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【競馬コラム】プリモディーネの頃から変わらぬ握りこぶし

福永祐一という騎手が馬上で喜びを表す際はいつも控えめだ。ゴール直後から上体を起こし、ムチを振り上げてガッツポーズ..なんて仕草は見た記憶がない。いつも前傾姿勢のまま、顔の近くでグッと握りこぶしを作る。それが彼のスタイルだ。

リメイクとのコンビでG3カペラSを勝利。いつもの年なら阪神ジュベナイルFで将来豊かな2歳馬の手綱を任されているところだが、周知の通り来春限りで現役を引退することが決まった影響もあってか「ウラ開催」の中山へ。とはいえ、2歳時から主戦を務めてきた相棒と重賞勝ちの味をシェアできた喜びは大きいだろう。
とんでもない豪脚で大外からぶっ飛んできた時は思わず笑ってしまったが、ゴール前におなじみのガッツポを見た瞬間に「ああ、これが見られるのもあと少しなんだよな」と思うと少し寂しくなってしまった。

プリモディーネの時も変わらんね。福永祐一といえばこのガッツポーズなんよ。

寂しさは残るけれど、この門出は思い切り祝いたい。騎手としてこれ以上ないほどの成績を残し、悲願だった日本ダービーだって3回も勝った。三冠馬コントレイルとも出会った。もう十分すぎる。
あと彼に残された使命は、「無事に引退すること」だけ。松尾翠さんがインスタで「安心しました」とコメントしていたようだが、それが全てを物語ってる。あとわずか3ヶ月、されど3ヶ月。くれぐれも何事も起こらぬよう、最後の職務を全うしていただければ。

それにしても引退週にサウジアラビア遠征の予定が入りそうというのが前代未聞でw リメイクがリヤドダートスプリントに参戦するんだとか。きっと同厩のクラウンプライドもセットで行くんでしょう。引退するホースマンといえば競馬の神様が降臨するのがおなじみだが、サウジアラビアまで出張してくれるんでしょうか神様。よろしくお願いします。

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