【映画】溺れるナイフ

縁あってオタ話をしたおともだちに
見てないなら早急に見て、と言われた溺れるナイフ

話題になってたのは記憶にあって当時も知っていたし、なのだけど

わたしはあまのじゃくというか
話題になり過ぎてると若干入り込むのを躊躇う

特に
恋愛映画はちょっとくすぐったくて
いつもなんだかんだ選ばない

でも、
わかった!みる!早急に!

と答えていたし
たまには恋愛映画もいいかなと思って。



わたしは
好きとか愛とかそういう気持ちについて
考えることが嫌いじゃない。


というのも
リアルな世界で
何かを限界まで苦しむまで愛したことがない。

命をかけてまで守りたいものにあったことがない。

ずっとどうしたらそんな愛の気持ちを知れるのか、と、探してるゆえ、考える。


お話のあらすじはなんも知らなかった。
こんなにも苦しい物語だったのか、と抜け出せないでいる。

キラキラは一ミリもしていなくて、残酷、切ない。
感覚的には、誰も幸せになってない。

だからこそゆえ、人気だったのかもしれない、と思った。


メインで出てくるのは、四人。


自分の気持ちに自覚があっても、不器用で
律して相手の幸せを望むもの

自分の感情に素直で
愛を求めて一途なもの

相手に想い人がいることを知っても
ただただ想う人に笑顔でいてほしいもの

声にも態度にも出さず
密かに思い続けるもの


どれがきれい、とか、ただしい、とかではなく
どれも切なく美しかった。



以後、ネタバレ含みます。


おはなしのあらすじは、

モデルをやっていた15歳の少女・夏芽(小松菜奈)が田舎の町に引っ越し、そこで神主一族の息子・航一郎(菅田将暉)と出会い惹かれあいます。

しかし、町の祭りの夜、夏芽は強姦され航一郎の助けも間に合わず、夏芽は心を閉ざし二人は距離を置くことになりました。

そして、航一郎に関係を断たれた夏芽をずっと想い続けていた同級生・大友(重岡大毅)は夏芽のそばにいることを選びます。

その後、夏芽は映画の出演オファーを受けるが、その作品にはレイプされるシーンがあり、出演を断ることに。そのことを偶然山の中で出会うことになった航一郎に話し、航一郎と一緒にいたいと伝える夏芽でしたが、航一郎は夏芽に芸能活動に戻ることを勧められ、もう会わないと言われてしまいます。

そして、翌年の祭りの日。夏芽はまた男に強姦され、航一郎とカナ(上白石萌音)が助けに来るも、男はナイフで自分の首を切って死んでしまいました。航一郎とカナは死体を海に遺棄することにし、カナは航一郎にもう会わないで、と夏芽に告げるのでした。

その後
夏芽は女優として映画祭で受賞しました。輝かしく見える夏芽。でも、夏目の心を占めているのはずっと航一郎のことだけだった。


というものです。


せつねえ。
うう。


たしかに、惹かれあってからラストまで、夏芽も航一郎もずっとおたがいのことが頭の中を占めていて、離れ離れになる選択をしたあともお互いを一番の心のよりどころにしているのは、素敵でこれをハッピーエンド、とすることも、できるけど、それも素敵だけど、

やっぱ、せつねえー。


そして、なにより切ないのは大友です。

最初っから、最後まで、ずっと、いいひと。

いいひと、というか
ずっとやさしい眼差しで、夏芽をみている。

それにしても、夏芽。

別れを切り出すとき
「嫌いになって」なんて涙目でいわないでよー

そりゃ、「だいすきだ」って叫ぶさ。

ずっと変わらぬ、そのやさしさが壊れた瞬間はここだけだった。

そしてそのあと、夏芽の涙が止まらなくて。

「わらってや、わらえよ…」
と零して。

なにそれ、しんど、となりました。


付き合う、となったときも
「俺が笑わせたる」
なんて言ってて

ほんとうは、好きになってもらいたいだろうし
でも、すきなひとに忘れられない想い人がいるのも気付いてるのに
ふたりの仲には入れない、っていってるのに

夏芽の目には入らないところで、好きがずっとあふれてるのに。
夏芽の前では、冷静を装う。頑張らせて、って。

だって、眉毛、整えるんだよ、、、
かわいい。かわいい。

それでも、最初から最後までずっと大友は
笑顔でいてほしい、というスタンスで。




最初に書いたように愛について考えるのが好きなのですが
最近、わたしのなかではひとつ、明確に考えが変わったことがあって。

好き、なら、好きで、いいのではないか

ということ。


いや、当たり前のことを言ってるのですが

恋愛、とか、考えてしまうと、
返ってきてほしくなってしまうけど

好きなら好きでいいのではないか、と思うようになりました


恋愛に求めてるものが何か、ということなのだろうけど
別に両思いになることがすべてではないし
好きとか愛とかがすべて恋愛ではないと思っていて

たぶん私が恋愛というもの、に求めているものは
だれかに好きになってもらう、ことではなくて
自分がそのひとを好きでいる、ことであって、
それで満たされるみたいです。


とはいえ、
たまにはこっちを向いてほしいだろうし
せつないんだろうな、思うんだけど

好きでいることでもらえるものって多分多くて

だから、好きな人に好きな人がいても
好きでい続ける
ただ笑顔でいてほしい、できればそれを見ていたい

そんな大友がわたしにはぶっささりだった。





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