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タイトル好きのめぐる冒険

タイトルが好き。眺めるのも好きだし、つけるのも好き。もはや、noteを書くのはタイトルをつけたいからだと、2%は言い切ってもよい。

少女の頃は、『りぼんマスコットコミックス』の巻末にあった作者別の既刊コミックスのタイトルを眺めているのが好きだった。新聞の下の新刊発売の広告も好きだし、本に挟まれている「〇〇社の本の紹介」みたいなのも好き。本屋や図書館では、背表紙のタイトルを眺めながら好きな本を探す。

なんでタイトルが好きなんだろう。たぶん、文章を唯一無二にしてくれるのがタイトルだからだ。私の文章に、これしかないというタイトルをつける。それがまるでゼロから何かを生み出すようで。タイトルの奥には物語が隠れていて、その姿をチラ見せしながら読まれるのをいまか今かと待っている。

そんな感じでタイトルが好きなものだから、このツイートを見たときは即「よーし、考えちゃうぞ!」と張り切ったわけで。

で、あれよあれよと6人が集まったタイトルコンペに参加した。

タイトルコンペのお題となった、まつしまさんのnoteはこちら。未読の方は、まつしまさんの趣味について書かれた熱量あふれる記事を読んでから、このnoteを読み進めるとより楽しめるかと。

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コンペのため、まつしまさんから記事の共有URLが届いたのが、「もう寝るか」とPCを閉じようとしていたNZ時間深夜11時30分だった。一読して、「熱量ぱねえ……」となり、翌日気合を入れて取り組むことにする。

で、次の日。午前中の仕事を終えて、パンをかじりながら、真剣に記事を読む。

タイトルを考えるとき、まず私が最初に思ったのは「まつしまさんっぽいやつにしよう」ということだった。まつしまさんのタイトルは、ちょっと長い。代表作の「わたしの趣味は、オオゼキです」は短めだけれど、

オオゼキnoteの奇跡と軌跡〜明日、今日よりももっとオオゼキが好きになる〜(34字)

とか

「オレンジジュースを飲みたいのか?飲むべきなのか?」休職したときの話。(35字)

とか

「しごとの楽しさ」を教えてくれたのは、新卒1年目のあなたたちでした。(34字)

とか。印象に残っているnoteのタイトルが長めだ。

あと、タイトルを読んだとき、「ん?」と興味のフックをひっかけられるような感じがする。「オレンジジュース~」は初見で「どういうことなんだろう」と思ったし、

たとえば3歳の息子が、盗んだバイクで走り出したとしても。

とかも、さり気なく気になっちゃう感がある。

わかりにくすぎず、かといってストレートすぎでもなく。もちろん、スパっとしたタイトルもあるんだけど、私のイメージするまつしまさんのタイトルは「長さ」と「1/4のひねり」があるといいなあと思った。

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あと、まつしまさんの記事は、「地図」について熱く語っている。でも、流れ的にタイトルでは伏せたい。だから地図を代わりに表す言葉がほしい。でも、趣味の話だとタイトルでわかるようにしたい。なので「わたしの趣味の話をします」みたいな文言をいれようと、わりと最初から決めて、あとは本文を読みながら言葉を抜き出していった。

5つの理由の中で、とくに聖書に例える部分が面白いなあと思って、そこから拾った言葉で、

寛容であり親切で人を妬まない、わたしの趣味の話をします

というのも考えたのだけれど、「地図」からの飛躍がすぎるなと思ってボツにした。個人的には、形容詞のかかり具合があいまいになるのが気に入っている。

達成感、選択、可能性、旅……あ、あと恋もあるね。地図だから、「ポケットにつめこんで」はどうだろう? あ、でもポケットに入る大きさじゃないな。みたいにぐるぐる考えて、本文に戻ったら、しっかりヒントが書いてあった。

土日はショルダーバックに地図と財布とSuicaとケータイのみ。

あ、ようこさん地図をバックにいれるのね。よし、じゃあバックにつめこむことにしよう。

そうやって出てきたのがこちら。

達成感と可能性とおまけに恋をバックにつめこんで―わたしの趣味の話をします

「達成感」と「可能性」の並びがちょっとしっくりこないから、「達成感と想像力」にしようかな?と一瞬思ったのだけれど、そのままえいやと送ってしまった。

つらつらと書いたけど、タイトルを考えるのに右脳をぐるぐる使っている感じがする。数学の途中式出さないで答えを書くみたいな。下記に紹介しているillyさんみたいに、思考の過程を言葉にできると再現性のあるクリエイティビティになるんだろうなあ。

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他の参加者の方のタイトルは、本当にそれぞれ違っていて面白い。まつしまさんのnoteに合わせつつ、その人らしさが表れていて。にじみ出る個性ってこのことだなと思った。

illyさんは、本職本領発揮的な、仕事できる感が半端ない。

ターゲットを想像力豊かに膨らまして、100案だしたありのすさんからは、「スパルタ新入社員合宿」みたいなガッツを感じる。

ハネサエ.さんのタイトルづけは、文学的で詩的で素敵。

おんなじ方向を目指しても、同一のものなんて出てこなくて、だから人間って面白いねっていう、なんか飛躍した感想を抱いてしまったけれど、大変楽しませてもらった夏休みの課題だった。


『でも暇つぶしの友だちが本当の友だちだって誰かが言ってたな。』っていうセリフがどこかの名作に載ってたけど、このnoteのタイトルをそこからとったかは、また別の話。


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