「かざもドラフト」入門書

今回は、自分が作成したキューブドラフト「かざもドラフト」について解説した記事を書くことにした。

以下のような段取りを予定している。
1.そもそもキューブドラフトとは?
2.かざもドラフトの基本的ルール(通常の対戦と違うところも)
3.ピックの指針
4.各タイプの特徴(炎水雷闘超鋼)

1.そもそもキューブドラフトとは?

まずはドラフトという言葉について説明しよう。ドラフトとは、複数人でたくさんのものを取り合うとき、一人ずつ順番に指名して採っていく形式のことである。
つまり、カードゲームにおけるドラフトとは、決められたカードプールの中から欲しいカードを順番に取り合いながらデッキを作っていく楽しみ方のことなのだ。

通常のドラフトの手順は以下のようになる。
複数人で卓を囲んだ状態で、基本的には「一人あたり10~15枚程度の束」が配られ、1枚取って隣の人に渡し、渡したのと逆側の隣の人から束を受け取り、また1枚取って隣に渡し…ということを束が尽きるまで繰り返してデッキのパーツを揃えていく。この「10~15枚程度の束」というのが、ブースタードラフトならば開封したブースターパックのことを指すし、キューブドラフトならばその束を毎回手作りすることになるのだ。

すなわち、キューブドラフトとは、たくさん(数百枚)のカードプールをあらかじめ用意し、ランダムにパック(先述した「10~15枚程度の束」のことだ)をたくさん作って開封し、欲しいカードをドラフトしてデッキを組み、バトルする!という遊び方のことだ。

このドラフトという遊び方、毎回一から構築を組むので通常の構築戦とは似て非なるベクトルのセンスも要求されるのだが、実際やってみると発見の多いこと多いこと。限られたカードプールの中でデッキを組んで戦うことで、今まで気づかなかったカード同士のシナジーを発見することも珍しくない。


2.かざもドラフトの基本的ルール

僕がキューブドラフトを作ろうと思ったきっかけというのがるんるさんの「るんるドラフト」に参加させてもらったことなので、るんるドラフトのルールを踏襲させていただいている部分が多い。

①全カードプールは540枚。現在ポケモンとトレーナーズ+エネルギーが半々くらい。
→ちなみにスリーブはKMCの一番安いインナー+ハイパーマット。


②1パックあたり15枚で、参加人数×6パック作成する。
→6周はしたい。540枚のカードでは36パックまでしか作れないので、基本的には最大で6人までということになる。
ただし、正直9人くらいまでならいけないこともない。7人なら5周、8,9人なら4周なのでデッキのクオリティは相当落ちるが…


③上記の配分で一人あたり90枚のカードを獲得でき、その中から40枚以上のデッキを組む。
→40枚より多くても構わない。いつも参加者のアベレージは50枚くらいで、70枚以上のデッキを組んだ猛者もいた。
基本エネルギーもカードプールの中に含まれているので、公式のシールド戦のように追加で足すことはできない。


④特殊ルール:獲得したカードの範囲でなら、デッキ内に5枚以上の同名カードを入れてもよく、「ACE SPEC」のカードを合計何枚入れてもよい。
→例えばケロマツを5枚獲得したなら5枚ともデッキに入れることができる。
→構築における枚数制限のルールがなくなったものだと考えていただければよい。


⑤サイドは4枚戦である。
→デッキ40~60枚でポケモンのほとんどが非EXGXの進化ポケモンのため、サイド6枚にすると終盤グダっちゃうパターンが想定されるため。


⑥特殊ルール:手札にある「ポケモンのカード」を自身のタイプと同じタイプの基本エネルギー扱いとして自分の場のポケモンに付けることができる。
→ポケモンを手貼りできるというルール。ただし、「溶接工」などの「手札からエネルギーをつける」というトレーナーや特性、ワザの効果でもポケモンをつけることができる。
→「ポケモンがエネルギーの代わりになる」という訳ではない。例えば「はかせのてがみ」でポケモンを持ってきたり、「鍛冶屋」でトラッシュの炎ポケモンをつけたり、ゲッコウガの特性「みずしゅりけん」で手札の水ポケモンをトラッシュすることはできない。あくまで、「手札からつける」場合にのみ適用される効果だ。
→逆に言うと、基本エネルギーの有用性は基本エネルギーのサーチカードや基本エネルギーを利用するカードに対応していることである。
→ついている「元・ポケモンのカード」は基本エネルギーとしてはたらく。「学習装置」や「ねがいのバトン」でつけかえることもできる。
→ドラゴンタイプの基本エネルギーは、「ドラゴンタイプのポケモンについている限りすべてのタイプのエネルギー1個分としてはたらく。それ以外は無色1個分としてはたらく。」というルールを持つものとする。


⑦特殊ルール:Lv.Xへの「レベルアップ」は通常バトル場でしか行えないが、かざもドラフトにおいてはベンチでもできる。
→この「バトル場でしかレベルアップできない」ルールを知らず困惑した参加者が何人もいたため配慮した。
→実質的なBREAK進化と考えていただければよい。
→レベルアップ時に相手をどく・マヒにできる《グライオンLV.X》などはこのルールの影響でかなり強くなった。


⑧特殊ルール:ポケパワー、ポケボディーはすべて一括して「特性」として扱う。
→「オカルトマニア」やゲッコウガのワザ「かげぬい」でポケパワーやポケボディーも無効化される。
→Lv.Xは「特性」を引き継ぐ。
→「ポケボディーを持つ相手のポケモン全員に20ダメージ」というマイナンのワザがあるが、特性やポケパワーを持つポケモンにもダメージが与えられるものとする。


⑨やけどの処理や先手後手を決めるタイミングなど、時代によって変わってきたルールはすべて最新のルールに則るものとする。
→先行1ターン目はサポートが使えない代わりにワザを使うことができるような時代もあった。そんな時代のカードも本ドラフトには入っている。


以上がかざもドラフトの基本的なルールである。

ちょっと面食らったかもしれないが、大抵は簡略化のために施したルールであるためか、参加者のほとんどはすぐに慣れてくれた。

3.ピックの指針

ピックの段階では、デッキに必要なカードを集める必要があるが、その基本要素は構築戦と大して変わらない。

①アタッカーとなるポケモンと、補助に回ることができるポケモンを好きなように入れよう。そのために、思い描いているデッキの進化前、進化後のカードは集めておこう。2~3タイプ取っておいて、うまくピックできた1~2タイプをデッキに採用するのがオススメだ。

②サポートの枚数は吟味しよう。大体デッキの20~25%程度がオススメ。またそれだけの枚数サポートをデッキに入れられるよう、欲しいカードがないときはサポートをピックしておこう。

③グッズやスタジアムは取れれば取れるほどデッキが強くなると言っていいだろう。特にポケモンを山札からもってくるボール系のカードは何枚かおさえておこう。

④ポケモンがエネルギーになるルールで、どんどんポケモンのカードを消費するため、《レスキュータンカ》などのポケモンを回収するカードは1枚は取っておきたい。

⑤《ゴージャスボール》《パソコン通信》《バトルサーチャー》などはデッキを選ばず強力なので、見たら取る!ってくらいでもいいかも。


4.各タイプの特徴

大抵はタイプを揃えて構築した方が強いと言われているので、タイプごとの利点や欠点を整理しておこう。
なお、5/20時点のカードリストは以下のURLから確認することができる。
https://t.co/DHjLIqiHiY


炎タイプ:エンニュート、カエンジシ、キュウコン、シャンデラ(超複合)

全体的に見て、基本火力(状況を選ばない打点数値)が高く、ガンガン押していけるのが魅力。代わりに自身のエネルギーをトラッシュしなければならないワザが多いのが欠点で、エネルギー加速がないと動きがモッサリしがち。
鍛冶屋と溶接工が強力で、これらやこれらを再利用できる《バトルサーチャー》や《ともだちてちょう》をピックできるか否かでデッキパワーがだいぶ変わってくる。同じ卓で炎タイプが競合しているなら諦めて別タイプに手を伸ばすのも手。


水:エンペルト、ゲッコウガ、ゴルダック

ワザ・特性の封印やダメカンばらまきなど、変則的な攻め方をすることができるタイプ。できることが多いので他のタイプと組み合わせやすいが、逆に水単タイプだとどうしてもカードが足りなくなってしまうことが多い印象がある。
中でも《エンペルト(ダイビングドロー)》《ゲッコウガ(みずしゅりけん)》《ゲッコウガ(かげぬい)》の3枚は強力なパワーカードで、これらのカードをしっかりピックできれば水単での構築も可能。


雷:レントラー、デンリュウ、ゼブライカ、プラスル&マイナン

水タイプと似ていて変則的な攻めができる。《ゼブライカ(はやがけ)》やプラスル&マイナンによりデッキが安定するのは明確な強みだといえる。
雷タイプも他のタイプと組み合わせるのが得意で、デンリュウやレントラーのワザに「このポケモンについている雷エネルギーをすべてトラッシュし、~」というテキストがあるが、雷タイプでないエネルギーはトラッシュしなくてもよいため別タイプのエネルギーをつけておくことでワザを連打できるのは特筆すべき点である。
《プラスル(タッグブースト)》の1エネ60ダメージはたねポケモンを倒しにいけたり足りない打点をきっちりカバーできたりと結構強い。


超:シャンデラ(炎複合)、ヨノワール、クロバット、クレセリア、ドクロッグ(闘複合)

条件を満たせば高いリターンが得られるポケモンが多く、テクニカルなデッキを組むことができる。
ポケモンの全体枚数が多いのも特徴で、単タイプでうまくまとめることができることも多い。
ドクロッグは「むねんをはらす」×2と「リベンジ」×1のみがあり、味方がきぜつした次のターンに省エネ大火力でカウンターできる面白いポケモンだ。


闘:ドクロッグ(超複合)、ドンファン、グライオン、ガブリアス(水複合)、オノノクス(鋼複合)

バトルポケモンにプレッシャーをかけられるポケモンが多く、相手にしていて厄介なタイプである。
竜タイプで特殊なデッキを組むことが要求されるガブリアスとオノノクスを除けば全体数こそ少ないが、ドンファンやグライオンのライン自体は太く、ピックで味を占めることができれば闘タイプでまとまりのあるデッキを組むことができる。


ドラゴン:ガブリアス(水闘)、オノノクス(闘鋼)

両方ともエグい火力が出せるポケモンで、きっちり進化さえできればサイドを1対多交換できるカードが多い。代わりに必要なラインをピックしたりちゃんと回るデッキを組み上げるのはやや難しい。
ガブリアスは進化前のガバイトに「かくせい」や「ドラゴンコール」を持っているものがおり、安定はしている。
《オノノクス(りゅうのまい)》はドラフトでは完全に規格外の火力を誇るカードだが、それゆえか大人気なので入れている。代わりに他のオノノクスはあんまり強くないのでバランスが取れているような気はする。


鋼:オノノクス(闘複合)、ギギギアル、メタグロス、キリキザン、ドータクン、ディアルガ

ドラフト内で最もカードの枚数が多く恵まれているのが鋼タイプ。《鋼鉄のフライパン》や《メタルゴーグル》により耐久値も高く、1匹のポケモンでじわじわ粘りながらサイドを詰めていくことができる。サポートも充実しているが、代わりにアタッカーとなるポケモンは少数で、必要なカードをしっかりピックできなければ攻め手に欠けたデッキになってしまう。
《メタグロス(Θダブル)》は古代能力によりポケモンのどうぐを2枚までつけることができ、耐久しながら「マシンガンスタンプ」でプレッシャーをかけることができる。
《キリキザン(いってんづき)》もかなり強く、相手の攻撃を一発耐えてから《ハギ老人の思いやり》や《アセロラ》、《ポケモンセンターのお姉さん》などで120打点を連打する動きはかなりエグい。

5.最後に

以上が、かざもドラフトの紹介である。

キューブドラフトを作ろうとしている人や、かざもドラフトをプレイしてみたい人の参考になれば幸いである。

プレイしてみたい人がいればお気軽に声をかけていただきたい。

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