じものを、同じスピード感で見ている共有感は強かった。
あの土地であの時代に暮らしていなければ、感じない郷愁だろう。


今度地元に帰ったら、近くまで見に行こうかな。




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