わにの呼吸

エッセイや小説を書いています。読んでやさしい気持ちになるものを。生物、自然成分多め。自…

わにの呼吸

エッセイや小説を書いています。読んでやさしい気持ちになるものを。生物、自然成分多め。自己紹介はこちら→ https://note.mu/82_s_breath/n/na6ac53a6becd?creator_urlname=82_s_breath

マガジン

  • 「書くこと」について

    「書くこと」について、エッセイや書評をまとめています。

  • 酔いどれシェヘラザードの小噺集 #短編小説

    何らかのアルコールを飲みながら、荒唐無稽な話をする男女の物語。 基本的に一話完結。「めでたしめでたし」で終わります。

  • 考える苔玉 #エッセイ

    エッセイの中で、「考えた」り「主張した」りしたものをまとめています。生き方、自然、本、異文化などの話が多いかと。

最近の記事

一度食べたい「人工衛星饅頭」と、いとしの「御座候」

地元グルメといえば、「ふるさとの味」「なじみの味」というイメージがある。 しかし、「なじみがない、一度も食べたことのないけれど有名な地元グルメ」というジャンルもあるように思う。食べたことがない理由が、値段なのか、希少性なのか、食わず嫌いか、ハタマタなんとなくか、それはさておき。 わたしにとって、それは「人工衛星饅頭」である。神戸の下町、兵庫・湊川の(たぶん)名物。 なんともインパクトあふれる名前だが、その正体は、「回転焼き」「大判焼き」「今川焼き」と呼ばれる食べ物の亜種であ

    • 息子と自分の「できた」を褒めようと思う

      現在5ヶ月の息子を育てています。 赤ちゃんってすごいんです。産むまで、育てるまで知らなかったけど、本当にすごい。日々、何かしら新しいことができたり、上手になっていくんです。 まさに「毎日が新しい日(Everyday is a new day)」であることを、教えてくれる存在。 最近の息子でいえば、寝返りできたり、寝返り返りできたり(こっちはまだレア)、離乳食を食べられるようになってきたり、場所みしり(知らない場所に来ると固まる)したり、歯が生えてきたり。 とにかく、「生まれ

      • コロナ禍の妊娠・出産・育児でよかったこと

        「コロナで妊娠届出が減った」というニュースが昨年末に話題になりましたね。厚生労働省によれば、2020年1~10月の妊娠届出件数は約72万7000件。前年同期より5.1%減少だそうです。 https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000709453.pdf さらに、この資料によれば、コロナとは無関係の2018、2019年の比較でも妊娠届出は3.3%減。少子化傾向は加速しているようです。 では、実際にウィズコロナの中での妊娠、出産はどう

        • note再開します。と、ご報告

          大変ごぶさたなnoteです。最後に書いた記事は、ななんと2018年1月! 楽しみにしていただいたり、ご心配いただいた方、いらっしゃいましたら本当申し訳ありません。 書けなくなった理由もあるのですが、とりあえず今回は、再開する理由を書いておきます。 それは、子どもが生まれたことです!2020年10月、かわいい息子が生まれました。 妊娠、出産、子育てという初体験づくしの中で、ときどきに感じる思いを記録に残したい、と思うようになりました。 そして、今日再開するきっかけは、イン

        一度食べたい「人工衛星饅頭」と、いとしの「御座候」

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        • 「書くこと」について
          2本
        • 酔いどれシェヘラザードの小噺集 #短編小説
          4本
        • 考える苔玉 #エッセイ
          3本

        記事

          冬のあけぼの ♯エッセイ

          写真は、初日の出、ならぬ、一月二日の日の出です。遅まきながら、あけましておめでとうございます。 川越しに見た、日の出。この空も美しいけれど、個人的には、少しだけ前の、夜明け直前の空が好きです。全体が一番赤くなるタイミング。太陽の光が、雲に写っている。 春はあけぼの、というけれど、「冬のあけぼの」も美しいと思います。澄んだ冷たい空気に、朝が映える。 真っ暗だった空が白くなって青みを帯び、徐々に全体が赤く染まっていく。細長い雲も紫になる。 この時間に終わりを告げるの

          冬のあけぼの ♯エッセイ

          わたしがnoteを購入した理由について #エッセイ

          昨日初めて、noteを購入しました。投げ銭制の記事に、100円をぽちっと、何件か。勢いにのって、以前から気になっていた定期購読も申し込んじゃった。 これまでにもnoteの購入を考えたことはあったのですが、クレジットカード情報の入力が少し面倒だったのもあって、二の足を踏んでいました。 (ただ、noteを始めた当初から自分の振込先口座は入力済だったことを考えると、「面倒で」という理由は、ほんとうは違うのかもしれません。 やっぱり「売る」ことよりも「買う」ことの心理障壁は高いん

          わたしがnoteを購入した理由について #エッセイ

          スティーヴン・キング『書くことについて』小学館、2013年。 #書評

          今回の「書くことについて」では、スティーヴン・キングが「小説の書き方」について書いた本を紹介します。 世界的な超・人気作家のキング。著書を読んだことがない人でも、彼の著書を原作とする映画はどこかで見ているはず。 キャリー Carrie (1976年)(2013年) シャイニング The Shining (1980年) スタンド・バイ・ミー Stand by Me (1986年) ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption (1994年) グリー

          スティーヴン・キング『書くことについて』小学館、2013年。 #書評

          クリスマス前の金曜日、新幹線に乗って。 #恋愛小説

           終業時刻の定時は、17時15分だ。始業時間が8時30分と早くて、早起きしなければならないのはつらいけれど、早く退社できることは、単純に嬉しい。  定時になるとほぼ同時に退勤し、急いで荷物をまとめると新大阪駅に向かった。18時20分発ののぞみに乗ったところで、ほっと息をつく。これで21時前には東京に着ける。彼の携帯に到着時刻を伝える。はやく会いたい。  遠距離恋愛の恋人と過ごすクリスマスは、今回が最初であり、そして、おそらく最後だ。  別れ話があるわけではない。すでにプロ

          クリスマス前の金曜日、新幹線に乗って。 #恋愛小説

          「書くこと」は、「お焚き上げ」であり、コミュニケーション手段である #エッセイ

          noteでは、たくさんの方が、「書くこと」(または「描く・撮る」こと)について投稿しています。 書くことの意味について、noteで書く内容について、書く技術について、ネタ切れについて・・・「書くこと」が好きな人がたくさんいる場だなぁと感じます。 中には、「これほどの文章力や鋭い感性があるのだから、そんなに悩まないで」と言いたくなるような、悩みと向き合う文章もあります。 他の方の「書くことについて」の文章を読むと、何かしら考えさせられます。参考になるもの、面白いもの、逆に「

          「書くこと」は、「お焚き上げ」であり、コミュニケーション手段である #エッセイ

          生きることを怖がるあなたへの手紙 #短編小説

          親愛なるあなたへ  手紙を書くことは、むずかしいものですね。何度も書き損じたせいで、ごみ箱が便せんでいっぱいになってしまいました。  正直に言って、わたしはこの手紙を書くのをためらっています。あなたに伝えたいことがあるのですが、伝え方がわからないからです。  わからないから、いっそ核心に触れてしまうことにします。  わたしは、あなたです。30年後の、あなた。あなたがこれまで生きてきた年月の、2倍くらいの歳月を過ごした後の、あなた自身です。未来の技術は、過去に手紙を届けられ

          生きることを怖がるあなたへの手紙 #短編小説

          知識や常識も、アップデートする必要がある #エッセイ

          アップデートという言葉を聞いて、最初にイメージするのは何でしょうか?わたしは、スマホやコンピュータ(特にウイルス対策ソフトのメッセージ)の画面をイメージします。 けれども、コンピュータだけではなく、わたしたちの知識や常識も、アップデートしていく必要がある、という話。 そのことを考えた例を3つ、紹介します。 (1)「いいくに作ろう、鎌倉幕府」は、もう古い? 「最近は、鎌倉幕府の成立を1192年(いいくに)ではなく1185年(いいはこ)と教えているらしい」と、聞いたことがある

          知識や常識も、アップデートする必要がある #エッセイ

          食いしん坊たちのわくわく待ち——シュトレンとそのレシピ #エッセイ #レシピ

          「欧米のクリスマスと日本のお正月は似ている」とよく言われます。 一年で一番大きな祭りであること、家族・親族と集まって過ごす日であること、宗教的な行為を伴う(ミサに行ったり、神社に行ったりする)行事であること、長い休暇があること、その時用の特別なご馳走があることなどなど。確かに似ています。 しかし、思うに、この二つは準備期間において、大きな違いがある。 日本でお正月を迎える準備として、まず思い浮かぶのは大掃除。ほかには、お節づくりや買い出し、飾りつけ、年賀状書きなど。年の瀬

          食いしん坊たちのわくわく待ち——シュトレンとそのレシピ #エッセイ #レシピ

          スマート新書の試みに、時代の変化を感じたこと #エッセイ

          ピースオブケイク出版の「スマート新書」、購入しました。 出版を企画した方々の熱い思いをnoteで読んで、どのように新しい価値を生み出そうとしているのか興味が沸いて、(あとは、読みたい内容でもあったので)一冊手に取ってみました。 手に取り、読んで思ったのが、「これは、情報を得るとき『まずはスマホで検索する』ひとに向けた紙の書籍なんだ」ということ。 ある意味で、スマホこそをライバルとして設計した書籍なんだということを、随所で感じました。 まずは、サイズ。カバー写真はiPhon

          スマート新書の試みに、時代の変化を感じたこと #エッセイ

          Confusion of Taka Tanaka #短編小説

           スポーツ・バーというものを始めたのは誰なのか。テレビを設置し、何かスポーツの試合を放映して、お酒を提供してさえいれば、そこはスポーツ・バーだ。録画した試合だってかまわない。テーブル・サッカーが置いてあったりすれば、完璧だ。  もともとは、ただ、スポーツファンの店主が、テレビで試合を観ていたのかもしれない。そこに同じチームのファンたちが集まって、みんなで試合を見るようになったことから、始まったのかもしれない。球場の近くで、野球ファンの集う居酒屋なんかも、日本式のスポーツ・バー

          Confusion of Taka Tanaka #短編小説

          生まれなかったものに対する、もんもんとした何か #エッセイ

          メダカが抱卵していることに気付いた。 12月という季節からすれば、とても珍しい。 一匹のメダカのお腹に、少し黄みがかった透明の卵が数個、ふさふさとついている。何となく、きれいだ。 今年の秋からメダカをお迎えした我が家では、初めて見る卵である。 基本的に、メダカは春から夏にかけて産卵する。 水温や日照時間の長さが、産卵に関係しているからだそうだ。 我が家のメダカ水槽は、特別なヒーターやライトで、水温や点灯時間を調整しているわけではない。 どちらかといえば、「自然に近い姿が見

          有料
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          生まれなかったものに対する、もんもんとした何か #エッ…

          “You are what you ate” #自己紹介 #エッセイ

          これは、西洋のことわざで、直訳は「あなたとは、あなたの食べた物である」ですが、食べることが、生物のあり方に大きな影響を与えることを表す言葉だそうです。 今回は、このことわざに従って、つまりは「私が食べてきたものを紹介する」形で自己紹介をしたいと思います。 12月3日で、noteを始めて一ヶ月が経ちました。 匿名で、知り合いにもほとんど知らせず、ひっそりと書いているのですが、それでも読んでくださる方がいて、徐々に多くの方に読んでいただいているようです。 ありがたいなぁと思いま

          “You are what you ate” #自己紹介 #エッセイ