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「青空文庫を読んで感想を言う会」を主催したところ、とても面白かった話

今回は「青空文庫の作品を読んで感想を言う会(以下、青空文庫会)」について。
発端は、フォロワーさんとの創作会での出来事でした。通常では、お互いのおすすめの作品を読み、忌憚のない意見を交換し楽しむことが趣旨でした。
最近では、お互いに普段は読まない「青空文庫」をチョイスすることで、創作のイベント感を感じつつ、学びになり非常に楽しいことがわかりました。

具体的な手順としては、下記の感じでやってます。

手順

人数:2~5名時間:2~3時間
作品数:大体3~4作品
SkypeもしくはDiscordでやるとよい

1. 青空文庫より短編の作品を選んで読む
2. それぞれ感想や見解を言う
3. 楽しい!

2~3時間で、3作品ほど読んで感想を言えると思います。
人数は2人~5人ぐらいで、おそらくこれ以上人数が増えると、ディスカッションしづらく、管理が難しいと思います。

注意したいポイント


青空文庫会は「文豪の作品を読み、率直な感想を言う」ことをコンセプトにしているため、比較的にストレートな意見が飛び交います。
そのため、参加者には事前のコンセプトをしっかりと共有した上でこの会に望んでもらうことをおすすめします。
例えば、自分がファンの文豪の作品について、ネガティブだと捉えられるような意見や、それに準ずる意見も出てくるかもしれません。
当たり前ではありますが、青空文庫の作品は18~19世紀の作品を扱っているため、その時代に生きている人に向けた作品も当然多くあるので、「わかんねえ」という意見も出てくることもしばしばあります。
本会については、率直な感想を言うことで新しい視点や刺激を受けたい人に向けたイベントなので、参加者がそれを知らない場合は、トラブルの原因になってしまいます。
また、無理を押して参加したり、参加者が遠慮してしまっては、本会の醍醐味である率直な意見からでる刺激が薄れてしまうので、必ず上記のことを守られることをおすすめします。

青空文庫会の面白さとは?

青空文庫の作品をほとんど読んだことのなかった僕にとっては、文豪の作品に触れるきっかけになったのは大きいです。
一人では読まないけれど、読む口実になりますし、感想をその場で共有できるのもまたよいのです。
青空文庫の作品は、触れたほうがよいことはわかっているのですが、中々触れないので……。

また、今の人に向けた作品でないという点も面白いです。
自分が読んでいるものは、あくまで現代(というか今)の小説です。しかし、青空文庫にある作品はそうではありません。
特に顕著なのは18世紀に書かれた作品は私小説のような属性が強く、19世紀に入ると物語の色が濃くなること。
著者はあくまで同じ時代を生きた人ではないので、作品の真意や状況を汲み取ることが難しいです。
そう、わからないのは当たり前なのです。だからこそ、感想をストレートに言える楽しさがあります。

青空文庫の作品をみた感想


宮沢賢治さんの注文の多い料理店は、今の作品にも使われている物語の構造で驚きました。なんというか、ぐうの出ないストーリーテリングで今でも通用すると言うか、現代に生きる自分でも面白いと感じました。
およそ1924年頃に公開された作品のようですが、90年ほど前の作品なんですが、それがこんなに面白いってどうなってるの!?と感動していました。
おそらく子供がはじめて童話に触れたぐらいのリアクションを取ったと思います。

有島武郎さんの一房の葡萄は、ちょっと卑屈な少年が友達の絵の具を盗んでしまったが、先生の仲介もあり、仲直りし更生したことを回想するストーリーです。(めちゃくちゃかいつまんでます)
少年が中々性根の悪いやつで、盗みを働いたのにも関わらず、最後には大人の仲介があり許されてしまいます。
印象としては、大人が子供に対して理想的な解決を思い浮かべて、誘導したようなイメージで、読んだ当初はあまり納得がいっていませんでした。
しかし、有島さんの事を調べてみると、キリスト教徒であることが分かります。
つまり、僕(無神教、しいて言えば仏教?)の価値観ではなく、キリスト教徒的価値観であれば、この作品について非常に納得がいきます。
このように、著者について調べてみると、作品について色々と見えてくるのが面白いのです!

と、色んな気づき、発見があって非常に楽しいのです。
気軽に出来て、良質な作品に出会えて、刺激を貰える「青空文庫の作品を読む会」を主催してみませんか??


Photo by Aaron Burden on Unsplash


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