非日常的なコーヒータイム
カフェは好きだが敷居が高い。
子ども連れの親御さんは、わりと共感することだと思う。
私も、カフェが好きだ。でも、子どもと一緒だとのんびり滞在できるとはいいがたい。
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ニュージーランドはコーヒー文化がなんだか盛んである。カフェでコーヒーといえば、エスプレッソマシーンから抽出したエスプレッソを、スチームで温めた牛乳を注ぐスタイルが一般的。
日本のように、ハンドドリップの喫茶店は少数で、「コーヒーメーカーで淹れたコーヒー」というのもほとんど見かけない。
おそらく、国をあげての一番人気がフラットホワイト(私調べ)。
フラットホワイトとは、オーストラリアやニュージーランドでポピュラーな飲み方。ダブルショットにスチームしたミルクとフォーム(泡)が入る。
ラテよりもコーヒーの味わいを感じることができ、フォームのもったりとしたミルキーさも楽しめる(と、私は思っている)。
ちょっと、ストレートに飲みたいなというときは、ロングブラックを頼む。これは、エスプレッソをお湯で割ったもの。
アメリカンよりもお湯の量が少ないので、コーヒーの味を楽しめる。「お湯も別でいる?」と聞かれる店もある。
子ども用には、フラッフィー。これは、スチームしたミルクとフォームを小さなエスプレッソカップにいれたもの。
ココアパウダーがかかっていたり、チョコレートソースが入っていたりする。だいたいマシュマロとついてくるため、娘のお気に入りだ。
カフェの食べ物は、高すぎたり、味が好みじゃなかったりして、あまりがっつりとランチで食べることはない。けれど、ちょっとしたお茶の時間に利用するのは大好き。
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週末、ふらっと娘とカフェにいった。
カフェに行こうとしていたわけではなく、豆腐と餃子の皮を買いにアジアンスーパーにでかけた。お目当てのお店は、海沿いにある。ちょうど天気のよい週末。
空は青いし、海はキラキラしている。なんだか、買い物して家に帰るだけなのはもったいない気がしてきた。
車を止めて、「コーヒーのみに行こ?」と娘に聞いてみる。「うん、娘ちゃんはフラッフィーね」。娘も、わかっている。
訪れたのは、ビクトリア調の建物が目を惹く「Six Sisters」というカフェ。以前、お仕事させていただいたニュージーランドの大手観光サイト『ニュージーランドの歩き方』でも、この記事でこちらのお店を紹介させてもらった。
注文をすませてデッキに座ると、遠くに海が見える。ランニングしている人もいる。家族連れで、散歩している人も。
空が広い。なんていうか、私にとってこれが日常なのだけれど、こうして青い海やどこまでも続く空をみていると、とんでもなく非日常のなかにいる気がする。私が生まれ育った街は、空なんてちっぽけな範囲でしかうつらなかった。
よくわからない感傷にひたっていると、フラットホワイトとフラッフィーが運ばれてきた。赤いコーヒーカップが可愛い。娘が、マシュマロをひとつ私にくれる。優しい。
白いひげをつけながら、カップに口をつける娘。フラットホワイトは、しっかりとコーヒーの味がしておいしかった。
子どもと一緒のコーヒータイムって、すぐに終わってしまう。マフィンやスコーンがあればもう少し長持ちするが、今日は飲み物だけ。あっという間にカップは空になってしまった。
時計をみると、席に座って10分も経っていない。こんな美しい景色の場所を、じっくり見ずに去ってしまうのだから、やっぱりここは「いつでもこれる」日常なのだろうな。
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