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〈バスケバナシ〉2018_VOL.04 いま知っておきたい、八村塁のやばみ

■ 1人のスーパースター八村塁。“希望”と例えられる逸材
日本バスケットボール界史上最高の逸材八村塁率いるゴンザガ大が、マウイインビテーショナルで全米最強DUKE大を下し優勝、本人もMVPを受賞しました (2018.11.22) すごすぎる!!!

スポーツをはじめとする競技の世界では、1人のスーパースターの出現がそれまでの競技のルールを変えてしまったり、その競技を一気にメジャーにしてしまったり、その国の実力を一気に強豪国に変えてしまったりすることがあります。世界的にはマイケル・ジョーダン、ベーブ・ルースやマイク・タイソン、日本でいえば野茂英雄、中田英寿、そして大谷翔平や羽生結弦、張本智和、藤井聡太などです。
同じように八村塁も日本のバスケ界を変える逸材です。いまのところそのプロセスも順調すぎるくらい順調にきています。
いまどれくらいすごいことが起こっているか、そしてこれから何が楽しみなのか、何も知らない人にもなるべく興味をもってもらえるように僭越ながら解説していきたいと思います。

■ 日本の高校からNCAA1部の強豪に進学というヤバみ
八村塁は中学まで富山で過ごした後、宮城の明成高校に進学、高校バスケ界を支配し、U17の世界大会で大会得点王を獲得するなどその名を知らぬものはいない高校バスケ界のスターになります。
大学はアメリカNCAA1部の強豪ゴンザガ大に進学。日本の高校からスカラシップと呼ばれる奨学金を得てのNCAA1部(しかも強豪)への進学はもちろん前人未到、渡邉雄太や現在NCAA1部の大学に進んでいるテーブス海も十分すごいのですが、彼らはアメリカの高校やプレップスクールである程度実力を証明してからの進学になるので日本の高校から直で入った八村はやはりヤバいです。

■ 日本人でNCAAトーナメント初出場、準優勝というヤバみ
アメリカのNCAA1部は多くのカンファレンスに分かれています。全てのチームはシーズンを通じて毎年3月に行われるNCAAトーナメント(通称マーチマッドネス)への出場を目指します。(日本でいう甲子園みたいなイベントです。)1部の大学だけで約350校がありますが、トーナメントには68チームしか出場できない非常に狭き門で、実際に渡邉雄太のジョージワシントン大は彼の在学中1度もこのトーナメントに出ることはできませんでした。
ゴンザガ大は元々このトーナメントへの出場できるくらいの強豪校、さらに八村が入学する少し前から一段と強いチームになっていて、八村が1年生の時から出場、日本人で初めてマーチマッドネスに出場し、さらにチームが準優勝します。2年生になった翌年は主力としてチームをベスト8に導きます。ゴンザガ大は強豪とはいえNCAAトーナメントで優勝したことはないので、ここ2年の記録は大学としても異例の好成績、その一翼を八村が担ってきました。

■ 強豪校のエースとなるヤバみ
2年終了時でNBAドラフトにアーリーエントリー(プロ志願届みたいなものです)することもできた八村ですが、結果もう1年ゴンザガに残る決断をし、チームのエースとなりました。アメリカは何でもランキング化するのが好きで、毎年NBAのドラフトの順位予想もされています。いま2019年のドラフト予想「draftnet」では八村は10位前後にランキングされています。

■ NBAドラフトのヤバみ
まず、NBAにドラフトで入るということのヤバさです。NBAには30チーム、各チームの登録は13人(保持は15人)です。つまり世界中に約450人しかいません。しかもそのうちのざっくり300〜350人くらいは固定席です。ですので毎年新たにNBA選手になれる(1試合でも試合にでれる人)というのは本当にわずかしかいません。そういう事情もあってNBAは毎年30チーム×2位まで、つまり60人しかドラフトされません。さらにその60人の中でとびきりの才能と実力者だけがNBAに定着していきます。

■ ドラフト上位指名のヤバみ
その多くがドラフト1巡目の前半で(ほとんどが10位以内)ピックアップされる選手です。(今風にいうと14位までの選手はロッタリーピックと言われたりします。)2巡目(31位以降)でNBAに定着する人はほとんどいないので、「あの選手は2巡目なのに大成した。」と称賛されたりとか、NBA選手の中には自分がドラフト何位で指名されたのかについてこだわる「自分はあいつよりドラフトが遅いんだぜ!(なのにすごいんだぜ)」アピールする人もけっこういます。
そんな狭き門のNBAドラフト、もちろんドラフトされることがあれば日本人で初めてです(渡邉は最近NBAのチームと2way契約(メジャーとマイナーのハイブリット契約)をし、NBAの舞台にも見事立ちましたがドラフト外です。)し、さらに10位以内の上位指名となれば泊付きの金字塔ということになるのです。

■ 今年のNCAA、DUKE大のヤバみ
話をNCAAに戻します。今年のNCAAは1つ大きく話題になっていることがあります。それはDUKE大のスーパールーキートリオ(またはデュオ)です。DUKE大はバスケ界の超名門、毎年鳴り物入りの選手が入学するのですが、今年はそんな中でも特別で、昨年の全米アメリカ高校生ESPNランキング上位1,2,3位にランクしていた全ての選手がDUKE大に入学しました。
現在のNBAのキング・レブロンを越えるかもしれないと噂されるザイオン・ウィリアムソン(背番号1)とカナダ出身でU19世界選手権MVPにも輝いたR.J・バレット(同5)、異常なシュートセンスを持つキャメロン・レディッシュ(同2)です。この3人が前述のNBA draftnetでそのまま来年のNBAドラフト1,2,3位になると予想されているくらいの逸材です。
特にウィリアムソンとバレットは怪我なく活躍が続いていて、NCAAの大学APランキングでも当然1位、下馬評をさらに上回るほど話題のチームです。

■ デューク VS ゴンザガの時が来るヤバみ
一方のゴンザガも評価が高く、全米ランキングは3位。こちらも全勝街道を続け、八村もエースとして活躍を続けてきました。
そして今回、シーズントーナメント「マウイインビテーショナル」という大会の決勝でついにこの両大学(5戦全勝同士)がぶつかることになったのです。これは3月のNCAAトーナメント本番のファイナルになってもおかしくないカードです。

■ デュークを撃破するヤバみ、そして八村はMVPというヤバみ
最後まで接戦が続いた戦いは2点差でゴンザガの勝利、そして立役者の八村がMVPを獲得しました。ゴンザガは比較的上級生が多く、経験とシステムの差で見事勝ちました。ヤバすぎます。
これで「RUI HACHIMURA」はtwitterのトレンド入りをしたらしいです。そして間違いなく評価も上げたのでいよいよNBAドラフト5位以内なんていう夢の話もますます現実味を帯びてきました。

■ マーチマッドネスまで目が離せません!
ゴンザガがマーチマッドネスに出ることも、八村がドラフトでNBAに入ることもおそらくほぼ間違いないと思います。あとはそのプロセスとクオリティを楽しみましょう。そしてウィリアムソンとバレット率いるDUKEがそれまでにどこまでチームを仕上げてくるのかも見ものです。
日本バスケの希望を堪能しましょう!頑張れ八村!

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