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【ガンバ大阪】敗戦を語れる幸福感

福岡戦はものの見事なまでの完敗。スコアこそ1点差だが、勝敗が決まった後の追いつかない程度の反撃は、試合に対する印象を変えるものではなかった。

試合後のコメントでは主に片野坂監督と昌子のコメントがメディアでは取り上げられており、どちらもメンタル面について触れられているのが印象的だったが、見ていた感覚とは少し異なるのでこれ以上の言及はしない。

一番の敗因は、シンプルに福岡がチーム力の面で上回っていたってことに尽きると思う。悔しいけど。「5年に一回J1に上がれるけど確実に降格するボタン」を押し続けてきたチームが、昨年は残留を果たした上に8位と大健闘のフィニッシュ。夏にアウェイで対戦した際も、終了間際にパトリック弾で勝ったとはいえ、VARで超きわどいハンドが認定され失点を免れるなど厳しい試合だった。
昨季の主力もおおむね残留しているようだし、そこにルキアンや田中達也といった実力者を補強するなど、土台づくりは着実に進んでいる模様。そしって何よりも連動性と運動量を兼ね備えた守備組織が整ってる。奪い方、奪ってからの切り替えの早さは迫力十分で、スペースめがけて走る選手もボールが出てくるという確信のもとでスプリントしてる。こういうチームは強い。

一方でガンバはチームとしての形作りは道半ば、それどころかやっと最初の一歩を踏み出した段階。成熟度では大きな差がある。それを踏まえた上で、中盤をいじったのは失敗だったんじゃないのという後悔がある。

川崎戦・磐田戦と勝てないながらも徐々に手応えが得られつつある中で、一番のストロングポイントは小野瀬を中心とした右サイドの崩しだった。石毛や齊藤、高尾が絡みながらチャンスを作るやり方は通用していた。だが今回は小野瀬を2トップの一角としてパトリックと組ませるやり方を採用。一番の頼れる形を自ら放棄する形を取ったのは、この試合の行方を語る上で大きな分岐点になった。
実際、途中で配置を戻してからよくなった時間もあったからね。後半開始から2点目を取られるまでは得点の可能性も感じさせたし。

ただ、だからといって采配ミスだとか言いたいわけでもないので誤解のないように。FWを2枚にしたくなる気持ちはわかるんですよねえ..実際「小野瀬システム」でチャンスは作っても、そこに人数を割いてしまうせいでクロスを上げてもパトリックしかいない場面が前節でも多かった。あとはせいぜい逆サイドから黒川が入り込んでるかどうか程度。これでは迫力は物足りんなあという問題意識が監督も抱えているというのは共感しかない。

はあ、宇佐美がいればなあ..

しかし幸せなことである、負けた試合に対してああだこうだと考えを巡らせながら語らえるのは。結果が出なくても、目を背けずに今の姿を見守ろうと思えることは。昨年なんてもう(ry
だからこれしきの敗戦で我々の心は折れない。先制されたくらいで「負けました」なんて思わないので、くれぐれも選手たちはそんな弱い気持ちで戦わないでいてほしい。

と最後は昌子のコメントについつい触れてしまった。別に1点取られたくらいで絶望感なんてないからな。


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