かまたゆう@ショートエッセイ

【文学フリマ東京38にも出店します(24年5月)】   生活に関するショートエッセイを…

かまたゆう@ショートエッセイ

【文学フリマ東京38にも出店します(24年5月)】   生活に関するショートエッセイを書いています Booth:https://800jinoseikatsu.booth.pm

マガジン

  • 欲望ごはん

    ごはんに関する短いエッセイ。 食べる楽しみ、しみじみ思い出すこと、帰りたくなる実家。 読めば誰かに会いたくなる400字。

  • いつもの生活

    800字程度〜2000字ほどのショートエッセイ。 心の内側の覚えておきたい宝物のような瞬間を書いています。 誰かの心の内側に共鳴できますように。

  • 詩なるものたち

    日々の一瞬の備忘録。 これが詩なのか 短歌と呼べるのか ただの言葉の集まりなのか とかは個人の判断にお任せします。 そんな 詩なるものたち。

最近の記事

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我が家の食卓

一緒に住み始めた当初、彼に 「俺は毎日牛丼でも生きていける、それくらい食にこだわりがない。」 そう言われて、一緒に住んでいけるだろうかと不安になった。 その言葉は私が毎日ご飯をつくるのをねぎらう、彼なりの優しさだったのだが、 「え、じゃあ私の作るご飯ってなんなの?」 という密やかな不信感も私に植え付けた。 一緒に住み始めてすぐということもあって、 彼にはおいしくて健康なものをお腹いっぱい食べて欲しいという気持ちで わくわくしていた。 自分でも乙女心というのは本当に難しい

    • 「服が好き」と言えなかった。

      旅行先の鹿児島で、服を見たいと思っている、わたし。 その店は、東京にもある店なのに心惹かれる。 苦手な飛行機にまで乗ってやってきて、たどり着く先が全国展開している服屋というのは面白い。もし誰かと一緒に来ていたら、「いつでもいけるじゃん」とか、自分でも言ってしまいそうな選択で、意外であった。 先ほどトゥモローランドで見た鮮やかな水色のカーデガン。あれを着てみたいという欲望。 その横にあった男物のスタンドカラーのコートも彼に似合う気がしてくる。 * 服が好き、は自覚がなか

      • 「みんなと食べるとおいしい」けれど

        今日は夫が、高校時代の野球部で年初めの野球に出かけており、朝から1人だった。 正月も3日目だったので、昨日の続きでだらんとしていたのだが、生理前の胃袋が疼いて仕方がなく、なんだか落ち着かない。 正月は実家に帰ったり、彼の実家にも挨拶に行って連日ご馳走であった落差も相まって、お腹が加速度的に空いていくような気がする。 そんな状況で、YouTubeで生エビをそのまま食らい、殻と頭でスンドゥブを作る動画を見た瞬間に、考えられることはエビのみであった。 すでに頭の中ではエビが踊り狂

        • ホテルのベット、掛け布団が敷布団の下に折り込まれてるのを引き出して使うと夫が教えてくれました。いつもお年玉袋にお金入れるみたいな容量で寝ていました。 ちなみに夫は、ワンデーコンタクトが分割できる(点線で簡単に割れる)と知らずにハサミで切っていた人です。

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        マガジン

        • 欲望ごはん
          6本
        • いつもの生活
          6本
        • 詩なるものたち
          4本

        記事

          5年日記を買ってみたけれども、全く続かないのでこちらで日記を書いてみようと思います。

          5年日記を買ってみたけれども、全く続かないのでこちらで日記を書いてみようと思います。

          鹿児島旅行記① 〜知覧特攻隊平和会館〜

          鹿児島に行きたかったのは、知覧に行ってみたかったから。 知覧の、特攻平和会館に。 小学生の頃に特攻の映像をテレビだったか映像の世紀だったかで見たのが始まりで高校生頃で知覧の平和会館の存在を知った。 それ以来、ずっと気になっていた場所だ。 戦争資料館には足を運んでいる方だと思うが、 歴女ってわけではないと思う。 私のとっての歴史は、「まあまあ好き」の域を出ない。 高校生で文理選択をするときに、 化学や物理よりは歴史の方が「まあまあ好き」なので文系を選んだくらいの話であるし、な

          鹿児島旅行記① 〜知覧特攻隊平和会館〜

          欲望ごはん#6〜煮込みうどん〜

          うどんたべてえ!という欲望にかられて、 帰路から少し離れたスーパーにネギを買いに。 どんなにめんどうでも、ネギが入っていないうどんは許せない。 駅近くの小型スーパーをのぞいてみたが、ネギがなく、少し離れたショッピングモールの一画にある野菜屋へ。八百屋というより、「野菜屋」ってかんじだ。 駅前の小型スーパーでは、ネギがないスーパーなんてありえる?ともやっとしたが、まあ夕方だったのできっと売れてしまったのだろう。ネギは冬に欠かせない食材だもんね。 野菜屋に、残り五本となった

          欲望ごはん#6〜煮込みうどん〜

          ラップの中身は

          旦那は、ハンバーグが好きだ。 今日の夕飯のリクエストを聞くと、7割くらいの確率で 「ハンバーグ」と言う気がする。 一方の私はというと、 ハンバーグはまあ普通くらいに好きで、 ハンバーグを作るのは嫌いである。 ・牛豚合いびき肉をこねこねするのは手が冷たい。 ・こね終わったあとに手が油まみれになって、洗っても洗っても取れないのが嫌。 ・分量通り作っているはずなのに、なぜか私のハンバーグはつなぎが緩くて原型をとどめない。 だから、7割くらいの確率でリクエストされたとて、 私が

          ドラム式洗濯機が入らなくても

          もう買う気も買う気だったのに、打ち砕かれた。1cmの壁。 ドラム式洗濯機がでかいのも、うちの壁がギリギリなのも、 ぜーんぶ知ってたんだけど、なんだかんだ入るだろうな〜なんて能天気に構えていた。 処方箋は 「引っ越すか」 「ドラム式洗濯機が一回り小さくなるのを待つか」。 話を聞くところによると、ドラム式洗濯機は年々小型化してるらしい。 そんなのあんまりだよと思ったけれども、 搬入の下見に来た業者の人 「すんなり『ドラム置けます』って言える家の方が少ないのでね」 とガハハと

          ドラム式洗濯機が入らなくても

          遅ればせながら、文学フリマ東京、ありがとうございました。 優しい言葉をかけていただいたり、同じ熱量を持つ方々と出展できて幸せでした! (ついでに売上部数も過去最高でした。ご購入いただいた方々ありがとうございました) 次回も出展予定です!新刊携えて出展する予定です〜

          遅ればせながら、文学フリマ東京、ありがとうございました。 優しい言葉をかけていただいたり、同じ熱量を持つ方々と出展できて幸せでした! (ついでに売上部数も過去最高でした。ご購入いただいた方々ありがとうございました) 次回も出展予定です!新刊携えて出展する予定です〜

          文学フリマ東京37に出店します。【E-16】

          文学フリマ東京37に出店します! 既刊とはなりますが、 本2冊をメインとして販売します。 (新刊間に合いませんでしたが•••まだ本に入れてない短編をフリーペーパーで配ろうと思っています!) 販売作品詳細 今回、新刊はございませんが、 差し支えなければぜひ以前買っていただいた方も感想教えてください••• (めちゃくちゃ励みになります) では、11月11日、流通センターにてよろしくお願いいたします!

          文学フリマ東京37に出店します。【E-16】

          詩なるものたち #4

          指輪裏の石の意味を聞いたまま 説いて聞かせる我の願掛け 願掛けを信じぬ君を信じようと 指輪の裏に名前のみ掘る 幸せなど誰かに決められてたまるかと 思う手のひら星座占い / これが詩なのか 短歌と呼べるのか ただの言葉の集まりなのか とかは個人の判断にお任せします。 そんな 詩なるものたち。

          詩なるものたち #3

          祖母の文字に似たり 羊羹のふたもじ 宿す不在票を捨てられずにいる 運転席に チップスターをやるたのしさ 富良野への一本道 あの人との 恋路もどこかにあったものかと 過去を燻らす 化粧台のきみ / これが詩なのか 短歌と呼べるのか ただの言葉の集まりなのか とかは個人の判断にお任せします。 そんな 詩なるものたち。

          詩なるものたち #2

          光るのは 君の振り撒く後ろ髪 冷たき塩素をまとうなどして 祖母や命名するは君の湯呑み 父と同じ唐草模様 箸は左手 肘ぶつけ合い 2倍楽しいカウンター席 / これが詩なのか 短歌と呼べるのか ただの言葉の集まりなのか とかは個人の判断にお任せします。 そんな 詩なるものたち。

          詩なるものたち #1

          イケアの電球のもと ばらけるゴッホの星月夜 四隅を探す はんぶんの夜 無数の紙を前に 生きていていい気がする 銀座伊東屋 シャウエッセンのホットドッグ 大事に包む君の指先 エスオーエス 言えぬ届かぬ 二十八 たっぷり化粧水を塗る金曜日 リクエストはハンバーグ 祖母のキャベツの千切りが 思い出される まな板の上 / 小学校?中学校で 詩の句形とか、何音とか、 字足らずとか字余りとか習ったけど、 正直そんなのは全くわからないので これが詩なのか 短歌と呼べるのか た

          ごきげんファッション

          ハイブランド店やコスメカウンターに入れない自分に笑ってしまう。 ブランド品や、デパートに売ってるコスメ、すなわちデパコスが特別好きなわけではないけど、 流行りのコスメは持ってたら自分がアップデートできる気もして、試みてはみるものの。 コスメカウンターには、欲しいもの、もしくは要件が決まっている時しか入れない。 「欲しいものはこれだけなので、買ったら帰ります」そんな退路を確保して、一呼吸置いてから。 「化粧品と靴は、実際に手に取って買いなさい」 祖母に何度も何度も言われた