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【野球】交流戦の振り返りと6月13日終了時点での主力選手成績まとめ

■ 交流戦の振り返り

厳しくも楽しい交流戦が終わった。

例年ならば「5割で御の字」くらいの負け犬根性丸出しで挑むパ・リーグとの戦いも、今年はどれだけ通用するかと野心を持って臨めたはずだった。しかし序盤から苦しい試合の連続。終わってみれば11勝7敗と大きく勝ち越して終われたが、ひとつ間違えば大きく崩れてしまってもおかしくないほどギリギリの戦いだった。

千葉 ●○●
西武 ○●○
大阪 ●○●
福岡 ○●●
ハム ○○○
楽天 ○○○

一番のトラウマは何といっても不動のセットアッパー岩崎優が登録抹消まで追い込まれたことよ。いきなり開幕戦からマーティンに逆転弾を浴びると、オリックス戦でもボコボコにやられてしまう姿は見ていてツラいものがあっただけに、早めに再調整を命じた首脳陣の判断は大正解だった。
ソフトバンク戦では長年の課題である守備の不安を露呈。2試合続けて3失策を犯し連敗を喫したあたりで、さすがに停滞期に入るのを覚悟させられたほど。
それだけに、最下位の日本ハム戦の初戦を手こずりながらも制し、最終的にスイープまで持っていけたのは価値があった。さらにその勢いに乗って楽天戦も3連勝。パ・リーグの首位チームを相手に、非常に内容の濃い勝ち方ができたことでいよいよ優勝も現実味を帯びてきたところ。ちょうど広島の三連覇が始まった16年の交流戦で鈴木誠也が「神ってる」状態に入ったときも、似たような感覚だったことを覚えている。「ああ、本当にこのチーム強いんやな」と確信させられた。

勝負強さでいえば、交流戦の期間中に「9回2死からの決勝打」で3勝を挙げられたのは素直にすごい。佐藤輝明の3ラン、代打原口文仁のひと振り、そして梅野隆太郎の盗塁から近本光司の決勝打と、いずれも印象深いものばかりだ。


パ・リーグ全体の印象としては、確かに例年に比べるとややパワーダウンしていたかな。西武やソフトバンクは故障車やコロナ禍、さらにはキューバ勢が不在だったりでベストメンバーではなかったし、日本ハムはチーム状態が壊滅的。それとは対照的にオリックスの充実ぶりは際立っていたし、ロッテ打線の破壊力もひたすら脅威だった。それらを従えて首位を走る楽天は言わずもがなである。
ただ、一つだけセ・リーグと明確に違いを感じたのは盗塁のケアに対する意識の差。正直クイックとか半分どうでもいいと思ってるやろw そんなこと気にするより速い球・切れる球を投げて打者をアウトにしたらええねんの精神で投げているように感じた。おおむねどのチームも。

これだけ強力な相手に対して最終的に勝ち越せたのは大きな自信になったし、気が早いかもしれないが日本シリーズでもいい勝負に持ち込めるんじゃないかという手応えも得られた。

■ 6月13日終了時点での個人成績

それでは引き続き個人成績の部。交流戦限定ではなく、今季トータルの数字な。

(中)近本 .281 05 24 .735 +5.7
(遊)中野 .291 01 15 .725 -3.6
(一)マル .283 12 34 .892 +1.7
(三)大山 .269 08 34 .787 -3.2
(左)サン .287 12 36 .884 -5.1
(右)佐藤 .274 16 44 .870 +4.2
(二)糸原 .297 01 15 .743 -6.9
(指)糸井 .214 03 07 .744
(捕)梅野 .225 01 18 .607 +0.1

※数字は左から順に打率・本塁打・打点・OPS・UZR(DELTA社)
※中野・糸原・糸井は規定打席未到達

まずは野手編。何といっても中野拓夢が二番でバリバリ機能している点が特筆もの。これで七番・糸原健斗、八番・梅野で下位打線が組める。強い。
打席数が増えても水準級の数字を維持しているし、盗塁数はついにリーグトップにまで躍り出た。守備も失策が多いせいで指標は悪くなっているが、守備範囲は優秀な数字が出ているので改善の余地は十分に残されている。

あとは故障明けの大山悠輔。まだエンジンがかかりきっていない印象だが、それでもこの数字にまとめてきているあたりが成長の証。田中将大からの決勝弾とか、あれこそが四番の仕事ですわ。ここから本塁打量産モードに入れば一気にOPSも爆上げよ。近本は交流戦終盤で長打ばっかり打つマンになってたし、出塁率より長打率を上げるルートに乗ったかと思うと今後も楽しみ。

佐藤輝はもうすごいとしか言いようがない。開幕前に予想した最終成績[.260 15 60]がもうハズレ確定。

西勇 11試合3勝3敗 3.18 QS6 70+2/3回
秋山 09試合6勝2敗 2.86 QS6 56+2/3回
アル 04試合2勝1敗 4.38 QS2 24+2/3回
青柳 10試合5勝2敗 2.17 QS8 66+1/3回
伊将 08試合4勝3敗 2.52 QS5 53+2/3回
ガン 08試合5勝0敗 2.44 QS5 44+1/3回

続いて先発投手陣。藤浪が登録抹消後、リリーフとして再昇格し代わりにアルカンタラが入っている。
個人的にアルカンタラはめちゃくちゃ評価していて、まず単純にストライクを取るのに苦労しないのがいい。それでいて三振もしっかり取れる。すでにK/BBも6.00をマークしているし、投球の組み立てさえ覚えればメッセンジャーサンの再来になれる。なので中継ぎ転向はもってのほか。

あとは青柳晃洋がエース級の働き。交流戦でもソフトバンク戦・楽天戦と8回1失点の快投を見せてくれた。さすが五輪代表である。もう制球難とフィールディングで自滅する姿も見られないし、課題を克服しながらすばらしい投手になってくれた。
一方で苦しんでいるのが西勇輝。交流戦3試合も大崩れはしなかったが白星は得られず。どうにも思い通りに制球ができていない。本人のためにもしばらくカード頭など重責は負わせず、少し楽な立場で復調を促すのが得策に思うのだが..

右肩痛でしばらく休んでいたガンケルは相変わらずガンケルで安心した。

岩崎 27試合1勝3敗18H00S 3.09
岩貞 24試合2勝0敗12H00S 5.21
スア 29試合1勝0敗00H21S 0.62

馬場 16試合2勝0敗07H00S 3.32
藤浪 10試合3勝1敗07H00S 2.48 QS2
小林 18試合0勝1敗04H00S 2.81

及川 05試合1勝0敗00H00S 2.35
斎藤 04試合1勝0敗00H00S 1.80

現在、唯一と言っていい不安材料がブルペン陣。あの阪神タイガースが中継ぎに困っているのだ。
再調整に追い込まれた岩崎と同様、岩貞祐太も安定感を取り戻せず。今は中盤の火消し役に使われることも多く、やや序列も下がってしまっている印象だ。馬場皐輔もまだ全幅の信頼とまでは。先日の楽天戦ではあっという間に2失点。セットアッパーとして計算できるにはもっとレベルアップが必要。及川雅貴と斎藤友貴哉が接戦ビハインド要員として台頭してくれたのはありがたいが、こちらもまだまだ重責は負わせられない。

そこで藤浪よ。再昇格後、右のセットアッパーとして起用されてから5試合で1失点のみと安定。楽天戦で鈴木大地に打たれたのは相手を褒めるしかないやつ。与えた四球も確か近藤健介と浅村栄斗を警戒しながら出した2つだけ。今のところ制球を乱して崩れるような気配は見られない。
信じてええんか..?w
開幕からずっと足りないと言われていた「右の勝ちパ」に彼が収まれば、まさしく優勝へ向けてのラストピースが見つかったことになる。これほどドラマチックなことはない。本人はもちろん先発への想いを強く持ち続けていることだろうが、今季の開幕からの内容を見ていても未練は断ち切るタイミングに来ているのでは。まずはブルペンでチームに貢献し、年俸も取り戻すところから始めようぜ。

■ リーグ戦再開の読売戦に向けて

ムードも最高潮の中で再開するリーグ戦。いきなり甲子園に読売さんを迎えるというのも気の利いた日程ではないか。向こうは丸佳浩・梶谷隆幸も復帰するみたいだし、先発ローテもメルセデスとか菅野智之とか使ってくるらしいですね。最低でも勝ち越し、3タテ狙い。おおいに結構。

これで返り討ちにできれば、いよいよですわ。

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