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神易鑑定 坤為地(こんいち)

神易というのは自然界に答えあり!の如く、漢字の形や卦象によって読み解くことができるものですので自然界をよ~く観察すれば誰でも解き方を理解するのができる占いです。
今日は「坤為地(こんいち)」の卦象についてのお話をします。

この卦はどこをどう見ても全てが「陰」を表しているのです。大陰ということになりますので、古神道の数霊で例えるなら「二」の数霊意味と共通するものと解きます。

陰性極まるものですので「柔弱」を表し、エネルギーは女性的で、夫を影で支えしなやかで柔順さを発揮するという、よくできる母親約のような性質があります。それ故たくさんの人に安心感を与え、人から好かれる要素を持ち、他者からお引き立てを得ることができるので人徳をもっているのものです。
ですから強い男性エネルギーや個性際立つタイプの人であっても、ぶつかることなく自然体で共にいられるという特徴を持っています。

合気道でも柔弱なタイプであっても勝てるものです。剛強な相手だとしたら掛ける技のやり方は違ってきます。力をもって相手を倒すことは困難ですが、柔弱さを生かすのならばまず己の力を捨てるのです。
力を使い相手を動かそうとしても無理があります。そこで相手が先に力をかけてきたらそれを利用するのです。力に捉われずにサッと自分の力を0にします。すると相手は自分のかけた力で宇宙の法則通りに自然と倒れてしまうということになります。ですから一旦相手の行きたい方向に行かせてあげるが、最後には相手を参った!という状態をつくり出すことになります。争いやぶつかり合いなどせずに、参った!のセリフを言わせてしまうような戦略ができるのですから弱い力を持っている卦ですが大どんでん返しの意味を持っています。

この卦の直訳としては『地の勢は坤なり。君子以って徳を厚くし物を載せる。』です。

「大地」の意味を持つこの卦は土をよく観察します。地の上に地が重なり、そのまた上にも地があり・・・・と何重にも層になって重なり、極めて厚みある状態のイメージは山となります。そこから『神ならどうする?』ということを考え日常生活に落とし込みますと、
いいも悪いも判断すらせずに、ジャッジせず、細かいものも大きなものもすべてひっくるめて全部抱えながらすべてを包みこむという状態。と解きます。
うん!これはまさに山岳ですね。

山の大地は水の流れも漏らすことなく全て活用します。水も動植物や鉱物などあらゆるものをどんどん上に載せているという状態です。

地は時とともに断絶を繰り返しながらも層をつくり積み重ね、高低を繰り返しながら山はそばだち、川は止まることなく流れていて、それでいて平穏な状態を保つことができる。

目の前の事柄に例えれば、何に対しても常に柔順に一切のものを受け入れることができる状態を表しているので、まさに肝が据わった母親のもつ愛そのものなのでしょう~

想定外の何かの事態が起こったとしても、自分と意見が違うと感じていても、なるほどそう考えることもあるものなのだね。そうなのかと快く聞いて受容することをするべき卦となるのです。

「坤」の象は陰爻の象で柔弱を表してはいますが、この「坤為地」の卦象は同じものが二つ重なっているので、小成卦が二つ重なると大成卦に転じるという意ですから、一見弱いようですが、何らかのタイミングで逆転成功するという、真逆の「剛強」という意味に転じることもあります。

また同じ卦が二つ重なるので「厚」の象は陰爻を重ねている厚みの形から解いてみると、やさしく、柔順で穏やかなので弱いキャラクターに見えますが、その内部は薄っぺらなタイプではないことを表しています。
高い山となるのは、土台となるたくさんの自然界のものがあります。山には宇宙のエネルギーが降り注がれるアンテナ的な要素があるので、人は山に登ると気持ちがいいものです。体力は使いますが、なぜか心が癒され、自然界から恩恵が身体に入るので、返って元気になることができます。

ひとつひとつが切れ切れになっていることを表す卦からは、「物の数が多い」ことと読み取れるので、これを多く人が集まっている状態や周りの人たちが寄り合い助けられ、恵まれる徳を示唆しています。また、小さな日々の努力などが自然に積み重なり、結果美しさを増すという意味もあります。

この卦象は陰ばかりですので暗い性格なのではないかと心配しますが、そういったことではありません。自分の才能は洞穴の奥深くに仕舞い込んでいて、なかなか表に出てこないようなところがあるように思えますが、真ん中は相手いますので、他人に対しても聞く耳をもつのでカウンセラー的な要素を兼ね備えていてそこも一つの大きな才能ですね。

そういう人の周りには個性の強烈な人が寄ってくるもので、相手がぶつかってきたとしても逆らわずに流れに乗ります。強いタイプの人とも上手に争うことなくお互いに補い合える関係性が保てる性質です。
我を通そうと頑張ってみても、返って心が傷つき疲れてしまうことになるので、最初から無駄を省きたいものです。

大地のように、いつも母親のような構えで、自分の神性を放出していれば吉となり、
それに反することをしたならば凶となることを暗示している卦象となっています。取り仕切って強気な発言をする人に憧れるかもしれませんが、自分のお役と違います。
母親役のようになるというのはなかなか大変なものですが、
自分でどうこうするというよりか、土の下の支えこそが大事となるので、控えめにしていても周り人たちから愛され人生を送ることができるという状態となりますので、それを心に止めてください。

日暈 鸞

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