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私の🍑桃太郎 4

 942文字

  餌の中で雀が陣地奪い合い、桜の枝は冬枯れしたのかしら ? 花の芽はまだまだしっかりと、ガッツリお布団身体に巻き付け、おはようございますと言う挨拶は何時になる事やら。
   
      🍑🍑🍑🍑

 我々ではあちらの親御様には挨拶など出来る筈もない、姿形を見ただけで何処にも人が居なくなる。
 逃げ足は我々よりも早い、蜘蛛の子散らすように見えなくなる。
 人間様は桃太郎殿しかいない、と言う結論になりこの通りお願いします。

 百人位の色鮮やかな鬼達が、一斉に膝をつき頭を地面に付けてお願いをされてしまったのです。
 
 桃太郎の頭の中は真っ白、嫌だ嫌だする訳にもいきません、心良く仕方なく笑顔で「わかりました」と言いました。

 フッ と気がつくとタヌキもネズミもニワトリさえも、何処にも見当たりません、つくづく犬、サル、キジが~と思いましたが・・・ヤメヤメ。
 
 親後様との話し合いは難航の極み、押したり引いたり、そこは鬼様達の宝物が役にたちました。

 但し、鬼のお嫁さんになると言う事は、口が裂けても言うべからずだったのです。
 
 桃太郎は海の上を歩けるようになり、タヌキは夫婦の喧嘩に貢献するので是非是非、鬼ヶ島に居て欲しい、ネズミは、此処鬼ヶ島にはお医者様が居ないので留まって頂けると本当に助かります、と言うではありませんか。
 ニワトリ様の朝の歌声には聞き惚れてしまいます、鬼ヶ島は光の中に居るような幸せに包まれております、ニワトリ様がお嫌でなければ我が鬼ヶ島に朝の幸せを、と、申します。
 タヌキ、ネズミ、ニワトリはまんざらでも無い様子、二匹と一羽の意思を尊重する事にしました。
 
 桃太郎はお爺さんとお婆さんの所へ帰る事になりました。

 木の実を手の平に、千年万年両手を広げて、心地よい風を起こし、安らぎの香りで幸せを運んで来る、桃太郎お前様の幸せの香りも鬼が島まで伝えてくれる、丈夫で優しい木になるから、と手渡されました。
 そして、鬼がまったく見えなくなる沢山の美味しそうなお菓子をもらいました。
 このお菓子、桃太郎だけは食べませんでしたが、全ての人が食べたので、その末裔の私達は鬼が見えなくなったとさ。

     終わり

  ここまで読んで頂きありがとうございました。
 

 
 
 
 
 
 

 

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