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〈バスケバナシ〉 2-2 Bリーグに対する期待

■ 長い混迷の末にできたBリーグ
元々は実業団スポーツであった日本のバスケットボール。サッカーのプロ化(Jリーグ)とほぼ時を同じくして1990年代からプロリーグ化は検討されていました。90年代後半にはプロ契約選手も生まれ、2001年にはプロ化を睨んだ「JBLスーパーリーグ」が始まりました。しかし一向にプロ化の話は進まなかったことから、一部のチームが脱退し独自にプロ化を目指すこととなります。そうして2005年に生まれたのが「bjリーグ」です。JBLスーパーリーグは2007年に「JBL」、2013年には「NBL」と名称を変えプロ化を検討しつつも結局実施には至りません。結果分裂した状況が続き、FIBAからの「1国1リーグが望ましい。」という再三の注意にも応えることができず、混乱と低迷も相まって、ついに2014年にFIBAの会員資格無期限停止処分という制裁を与えられてしまいます。それを機に川淵さんを筆頭とした元サッカー界、野球界の方達が中心になって統合化を断行、そうしてできたのが「Bリーグ」です。

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■ 実力、競技志向のNBL、エンタメで活路を見出そうとしたbjリーグ。
アメリカのNBAが優れているのは、競技性の高さの他に会場であるアリーナや試合中の演出、試合展開を面白くするためのルール設計などそのエンターテイメント性にもあって、まさに競技とエンタメがバランス良くどちらも優れています。

日本の実業団NBLは競技志向のリーグでした。企業スポーツなので給料が安定して高く、大学以降も日本でバスケを続けるのであれば一番目の選択肢になるのがNBLだったので、日本では一番レベルの高い選手が集まっていました。しかしリーグにもチームにもファンを大事にする感覚はほぼなく、試合会場にも選手の家族や関係者、企業の従業員が少し応援に来る程度、そのエンタメ性はゼロ、むしろチームによってはマイナスだった(エンタメ性を嫌っていた)といっても過言ではありませんでした。

一方、bjリーグはプロリーグですからファンや地域を大事に、NBAを見習って色々と試行錯誤を繰り返していました。しかし日本のトップ選手は基本的にNBLにいくためどうしても競技のレベルが低くなり、外国人の起用も積極的ではあったものの、やはり高い報酬が払えないこともあって競技のレベルのUPにはつながりませんでした。

■ Bリーグの設立にあたっての3つの使命
Bリーグが設立されるにあたっては以下の3つの使命が発表されました。

・世界に通用する選手やチームの輩出
・エンターテイメント性の追求
・夢のアリーナの実現

上に挙げた競技力の向上とエンターテイメント性を両方共追求していくことが明記されています。ただ、どちらもとても重要であること、両輪であることは確認できるものの、どちらがより重要か、どちらが先に来るものか敢えて定義するとすれば、前者の「とにかく日本の競技のレベルを上げる」ということだと思っています。サッカーの競技レベルの向上がサッカーの日本における文化定着を引っ張ったように、バスケットも強い国になっていく、そうしてエンタメ性も高め魅力あるリーグにしていく、そのために必要なことをやっていくという決意に改めて期待したいと思います。

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〈参考〉

B.LEAGUEの使命 - B.LEAGUEとは - B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

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