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「菊池事件・司法の責任を問う」 集会&YouTube配信のお知らせ

■SDGsに書かれてないから「やらなくていい」ではない

全部で17あるSDGsゴールには、私たちが解決すべき問題が「ほぼすべて」網羅されています。しかし中には、書かれていないこともあります。

たとえばゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」では、9つのターゲットが設定されています。たとえば1番目となるターゲット5.1は以下の通りです。

あらゆる場所で、すべての女性・少女に対するあらゆる形態の差別をなくす。

これに続く8つのターゲットも、すべて女性のエンパワーメントと不平等解消に関するものです。エンパワーメントは「一人ひとりが、自らの意思で決定をし、状況を変革していく力を身につけること」を意味し、ゴール5におけるキーワードになっています。

一方でゴール5には、以下のような人たちに関する記述は見当たりません。

・L(レズビアン=女性同性愛者)
・G(ゲイ=男性同性愛者)
・B(バイセクシュアル=両性愛者)
・T(トランスジェンダー)

ではSDGsで触れていないからといって、これら「LGBT」と呼ばれる性的マイノリティの人たちは無視して良いのでしょうか?

答えはもちろん「ノー」です。

SDGsはそもそもの大前提として「誰一人取り残さない(No one will be left behind)」という理念を掲げています。したがって男性だろうと女性だろうとLGBTだろうと、すべての人々へのエンパワーメントが必要なのはいうまでもありません。

国会では、性的マイノリティへの理解をうながす「LGBT法案」の成立を巡って攻防が続いています。その過程で、自民党議員からトンデもない差別発言も飛び出しています。このことについては、機会を改めて書きたいと思います。

■えん罪で無実を訴える人たちも「取り残さない」で

無実の人がやっていない事件の犯人とされる「冤罪(えんざい)」の問題も、SDGsでは触れられていません。

しかしゴール16「平和と公正をすべての人に」を突き詰めていけば、誤った捜査や不公正な裁判といった、えん罪を生む土壌にはメスを入れざるを得ないと思います。

つい先日、2017年にアメリカで死刑が執行された人の無実を示す証拠が見つかったというニュースがありました。この方は殺人の罪に問われながら、最後まで「自分はやっていない」と訴えていたといいます。

そして最近になって凶器から別人のDNAが発見され、死刑になった人は無実である可能性が高まったというのです。

無実の人が死刑にされてしまうのは決して対岸の火事でなはく、日本でも同じです。

むしろ日本の方が状況は悪いかもしれません。アメリカでは「イノセンス・プロジェクト」と呼ばれる、有志による冤罪救済活動が盛んに行われており、最新のDNA鑑定などにより死刑囚を含むたくさんの人々の無実が証明されています。

それに比べると、日本はまだまだという状況です。

前回、私はボランティアでえん罪事件の支援活動に関わっていると書きました。少しでも関心が広がることを祈って、タイトルのアイコンをにつくってみました。

題して、SDGs18番目のゴール「えん罪のない社会を実現しよう」

アイコンをウサギにしたのは、「冤」という漢字が兎(うさぎ)にカンムリをかぶせた形だからです。

■「菊池事件」院内集会のご案内

6月7日には、私も少しだけ活動をお手伝いしている「冤罪犠牲者の会」がイベントを開催します。寸前になってしまいましたが、ご案内します。

・「菊池事件 司法の責任を問う」
・2021年6月7日(月曜日)13:30〜
・衆議院第1議員会館・地下1階大会議室

〈プログラム〉
・菊地事件とは(吉野雄介弁護士)
・講演(徳田靖之弁護士・弁護団共同代表)
・原告アピール(竪山勲さん・菊地事件国家賠償請求訴訟)
・特別ゲスト:桜井昌司さん(布川事件で無罪を勝ち取ったえん罪当事者)

YouTubeでライブ配信も行いますので、ぜひご視聴ください。

リアル会場にいらっしゃる方は、下記の地図を参照ください。場所は東京・永田町の「衆議院第一議員会館」です。

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永田町なんて小学校の社会科見学(国会議事堂)でしか行ったことがないという方も多いと思いますが、コロナ感染対策を徹底した上で開催します。ご都合がよろしければぜひいらしてください。私も会場でお手伝いをしています。

■そもそも「菊池事件」とは

詳しくはイベントをご覧いただきたいのですが「菊池事件」について、ごく簡単に紹介します。

この事件は、1951年〜52年に熊本県で起きた傷害・殺人事件で、犯人とされたFさんが収容されていたハンセン病施設「菊池恵楓園」にちなんで「菊池事件」と呼ばれます。

警察・検察が主張する凶器などの証拠は矛盾だらけで、Fさんは一貫して無実を訴えました。しかし裁判所は訴えをすべて退け、1962(昭和37)年に死刑が執行されてしまいます。

またFさんはハンセン病患者とされており、この病気に対する偏見や差別に満ちた裁判が行われたことも非常に問題視されています。

そして死刑が執行されてから60年近くを経た現在も、えん罪や差別は依然として存在しています。遠い昔の出来事などと言える状況ではありません。「誰一人取り残さない」未来を実現するためにも、少しでもこの問題に関心を持っていただけると嬉しいです。

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